Vistaが無事起動したら、Boot Campアシスタントで作った「Macintosh Dreivers CD」を導入しよう。このCDにはWindows XP用のドライバ(チップセット、ディスプレイ、サウンド、有線LAN、無線LAN、Bluetoothなど)が用意されているが、Vista上では当然のようにインストール作業が失敗する。インストーラーが立ち上がり、いくつかのドライバは導入されるものの、必ず途中で無反応状態になってしまうのだ。しかも、その状態でシステムを再起動してもグラフィックスのドライバしか認識されない。
そのため、ドライバの導入にはもうひと手間が必要になる。このCDはC:\Program Filesにファイルを展開するので、インストーラーがファイルを展開したら、ドライバ類を任意のフォルダにコピーし、インストーラーを強制終了する。そしてコピーしたフォルダから、改めてサウンドや有線LANなどを手動で割り当てよう。もっとも、無線LANやBluetooth、内蔵カメラのiSightなどは正常に認識されず、利用できなかった。
デバイスドライバの導入には手間がかかるが、一度起動してしまえばVista β2の動作自体は非常に安定している。Intel 945GMの内蔵チップセットゆえ、残念ながらAero Glass(3D表示のデスクトップ画面)には現時点で非対応だが、Internet Explorer 7+やWindows Media Player 11、Media Center機能、Windowsサイドバー、新しいフォントのメイリオなどは活用できる。また、スリープや休止状態からの復帰は問題なく行え、前者では前面のLEDランプがMac OS X利用時と同じく明滅した。もちろん、デュアルブートにも対応しており、Optionキーを押しながらMacBookの電源ボタンを押せば、Mac OS XとWindows Vistaのセレクトが可能だ(ただし、Mac OS Xのシステム環境設定にある起動ディスクでWindows Vistaは見えない)。
筆者の環境ではVistaの再起動時にまれに内蔵キーボードとマウスが認識されなくなる不具合(外付けは問題なく動作した)が見られた。また、IntelのWebサイトから別途ダウンロードした最新のチップセットソフトウェア(Ver.8.0.1002)はインストールできたが、グラフィックスドライバ(Ver.14.20)は導入できなかった。
加えて、キーボードのキーマップという問題も残る。Vista β2ではトリニティーワークスの「AppleK Pro v1.8.0」をインストールできず(ノーマルのAppleKは導入可能)、「\」や「_」を入力できないのが現状だ。
ともあれ、新たなPCを組み立てることなく、比較的手軽にWindows Vistaを楽むという当初の目的は達成できた。Aero Glassが動作しない点を除けば、仕事(Vistaの画面キャプチャや動作確認)でも役立ってくれるだろう。
ちなみに、筆者も当初はBoot Campを使ってMac OS XとWindows XPの環境を切り替えていたが、Parallels Software InternationalのParallels Desktop for Macの使い勝手があまりにもよく、今回はWindows XPのパーティションをそのままVista β2に置き換えてしまった。
何かと問題はあるが、MacBookでWindows Vistaを簡単に楽しめるようになったのはうれしいポイントといえるだろう。
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