日本の“ブラックiPAQ”は何人組?――HP iPAQ新モデルを追うHP Fall 2007 Consumer Launch(2/2 ページ)

» 2007年09月19日 07時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]
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3Dによるナビゲーションシステムに特化したiPAQ 312 Travel Companion

4.3インチ液晶ディスプレイを備えた「HP iPAQ 312 Travel Companion」

 続いては、日本でも発売が予定されているナビゲーションシステムと、“ピュアPDA”の2モデルをチェックしよう。

 まずはカーナビのディスプレイに似た「HP iPAQ 312 Travel Companion」だ。日本で発売中の現行機「HP iPAQ rx5965 Travel Companion」のコンセプトをさらに推し進めたモデルで、内蔵のGPS機能を使ったナビゲーションシステムに特化しているのが特徴だ。地図データの3D表示や、地図およびテキストデータの読み上げ機能も備えている。

 液晶ディスプレイは4.3インチワイドと大型で、画面解像度も800×480ドットと高精細だ。CPUには3Dグラフィックスのアクセラレーター機能を内蔵したCentrality Titan 600MHzを採用し、HP独自のユーザーインタフェースを導入することで、地図データのなめらかな描画と直感的な操作を実現する。実際、前面部分には電源ボタンしかなく、すべてタッチスクリーンと右側面にあるホイールボタンで操作する形だ。

 rx5965と同様、内蔵フラッシュROMは最大2Gバイトと大きめで、パッケージには車載キットが標準で付属する。OSはWindows CE 5.0、通信機能はBluetooth 2.0+EDRのみで、市場想定価格は399ドルだ。

iPAQ 312の画面解像度は800×480ドットと細かい。16ビットRGB対応の6万5000色表示により、鮮明な画面を楽しめる。地図データの3D表示だけでなく、ゲームや動画の再生も可能だ(写真=左)。前面は電源ボタンのみで、画面のタッチと右側面のホイールボタンを併用することにより視点や縮尺の変更が簡単に行なえる(写真=中央)。標準で付属する車載キット(写真=右)

左側面にSDメモリーカードスロットがあり(写真=左)、右側面にホイールボタンとリセットスイッチがある(写真=中央)。ボディの厚さは18.2ミリだ(写真=右)

HP iPAQ 312の主なスペック
製品名 iPAQ 312 Travel Companion
CPU Centrality Titan 600MHz
Memory 128MB SDRAM/2GB Flash ROM
液晶ディスプレイ 4.3インチ(800×480ドット)
無線LAN
Bluetooth Bluetooth 2.0+EDR
内蔵カメラ
メモリカードスロット SDメモリーカード×1
OS Windows CE 5.0(ユーザーインタフェースはHP独自)
バッテリー容量 1700mAh(リチウムイオン)
本体サイズ 110.2(幅)×86.8(奥行き)×18.2(厚さ)ミリ
重量 187グラム
市場想定価格 399ドル

ピュアPDAは縦位置が基本の2モデルを用意

 最後にピュアPDAの2モデルを紹介しよう。

 2006年、同社で初めて横画面をデフォルト採用した「iPAQ rx Mobile Media Companion」シリーズが発表されたが、今回は縦位置表示が基本の企業向け「iPAQ hx」シリーズ後継モデルのみが投入された格好だ。

 新モデルの「iPAQ 912 Enterprise Handheld」と「iPAQ 112 Classic Handheld」は、OSにWindows Mobile 6 Classicを導入したピュアPDAで、624MHz駆動のMarvell PXA310をはじめ、IEEE802.11g/bの無線LAN機能とBluetooth 2.0+EDRの通信機能を備えている。前者のiPAQ 912は文字通り企業向けの製品で、LEDバックライトのタッチスクリーンがVGA表示対応(480×640ドット)の4インチとなり、9方向のナビゲーションボタンと4つのプログラマブルボタンを実装する。CFカードとSDIO対応SDメモリーカードのデュアルスロットを備えているのも特徴だ。

 iPAQ 112は最もシンプルなPDAで、LEDバックライトのタッチスクリーンは240×320ドット表示対応の3.5インチになるほか、メモリカードスロットもSDIO対応SDメモリーカードスロットのみとなる。前面には5方向のナビゲーションボタンと4つのプログラマブルボタンを用意する。

企業向けモデルの「HP iPAQ 912 Enterprise Handheld」(写真=左)。内蔵カメラは用意されず、裏面も非常にシンプルだ(写真=中央)。内蔵メモリの構成(写真=右)

2つのメモリカードスロットやスタイラスペンは天面部分にある(写真=左)。底面にはドッキングやUSB、ヘッドフォンといった各端子が並ぶ(写真=右)
左側面には録音ボタン(写真=左)、右側面にはリセットスイッチがあるだけだ(写真=右)

Excel/Word/PowerPoint/Outlookの各モバイル版がプリインストールされている(写真=左)。無線LANやBluetooth機能を標準で内蔵する(写真=中央)。もちろん横位置表示も可能だ(写真=右)

こちらはエントリーモデルの「HP iPAQ 112 Classic Handheld」(写真=左)。iPAQ 212と同じく、背面はフラットになっている(写真=中央)。厚さは13.6ミリとスリムだ(写真=右)

天面部分はヘッドフォン端子とスタイラスペン(写真=左)、底面部分にUSB端子がある(写真=右)
。左側面にSDIO対応のSDメモリーカードスロットが(写真=左)、右側面に電源ボタンや録音ボタンが並ぶ(写真=右)
内蔵メモリの構成(写真=左)。OSはWindows Mobile 6 Classicを採用する(写真=中央)。LEDバックライト採用のタッチスクリーンは3.5インチで、画面解像度は240×320ドットだ(写真=右)

HP iPAQ 212と112の主なスペック
製品名 iPAQ 212 Enterprise Handheld iPAQ 112 Classic Handheld
CPU Marvell PXA310(624MHz)
Memory 64MB SDRAM/256MB Flash ROM
液晶ディスプレイ 4インチ(480×640ドット) 3.5インチ(240×320ドット)
無線LAN IEEE802.11g/b
Bluetooth Bluetooth 2.0+EDR
内蔵カメラ
メモリカードスロット SDIO対応SDメモリーカード、CFカード SDIO対応SDメモリーカード
OS Windows Mobile 6 Classic
バッテリー容量 2200mAh(リチウムイオン) 1200mAh(リチウムイオン)
本体サイズ 76(幅)×126(奥行き)×16(厚さ)ミリ 68.9(幅)×116.7(奥行き)×13.6(厚さ)ミリ
重量 192グラム 114.6グラム
市場想定価格 399ドル 299ドル

 以上、3回にわたって米Hewlett-Packardのアジア太平洋地区コンシューマー向け製品発表会の模様をお伝えした。特にiPAQシリーズは、日本で唯一継続的に供給されているPDAとして、今後の展開が気になるところだ。その半面、日本のコンシューマー市場に本格復帰してから日が浅いPCはともかく、プリンタやPDAについては、そろそろ、もう一皮むけたアプローチを期待したいのも事実(例えばスマートフォンの供給開始など)。好調な海外市場での勢いを、より一層体感できる2007〜2008年となってほしい。

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