携帯ゲーム機っぽいUMPC――Wibrain「B1」を試す:親指入力にボディを最適化(2/3 ページ)

» 2008年03月21日 17時45分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

高精細な光沢液晶ディスプレイを装備、USBの位置に要注意

 液晶ディスプレイは光沢パネルを採用している。画面サイズは4.8インチワイドと小さいながら1024×600ドット表示と解像度が高い。そのため、ドットピッチは狭いが、両手持ちで使用する場合には画面がかなり目に近い位置になるため、文字が小さすぎる印象はさほどない。

液晶ディスプレイは1024×600ドット表示の4.8インチワイドと高精細だ(写真=左)。解像度に余裕があるため、800×480ドット表示のEee PCなどと比較すると、画面を広く使える(写真=右)

 また、FnキーとPgUp/PgDnキーの同時押しで画面の解像度を変更することが可能で、一時的に低解像度にして相対的に文字サイズを大きくすることもできる。液晶ディスプレイのバックライトはFn+上下キーで8段階に調整でき、最低でもかなり明るい。こうした細かな使い勝手への配慮は結構多く、好感が持てる。

 インタフェースは、IEEE802.11g/bの無線LANとBluethooth 2.0+EDRの通信機能を内蔵し、右側面にUSB 2.0ポートを1つ装備。上面には動画チャットなどに利用できる収容式のWebカメラ(30万画素CMOS)も備えている。また、底面の拡張ポートに接続するアナログRGB変換アダプタも付属する。拡張性は、小型のPCとしては妥当なところだ。

上面には電源ボタンと各種インジケータを配置(写真=左)。底面には、専用の拡張ポートとリセットボタンが用意されている(写真=右)

左側面にはカバー付きのUSB 2.0ポートと無線LANのスイッチを搭載している(写真=左)。右側面にはACアダプタ用端子、ヘッドフォン、マイク、入力のホールドスイッチが並ぶ(写真=右)

 ただし、両手持ちで使ってみると、どうしてもUSB 2.0ポートの位置が気になった。コネクタは右側面にあるのだが、ここにUSBケーブルやUSBデバイスを接続すると、右手がぶつかってしまうのだ。

 B1で3GやPHSの通信ユニットを使うにはUSB 2.0ポートに接続することになるため、この配置にはストレスがたまる。B1で通信ユニットを使用する場合は、USBコネクタの向きを変えるアダプタが必須のアイテムになりそうだ。もっとも、海外向けにはHSDPAモジュール内蔵のモデルがあるので、両手持ちでUSBデバイスを利用することを想定しなかったのかもしれない。

底面の拡張ポートに接続するアナログRGB出力アダプタが付属する(写真=左)。上面にはポップアップ式の30万画素CMOSカメラを搭載(写真=中央)。右側面のUSB 2.0ポートに通信ユニットを接続すると、右手で持つのに無理が生じてしまう(写真=右)

UMPCとして必要十分のパフォーマンスを確保

PCMark05のスコア
CPU 708
Memory 739
HDD 2851

 B1のパフォーマンスについては、ベンチマークテストプログラムのPCMark05を実行してみたところ、グラフィックスチップの問題からGraphicsのスコアと総合スコア(PCMarks)が導き出されなかった。CPUのスコアは「708」だ。これだけだとピンとこないと思うので、参考になりそうなスコアを過去のレビューから引っ張り出すと、コアマイクロアーキテクチャのCeleron Mを630MHzで駆動させているEee PCのスコアが1000程度なので、その70%程度のスコアになる。

 CPUの処理能力だけを見れば、それこそPentium III世代だが、アプリケーションの起動時などに体感速度への影響が大きいHDDは1.8インチとはいえ最新モデルだ。1.8インチHDDということで懸念されたWindows XPの起動速度も体感的には遅くてイライラするほどではなかった。今回使用したモデルはメインメモリが1Gバイト搭載されていることもあり、Webブラウザやオフィススイートも特にストレスなく扱えた。少なくともUMPCとしては必要十分なパフォーマンスだ。

冷却ファンの制御方法を3段階に変更できる「MFmgr」

 パフォーマンスと同時に気になる動作音に関しては、常駐ユーティリティの「MFmgr」で冷却ファンの回転速度を3段階に調整可能だ。「Silent」モードでは動作音がほとんど気にならないが、ボディが結構熱を帯びる。もっとも、試用した限りでは両手で持つことが困難になるほどの熱さではなく、パフォーマンスの低下も見られなかった。

 ちなみに冷却ファンが最も高速に回転する「Cool」モードを選択したところ、ファンの動作音がうるさいとまでは感じないが、回転数はかなり速いようで風切り音が少し気になった。

マルチメディアプレーヤーとしての実力は?

 B1はHDDを搭載したUMPCということで、筆者はどうしてもマルチメディアプレーヤーとしての実力を試してみたくなる。今回入手した機材はHDD容量が60Gバイトとなっており、動画ファイルを持ち運ぶのにそう困らない容量と言える。実際にどれくらいのレベルで動画再生が行えるのかが気になるところだ。

 そこで、今回は2台のUMPCの動画再生能力を比較した過去のレビュー記事「LOOX UとSH6をメディアプレーヤーとして活用する」と同じ動画ファイルを使用し、ほぼ再生環境もそろえたうえで、SD解像度での動画再生能力をチェックしてみた。

左から4/6/9MbpsのMPEG-2ファイルを再生した場合のCPU使用率(いずれも720×480ドット/30fps)。9Mbpsのファイルでは、CPU使用率が100%に達する部分もあるが、そうでない部分もあり、CPUの処理能力がわずかに足りないといったところだ

左がDivX、右がWMVの動画ファイルを再生した場合のCPU使用率(いずれも平均1.5Mbps程度/640×480ドット/30fps)。WMVでは動きの大きなシーンでCPU使用率が100%に達してしまったが、基本的には90%前後で推移している

 結果としては、9MbpsのMPEG-2ファイルと平均1.5MbpsのWMVファイルでCPU使用率が100%に達することもあり、コマ落ちが見られたが、音ズレは発生せず、おおむね実用範囲だった。4Mbpsや6MbpsのMPEG-2ファイルやDivXファイルは、コマ落ちせずに再生できたため、ハードウェアスペックの余裕こそないものの、HDDに保存したSD解像度の動画ファイルを再生できるだけの処理能力は備えていると言える。

 それでは、インターネット上の動画配信サービスを利用した場合の使い勝手はどうだろうか。試したのは、WMVの動画をストリーミングで配信しているGyaOと、FLVで配信を行っているYouTubeだ。インターネット接続にはIEEE802.11gでの無線LAN接続を利用して54Mbpsでリンクした。FTTH回線なので、通信速度のボトルネックにはならないはずだ。

左がGyaO、右がYouTubeで動画を再生した場合のCPU使用率。YouTubeはCPU使用率がほとんど100%に達してしまい、コマ落ちしたような表示になることも多々あった

 結果を見ると、GyaOはCPU使用率こそ100%に達することがあったが、見かけ上はほぼスムーズに再生できた。FLVを使用しているYouTubeの動画再生には少々難を感じたが、まったく楽しめないレベルではない。

 YouTubeの動画コンテンツをスムーズに再生できれば文句なしだったが、SD映像であれば、普段別のPCで再生している動画コンテンツの大半が実用レベルで再生できそうだ。マルチメディアプレーヤーとしての資質も悪くないと言える。

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