　各ショップのCPUクーラー人気ランキングを見ると、多くの場合、サイズの「ANDY SAMURAI MASTER」がトップで、ほかにもサイズ製品が上位に複数台並んでいる。この状況をあるベテラン店員さんは「サイズは世界展開できる強みを生かして、よい製品を大量に作れるため、割安なクーラーが提供できます。会社単体で見ると非常に優秀なんですが、ジャンル全体では、サイズが強すぎてバランスがよくありません。ライバルメーカーやライバル製品がもっと出てこないとだめですね。揺るぎない定番が居座り続けるジャンルは衰退していく可能性も高いですから」と語っていた。

　そこで期待が集まっているのが、XIGMATEKの「Cobra D984」だ。価格は4000円弱。4本の銅製ヒートパイプをCPUに直付けするクーラーで、大きく張り出したヒートシンク部には9センチファンが1基載る。対応ソケットはLGA775とSocket AM2／940／939／754だが、別売りのアタッチメント（1280円前後）を組み合わせることで、LGA1366にも対応する。T-ZONE.PC DIY SHOPは「アタッチメントをそろえてもANDYとほぼ同価格なうえ、Cobra D984もよく冷えると評判です。ヒートパイプ直付けの効果は確実にありますから、今後人気が出ると踏んでいます」と語る。

　また、同店は、薄型で冷却性能が高いCoolJagの「Falcon2」もヒット候補に挙げた。価格は7980円。LGA 1366／775対応のCPUクーラーで、12センチファンを搭載しながらも、全長約7センチに抑えているのが特徴だ。「薄型ケースでなくても、CPUクーラーが容積を取りすぎるのを嫌う人は割と多いです。そうした志向にフィットする製品ですね。爆発力はないかもしれませんが、ロングヒットすると思います」（同ショップ）という。