NVIDIAが開発を進めているARMベースのMID(Mobile Internet Device)向けプラットフォーム「Tegra」は、COMPUTEX TAIPEI 2008開幕前日に同じ台北市で行われたセッションで発表された。
それから1年が経ったCOMPUTEX TAIPEI 2009でも、NVIDIAはTegraに関する説明会を行った。Tegraを採用した製品は、まだ日本の市場で見ることができないものの、Tegraを想定した端末の開発は着実に進んでいるようだ。
2008年に行われたTegraの発表会では、PDA、もしくは、スマートフォンタイプのデバイスが動いていたが、2009年の説明会では、モバイルノートPCのような、クラムシェルタイプのTegra端末が多数公開された。そのほとんどはモックアップだが、動作するTegra“ノート”も2台用意されていた。ここでは、その展示サンプルを画像を中心に紹介しよう。
Tegraを搭載したサンプルで動作していた2台のうちの1台がMobinnovaの「Elan」だ。Mobinnovaが明らかにしている資料によると、8.9型ワイドの液晶ディスプレイを搭載して重さは836グラム。本体サイズは232(幅)×186(奥行き)×20.5(厚さ)ミリとされている。バッテリー駆動時間は、HD動画連続再生で5〜10時間、音楽ファイルの連続再生で24日間というデータが示されている(ただし、この場合は液晶ディスプレイを消灯した状態)。
本体のインタフェースとして、左側面にSDメモリーカードとメモリースティックに対応するカードリーダー、右側面には詳細不明のスロット(アイコンからするとSIMスロットか)、そして背面には2基のUSB 2.0とHDMIを搭載する。


Tegraを採用したMobinnovaの「Elan」は、8.9型ワイドの液晶ディスプレイとQWERYキーボードを搭載する通常タイプのモバイルノートPCに見える。Mobinnovaの資料ではOSについて特に触れていないが、NVIDIAのスタッフは「展示機のOSはWindows CE」と説明していた動作サンプルのもう1台は、Wistronが開発している「M5」で、Elanと同じようにクラムシェルタイプのボディを採用した「通常タイプのモバイルノートPC」だが、10.1型ワイドの液晶ディスプレイを搭載しているため、本体サイズがElanよりひと回り大きい。


Wistronが開発しているTagra端末の「M5」(写真=左)は、10.1型ワイドの液晶ディスプレイを搭載するので、キーボードもElanより余裕があって打ちやすかった(写真=中央)。展示されていたデモ機ではWindows Media Playerが動作していた(写真=右)
上記の2台以外にも、Tegraの搭載を予定している端末のモックアップが多数紹介された。NVIDIAのリリースでは、Tegraを採用するモデルとしてCCIの「CN8」、ICDの「Ultra」、Inventec Appliancesの「Rainbow」、Mobinnovaの「Mavo」と「VireBook N910」、Pegatronの「Vivid」、Wintronの「M5」が挙がっている
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