富士通の「FMV-BIBLO S」シリーズは、2009年の春モデルからラインアップされた14.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載の新しいノートPCシリーズだ。20〜30代の女性をメインターゲットとして意識し、カラーリングやデザインにこだわっているのが特徴で、ピンクパープルとミルクホワイトの2色のカラーバリエーションで展開される。ここではピンクパープルモデル「FMV-BIBLO S/C50 FMVSC50PK」を中心にレビューしよう。
最大の特徴となるボディのデザインは、天面とパームレストに成型時の金型に転写フィルムをはさみ込む「成形同時加飾転写工法」を採用し、滑らかなラインのラウンドフォルムとグロッシーな質感を実現している。特に天面はシンプルかつ大胆なロゴマークが目を引く。
カラーリングも個性的で、ピンクパープルではメタリックがちりばめられた濃いビビッドなピンクとブラックのツートーンカラーを採用。ブラックで塗装されたキーボード上部は強い光沢に、側面や底面は落ち着きのあるマットな仕上げとなっている。
一方、ミルクホワイトは文字通りミルクを連想させる濃厚なホワイトと落ち着きのあるカッパーのツートーンを採用し、エレガントでセレブなイメージに仕上がっている。いずれのカラーにおいても、全体のデザインイメージを損なわないよう側面の端子や光学ドライブ(DVDなど)のロゴマークは、プリントではなく目立たない刻印で表現されている。
また、表示にLEDを利用したタッチセンサー式のワンタッチボタンのデザインも秀逸で、電源ボタンを押した時に流れるように点灯していく演出も組み込まれている。さらに、本体カラーに合わせたレーザーマウスを同梱するなど、この個性的なデザインとカラーリングを最大限に楽しめるよう細部まで配慮が行き渡っている。
ボディのサイズは338(幅)×250(奥行き)×36〜39(高さ)ミリ、重量は約2.5キロ。14型クラスの液晶を搭載したノートPCとしては比較的コンパクトで軽めに仕上がっている。バッテリー駆動時間は公称値で約4時間を確保しており、家庭内の使いたい場所に気軽に持ち運べる家庭内モバイルでの利用を想定しているという。
PCとしての基本スペックは手堅くまとめており、家庭用のメインマシンとして必要十分なもの。CPUにはCore 2 Duo P8600(2.4GHz)を採用している。TDPが25ワットと通常より低いモデルで、2次キャッシュ容量は3Mバイトだ。
チップセットにはグラフィックス機能を統合したIntel GM45 Expressを採用している。グラフィックスコアのIntel GMA 4500MHDは、H.264/VC-1/MPEG-2のハードウェアデコードを含めたHD動画の再生支援機能を装備しており、対応ソフトウェアと組み合わせて利用することで、Blu-ray DiscタイトルやAVCHDムービーなどをCPUに負担をかけずに快適に再生できる。
メインメモリはPC3-8500(DDR3-1066)DIMMに対応し、標準容量は2Gバイト(1Gバイト×2)、最大容量は4Gバイト(2Gバイト×2)だ。データストレージにはSerial ATA対応の2.5インチHDDを採用しており、容量は320Gバイト(回転速度5400rpm)となっている。光学ドライブとしては、DVD±R DLの書き込みに対応したDVDスーパーマルチドライブを内蔵する。なお、2基のSO-DIMMスロット、ストレージ用の2.5インチベイは底面部に用意されており、それぞれネジで固定された小さなカバーを開けることで、簡単にアクセスすることが可能だ。
ネットワーク機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを装備する。主な端子類は、USB 2.0×3、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、サウンド関連、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応スロット、ExpressCard/34スロットなど、充実した内容だ。
アナログRGB出力やHDMI出力が右側面の手前側に置かれているため、これらを使用するときにはケーブルが邪魔になりやすいが、外部映像出力の端子類の利用率自体が少ない家庭向け、しかも20〜30代の女性というターゲットを考慮すると、あまり気にする必要はないかもしれない。
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