続いて仲尾氏は、PowerPoint 2008 for MacとWord 2008 for Macのデモを行なった。
新Officeの各アプリケーションでは、従来のような独立型のツールバーがなくなり、Mac OS X標準添付のアプリケーションと同様のウィンドウ一体型のツールパレットを採用した。また、これまでのMac版Officeに付属していた「設定パレット」は「ツールパレット」と改名され、選択しているオブジェクトに応じて、さまざまな設定が行なえるように進化している。
同製品の目玉は約60種類ある個性豊かなテーマファイル、しかも、このテーマで使う背景や、文字などの彩色パターン(テーマごとに決まっている)を切り替えることで、標準添付のテーマだけでも何千通りもの表現ができることだ。
これに加え、もう1つ目玉となっているのがWindows版Officeにも付属のSmartArtグラフィックスという機能。これは箇条書きにしたテキスト情報を、グループ分け図や集合図、階層型のメニューなどのリッチなグラフィックス表現に変換してくれる機能だ。
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新Wordでは、DTPソフトのようにページレイアウトを自由にデザインできる「デザインレイアウト」という機能が追加された。同機能では、ページ上にイメージや図表を自由にレイアウトした上で、テキストを流し込むテキストボックスを設定できる。また、ドラッグ操作で倍率を変える無段階のルーペツールを使って、レイアウトの大枠づくりも細部の作り込みも自在にこなせるようになっている。
さらに新しいのはレイアウトした書類の外側にある背景を作業用のデスクトップとして使える機能で、レイアウト予定のイメージなどを、ここに一時的に置いておくことができる(さらに背景の柄を木目調、メタル調など数種類から選ぶことができる)。
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Mac用のアプリケーションの中には、世界各国語に同時対応している製品も多いが、Microsoft Office 2008 for Macは、日本語版は日本語専用版で、英語メニューが利用できる英語版は別パッケージとなっている。これはアプリケーションの容量が大きいことからそうなったということだが、それに加えて、日本語版には日本語版ならではの「最適化」が数多く加えられている。
まず第1にWindows Vista搭載の日本語フォント「メイリオ」が付属し、「MSフォント」、「MS P フォント」もアップデートし、それぞれ1万6000を超えるグリフに対応した。ちなみにWindows Vista同様JIS X 0213:2004に対応している。
第2にツールパレットより参照するオンラインの「リファレンスツール」が「国語辞書」「英和・和英辞書」に対応したこと。このほかローカルの「英語類義語辞典」や翻訳サービス「Wordlingo機械語翻訳サービス」「Windows Liveサーチ」にも対応している。
第3にMac OS XのTSM Document Accessという技術に対応し、「ことえり」など同技術に対応した日本語入力プログラムでは、コンテクストに応じた正確な変換結果が得られるようになった。
標準パッケージ及びSpecial Media Edition付属のEntourage(Windows版のOutlookに相当するアプリケーション)では、一歩進んだMicrosoft Exchange対応も目玉になっている(ファミリー&アカデミック版のEntourageでは、この機能が省かれている)。
仲尾氏は「Entourageは、Mac OS X上で利用できるExchange Serverの“正式クライアント”」である点を強調する。実際、同ソフトでは電子メール、予定表の共有、連絡先の管理、WebDAVによるアクセスなど、Outlook同様の機能を備えた。また新たに「不在時のアシスタント」対応やKerberos認証によるシングルサインオンにも対応し、カスタマーフィードバックに基づいた同期、安定性、パフォーマンスの改善も行われているという。
なお、アプリケーション的にはOutlookと異なるため、HDD上に保存したローカルファイルレベルでの互換性はない。
このほか説明会では、一歩進んだMac対応の一例としてAutomatorアクションのデモも行なわれた。グループプログラムマネージャーの前田清寛氏により、わずか2〜3回のドラッグ&ドロップ操作で、Office書類をPDF形式やOffice旧バージョンの書類に変換するといった、繰り返しの作業を自動化するデモが行なわれた。
またディベロッパー&プラットフォーム統轄本部シニアプロダクトマネージャーの竹内洋平氏によるMicrosoft Expression Mediaのデモでは、USBなどに入った画像ファイルの画像カタログを作成して、メディアを外した後でも、ほしい画像を簡単に探したり、タグ情報の追加やファイル名を一括変換したり、カタログを共有できることなどが紹介された。
なお、今後、発売までの間にもマイクロソフト Mac BU公式Webサイト「MacTopia」や、Mac BU公式ブログの「mac mojo」、特設Webサイトの「Microsoft Office 2008 for Mac」で継続的に情報を公開していく模様だ。
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