これまでのバックナンバー
第1回 線をなくした“最上”マウス――エレコム「M-P3DUR」シリーズ
第2回 “Media Center 命”のVista向けキーボード――MS「Wireless Entertainment Desktop 7000」
第3回 Mac印のミニキーボード――PFU「HHKB Lite 2 for Mac」
第4回 “ごろ寝マウス”が地球のキキを救う!?――シグマA・P・O「ごろ寝 リターンズ」
第5回 “小学生だからって甘く見るなよ”な右手/左手切り替えマウス――エレコム「M-EKUR」シリーズ
第6回 見ためが“イカス”快適マウス――MS「Natural Wireless Laser Mouse 6000」
第7回 カ・イ・カ・ン……なホイールがお手ごろ価格で――ロジクール「MX620 Cordless Laser Mouse」
第8回 “ちょい上”キーボードをタッチしてみた――エレコム「TK-P05F」シリーズ
第9回 解き放たれた超軽量・薄型キーボード――シグマA・P・O「Bluetooth Elysium」
第10回 そのタッチはあまりに“SEXY”――ダイヤテック「Majestouch Wireless」
第11回 キートップ交換の悦楽――富士通コンポーネント「リベルタッチ FKB8540」
第12回 極薄キーボードの機能美に酔う――アップル「Apple Keyboard」
第13回 軽・薄・短の無線キーボードに陶酔する――アップル「Apple Wireless Keyboard」
第14回 “スリムだけど、こってり”なキーボード――MS「Wireless Entertainment Desktop 8000」
12月7日から店頭販売が始まる「Mobile Memory Mouse 8000」は、多彩なラインアップを持つマイクロソフトのモバイルマウス製品の中で、最上位に位置付けられるモデルだ。フラッグシップ製品らしく小型ながら非常に多機能なのが特徴で、スイッチの切り替えによりBluetooth 2.0と2.4GHz帯の無線方式どちらにも対応するのが見どころだ。加えて、製品名にもあるように無線方式のレシーバーに充電機能と1Gバイトのメモリを内蔵し、マウスに充電しながらUSBメモリキーとしても扱えるのも見逃せない。
エルゴノミクスデザインを採用したボディは、その独特な形状や両側面がラバー状になっていることから、以前取りあげた「Natural Wireless Laser Mouse 6000」の弟分とも言える風情を漂わせている。ただ、クリックボタン部分をヘアライン処理のアルミ調に仕上げつつ、その周囲をピアノブラック調のカラーで覆うことにより高級感はグッと増した印象だ。
形状は右手専用デザインになっており、チルトホイールをサポートした5ボタンマウスとして機能する。ホイールは幅が約6.5ミリと細いが、円周上にラバーが貼り付けられているので操作に不満は感じない。なお、ホイールは最近の同社製品と同じクリックレスタイプだ。
重量は充電池込みで約83グラム(実測値)と非常に軽量で、底面の滑りもなめらかで操作しやすい。もともとサイズが66.6(幅)×85.1(奥行き)×39.9(高さ)ミリと小型なため手の大きな人は持てあましがちだが、右手の薬指がマウスの右側面にすっぽりと入るので、手のひらから手首にかけて机に密着させる格好で使えば扱いやすいだろう。なお、レーザーセンサは1000dpi/6000fpsとなっている。
さて、前述したように本製品は無線とBluetoothの両方式をサポートしているが、Bluetoothのレシーバーは付属せず、PC内蔵のBluetoothを利用するか、別途レシーバーを用意する必要がある点は覚えておきたい。試しにBluetoothを内蔵した初代MacBookや初代Mac mini、FMV-BIBLO LOOX P70T/Vなどでは問題なくBluetoothの登録が行えた。
一方、2.4GHz帯の無線方式(到達距離は半径約10メートル)で接続する場合は、付属のUSBレシーバーをPCにつなぐだけで通常のマウスとして利用できる。もちろん、ボタンのカスタマイズや割り当てを変更するといったマウスの機能をフルに使いたい場合は、同社おなじみのIntelliPointをインストールしなければなならない。対応OSは下記の表にまとめたが、試しにサポート外のMac OS X 10.5(Leopard)環境で使ったところ、評価中は目立った問題もなく使用できた。
ユニークなのは、このレシーバーが充電とUSBメモリキーとしての機能を兼ね備えていることだ。パッケージには長さが約92センチの充電ケーブルが付属し、レシーバーとマウスをつなぐだけで自動的に充電が開始する。レシーバーとマウス底面の接合部分はマグネットになっており、ケーブルに手やものを引っかけてもケーブルだけが外れるようになっている。Bluetooth/2.4GHzの無線方式いずれの場合でも、充電しながら有線マウスのように使うことも可能だ。
ちなみにバッテリーは単四乾電池1本で、ニッケル水素充電池が(1.2ボルト 1000mAh)セットになっている。米国のTechnical Data Sheetによると3時間で充電が完了し、約3週間使用できる。
多機能なだけにレシーバーは18(幅)×68.1(奥行き)×12(高さ)ミリとやや大柄で、USBコネクタ部分をカバーするキャップもないが、マウスやケーブルなどが一括して収納できるキャリングポーチが付いているので持ち運びに困ることはないはずだ。ただ、容量1Gバイトのメモリは手軽に使える半面、転送速度が非常に遅いので、このあたりは割り切りが必要になる。
USBメモリは“オマケ”と言える程度のものだが、小ぶりで見た目も高級感のあるボディは魅力的だ。2.4GHzの無線方式だけでなく、Bluetoothにも対応したモバイルマウスとして注目の製品に仕上がっている。実売1万2600円前後と値段はそれなりに張るものの、小粋なギミックも兼ね備えた多機能なマウスとして、特に手になじむBluetoothマウスを探しているユーザーにお勧めしたい一品だ。
持ち運びを想定した小型マウスなので、ホールド感を犠牲にした部分があるのでは、と思って試してみたが、実際に指をそえてみるとなかなか使いやすい。手のひらにできる空洞部分(マウス本体の上には指の付け根までしか乗らない)に慣れてくると、マウスが小さい分だけ手首への負担は少ない印象だ。無線とBluetoothの両対応も、自宅でMac、会社でWindowsと使い分けている人にはちょうどいいかも。
ただし、サイドボタンは非常に押しづらく、個人的に後方のボタンはじゃまとさえ感じた。細かいところでは、基本的に親指と薬指で本体をホールドするので、浮いた小指がマウスパッド上をすべることになり、後になってとても汚れていることに気が付く。机の上にホコリが舞っている人は、要注意だ。
以前から手ごろなBluetoothマウスを探し続けている身としては、ついに“本命”が来たかと期待していた製品だ。実際、同社がモバイルマウスのフラッグシップと言うだけあって見た目はカッチリと仕上がっており、質感や操作性は良好だ。機能面も豊富で、Bluetoothと2.4GHz帯の無線で複数のPCを使い分けられるのは、ほかのマウスではできない芸当だろう(切り替えスイッチはもっとアクセスしやすいところに設置してほしかったが)。充電しながらマウスを利用できるのも気が利いている。
2つあるサイドボタンのうち、前方はともかく後方のはやや押しづらいが、慣れで何とかカバーできる範囲内だ。実売で1万2600円と気軽に買えるものではないが、キャリングポーチもセットになっており、どこにでもお供をさせたくなる製品に仕上がっているのは間違いない。
主なスペックは下記の通りだ。
製品名 | Mobile Memory Mouse 8000 |
メーカー | マイクロソフト |
インタフェース | Bluetooth 2.0/2.4GHz帯デジタル無線 |
読み取り方式 | レーザー |
カウント数 | 1000dpi/6000fps |
クリックボタン | 5(ホイール含む) |
使用電池 | 単四ニッケル水素充電池(1.2ボルト 1000mAh)×1 |
動作時間 | 約3週間 |
到達距離 | 約10メートル |
外形寸法 | マウス本体:W66.6×D85.1×H39.9ミリ、レシーバー:W18×D68.1×H12ミリ ※実測値 |
重量 | マウス本体:約70/83グラム(電池含まず/含む)、レシーバー:11グラム ※実測値 |
対応OS | Windows Vista/XP(SP2)/Windows 2000(SP4以降)、Mac OS X 10.2〜10.4.x |
付属品 | キャリングポーチ、トランシーバー兼USBメモリ(1Gバイト)、充電ケーブル、ドライバCD-ROM、単四ニッケル水素充電池×1、簡易マニュアル |
保証期間 | 3年 |
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