11月21日、九十九電機系列店は突如営業を中断した。TSUKUMO eX.の前には、店内の在庫を運び出すためのトラック数台や運送業者が集まっており、異変に気づいた人々がその光景を眺めながら、中央通りを通過していく。店舗脇のとびらには、今回のいきさつを説明する公式文書が張られており、ここにも数人に人だかりができていた。
九十九電機は、10月30日に民事再生手続の開始を申請し、現在も経営の立て直しに取り組んでいる。しかし、同社の公式文書によると、商品在庫を担保に融資を実行していたNECリースが、21日に担保権を実行し、商品の差し押さえをはじめたという。このため、営業の一時中断を余儀なくされ、11月25日(火)まで、店舗やサポートなどの対外業務を休業することになった。
この件について、TSUKUMO eX.やネットショップのスタッフは、「公式文書をご確認ください」と、事実上ノーコメントに徹している。
一方のNECリース担当者は「九十九電機様が民事再生法の適用を申請した段階で、担保権を実行する考えはありました。現状のままでは商品在庫が目減りするいっぽうのため、一時的に裁判所に管理していただき、今後の話し合いができるようにと考えた次第です」と語る。
現在、九十九電機は、NECリースを相手取り、担保権の実行手続中止命令の申し立てを行っており、早期の営業再開をめざしているという。休業日程の変更などは、同社サイトで随時更新していくとのこと。
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