E8500×8800 GTSの次世代ゲーミングPC──ツクモ「Aero Stream」45ナノ×G92が放つ魔力(2/2 ページ)

» 2008年02月26日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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冷却効率に優れたミドルタワーケースを採用

3.5インチシャドウベイに格納するHDDはワンタッチで着脱できる

 Aero Streamシリーズに共通して使われている同社オリジナルのミドルタワーケースは、スチール製でなかなかしっかりした作りが好印象だ。サイドカバーが独立して外れる構造で、固定には手回しネジが3本使われている。

 ベイの構造は、5インチベイが4基、3.5インチベイが1基、シャドウベイが5基で、評価機は出荷状態で5インチベイと3.5インチベイが1基使用済みだった。いずれのベイもドライブをレール状のアタッチメントに装着することで工具を使わずに着脱が可能な構造になっているが、標準で搭載する光学ドライブはネジ留めされていた。もっとも、パッケージにはアタッチメントが付属しており、シャドウベイは手回しネジとレバー操作でロックが外れ、手前に引き出して作業することもできる。

 ファンは前面と背面にそれぞれ吸気用、排気用の12センチ角ファンが装着済みだ。どちらも低速回転の静音仕様となっており、またボディの遮音性も高いため風切り音が耳につくような印象は受けない。サイドカバーには8センチ角の吸気口があり、CPUクーラーに効率よくエアフローを送るダクトも備え、冷却効率の高い構造となっている。吸気口には防じんフィルタが装着され、冷却能力を低下させる要因となるホコリの侵入をできるだけ防ぐ配慮もされており、水洗いして乾燥させれば再利用することも可能だ。

 ブラックとシルバーのツートーンカラーで仕上げられた前面マスクは特別に凝っているわけではないものの、吸気口や3.5インチベイカバーのスリットや金属製の電源/リセットボタンなどにさりげないデザイン性が感じられ、好感が持てる。強いて難を言えば、パワーランプに使われている青色LEDの光があまりに強すぎる点が気になった。

 なお、電源ユニットにはTOPOWER製の480ワット(ピーク時570ワット)モデルを採用する。プラグインケーブルなどのギミックは搭載していないが、日本向けの100ボルト専用回路の採用、大型ヒートシンクの装備など品質面では安心できる。内蔵する2つのファンも負荷に応じて回転速度が自動調整されており、静音性も優秀だ。BTOでは同じくTOPOWERの530ワット電源が選べる。

Aero StreamのATXモデルで採用されるオリジナルケースで、BTOでは写真のブラックのほかホワイトタイプもある。ボディサイズは200(幅)×480(奥行き)×440(高さ)ミリと標準クラスだが拡張性は高く、メンテナンス性も良好だ。前面にオーディオと2基のUSB 2.0端子がある。前面の写真はカバーを外したところ

最新CPUとGPUの組み合わせでテスト結果は優秀

 評価機のプリインストールOSはWindows XP Home Edition(SP2)である。ソフトウェアの互換性の問題などからWindows Vistaへの移行をためらっているユーザーは今でも少なくない。大型量販店などで販売されている大手メーカー製PCはほとんどがWindows Vistaプリインストールモデルに移行している中、そういったユーザーにとってはWindows XP搭載モデルが選べるショップオリジナルPCはありがたい存在だろう。もちろん、本機ではWindows Vistaの各エディションやWindows XP Professional(SP2)なども選択可能だ。

 さて、ベンチマークテストの結果を見てみよう。比較対象としては、本機と同じCore 2 Duo E8500とP35Neo-Fを搭載し、グラフィックスカードにGeForce 8800 GTを搭載した「Prime Galleria HG」の結果が参考になるだろう。本機のスコアは、いかにもハードウェアスペックに準じた結果だった。PCMark05 1.2.0では、NVIDIA GeForce 8800 GTSとBarracuda 7200.11の性能のよさを反映して特にGraphicsとHDDで良好なスコアをマークしている。CPUとマザーボードがPrime Galleria HGと同じだけに、CPUとMemoryのスコアはほとんど差がなかった。3DMark06 1.1.0のスコアも優秀で、GeForce 8800 GTを搭載するPrime Galleria HGとのスコア差は11〜13%と、高解像度のほうがGPUのメリットが大きい。強力なハードウェア性能を要求することで有名なDirectX 10(Windows XPではDirectX 9で動作)タイトル「Crysis」も同じ傾向で、GPUスコアで14〜19%、CPUスコアで14〜16%の差がついている。GeForce 8800 GT搭載機よりワンランク上の解像度でプレイできると言える。

左からPCMark05、3DMark06、FFベンチ、Crysisのテスト結果

ワンランク上のゲームパフォーマンスが欲しい人に最適

 プリインストールOSのWindows XP Home Edition(SP2)を含めたツクモでの販売価格は15万8150円だ(2月26日現在)。Aero Streamシリーズ通じての特徴と言える品質に配慮しつつ、リーズナブルな価格に抑えたパーツ構成はバランスがよく、実用PCとして最適だ。拡張性も高いので、将来的な増設やパーツ強化にも柔軟に対応できる。静音性もかなり高いレベルにあり、特に最新の人気CPUとGPUを組み合わせた本製品は非常にパフォーマンスがよく、ゲーム向けPCとしても高い実力を持っており、ワンランク上のゲームパフォーマンスが欲しい人に向いている。標準ではキーボードとマウスが付属しないのも、デバイスにこだわるゲーマーには朗報と言えるだろう(どちらもBTOメニューで複数の選択肢がある)。

 逆に3Dゲームをあまりしないのならばグラフィックスカードは少々オーバースペックかもしれない。カスタマイズメニューでGeForce 8800 GTやGeForce 8600 GTS、Radeon HD 3870搭載カードを選べばもっと安くなるので、そちらも検討したいところだ。

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