日本語入力は「ATOK」を使っている、というこだわりのある方を除いて、WindowsユーザーはOS標準搭載の日本語変換システム「MS-IME」(Microsoft IME)を利用している人が多いだろう。そういったユーザーは、Macに乗り替えてもやっぱり標準搭載の日本語入力システム「ことえり」をそのまま使うはずだ。
上で挙げたようなユーザーの場合、MS-IMEとことえりの変換精度や使い勝手の差が、WindowsからMacへ乗り替えるときの障害になる。もっとも、いまどきの日本語入力システムは、どれをとっても合格点はクリアしているので、ことえりを使ってみたら困った変換ばかりになってしまった、ということにはならないだろう。変換精度よりも問題なのは、両者のキーコマンド割り当ての違いだ。
例えば、入力中の文字のカタカナ変換は、Windowsだと「Control+I」だが、Macでは「Control+K」。すでに“指が覚えしまっている”コマンドをいまから上書きするのは、なかなかむずかしい。そして、こういった細かい違いが文字入力時のストレスを増していくのである。どうにかならないものか?
そこで、ことえりの環境設定を眺めてみると、その名も「Windows風のキー操作」という、いかにも役に立ちそうな設定項目があることに気付くはずだ。さっそくこれを有効にしてみよう。その結果、前述のカタカナ変換をはじめとする文字種変換だけでなく、さまざまなキーコマンドが“MS-IME風”に変更される。
しかし、まだ大きな問題が残っている。それは、そもそもMacのJISキーボードとWindowsのキーボードは一部のキー配置が異なっており、変換操作で重要になってくるControlキーの位置も違うという点だ。いくらキーコマンドをそろえてもキーレイアウト自体が違うのでは使い心地の改善にはならない。この点もどうにかする必要がある。
そこで次は、システム環境設定の「キーボードとマウス」から、「修飾キー」という設定項目を開く。これを使えばControlキーとCaps Lockキーの役割を入れ替えて、Controlキーの位置をWindows用にそろえることができるのだ。


WindowsノートPCのキーボードとMacBookのJISキーボードでは、Controlキーの位置が異なる(写真=左/中央)。「Caps Lockキー」の入れ替えメニューから「Control」を選択すると、MacBookのCaps LockキーをControlキーとして使えるようになる(写真=右)ここまで設定すれば十分だろう。誤変換のクセなどは、慣れてもらうしかないのだが……。
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