これまでに紹介したVistaチップス
3枚め:「ファイル名を指定して実行」をスタートメニューに加える
6枚め:WindowsメールにOutlook Expressの環境を取り込む
7枚め:「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更する
今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
---|---|---|---|---|
エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
OSを変更したときに頭を悩ませるのが、ハードウェアのドライバだ。OSのインストール時に、すべてのハードウェアが自動的に認識されればよいが、Windows Vistaにすべてのハードウェアのドライバが含まれているわけではない。ハードウェアメーカーがVista対応のドライバをリリースしていれば問題ないが、Vista用のドライバが用意されていない場合は困ってしまう。
しかし、ここで諦めるのは早い。Vistaは、基本的にはWindows XP用のドライバもサポートしている。したがって、XPのドライバがある場合は、手動でXPのドライバをインストールして試してみることができるのだ。ただし、XPのドライバをVistaで利用すると、正常に動作しなかったり、機能が制限されることがある点は十分注意してほしい。
たとえば、サウンドデバイスの場合は、入出力がうまく動作しなかったり、PUMA(Protected User Mode Audio)を必要とする保護されたコンテンツを再生できない可能性がある。また、XP用のXPDM(Windows XP Display Driver Model)グラフィックスドライバは、Vista用のWDDM(Windows Vista Display Driver Model)グラフィックスドライバと異なり、Windows Aeroが無効になってしまう。XPDMドライバとWDDMドライバは、システム上で混在させることができないため、複数のグラフィックスドライバがインストールされている場合は要注意だ。ネットワークドライバやストレージコントローラのXP用ドライバについても機能が制限されることがあるが、サウンドやグラフィックスほど大きな制限はないようだ。
しかし、XPのドライバを用意してもVistaで認識されない場合がある。手元の環境で問題が発生したのは、PromiseのPDC20378を搭載したRAIDコントローラだ。実は、PDC20378を搭載しているカードのドライバはVistaにデフォルトで用意されているのだが、そのドライバを自動的に探し当てて利用することもなかった。同様の現象が発生するデバイスとしては、「Intel 82801EB LPC Interface Controller - 24D0」が知られている。もっとも、このデバイスを搭載していれば必ず発生するわけではなく、一部のマザーボードでのみ発生するようだ。
XPのドライバをインストールする、またはVistaが自動認識しなかったデバイスのドライバをインストールする場合は、デバイスマネージャで任意のデバイスを右クリックし、「ドライバソフトウェアの更新」をクリックする。次に「コンピュータを参照してドライバソフトウェアを検索します」を指定し、ドライバディスクがある場合はドライバを保存しているフォルダを選択、Vistaに搭載されているドライバをインストールする場合はデバイスドライバの一覧から選択する。
Vistaは、ドライバの署名によるインストール要件も変わっている。署名なし、自己署名済みドライバは、管理者のみインストール可能で、インストール前に警告が表示される。逆に信頼された発行者による署名が行われているドライバは、自動的にサイレントインストールされる。なお、64ビット版のVistaでは信頼された発行者による署名が行われているドライバのみインストール可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.