インテルは6月3日に、Core i7シリーズの最新モデルとなる「Core i7-975 Extreme」と「Core i7-950」を発表した。
Core i7-975 ExtremeはCore i7-965 Extremeの後継モデル、Core i7-950はCore i7-940の後継モデルになる。新モデルの登場によって、Core i7-965 ExtremeとCore i7-940は終息する。なお、Core i7シリーズのバリューモデルとなるCore i7-920は出荷を継続するが、こちらは、現在開発が進められているLynnfieldの登場によって置き換わる可能性が高い。
Core i7-975 Extremeは、そのほかのCore i7シリーズと同じ、45ナノメートルプロセスルールを採用して新しいアーキテクチャを導入した“Nehalem”世代のCPUで、Max TDPは130ワットで、2時キャッシュ容量は8Mバイト、Nehalem世代から導入されたQPIの転送レートは6.4GT/secと、その仕様はCore i7-965 Extremeとほぼ共通する。
Core i7-975 ExtremeとCore i7 950は、ステッピングがD0に更新された。従来のCore i7-965 ExtremeとCore i7 940はC0ステッピングで、Core i7-920では2009年4月ごろにD0に切り替わった製品が出荷され始めている。Core i7-920のD0ステッピングではオーバークロック設定時の動作が良好であるとの意見も聞かれるが、少なくとも仕様や性能に違いはない。Core i7-975 ExtremeもCore i7-950も従来モデルと機能やスペックはほぼ同じで、統合するメモリコントローラが対応するメモリはDDR3-1066/同800、構成トランジスタ数は7億3100万個となる。
Core i7-975 ExtremeとCore i7-965 Extreme、Core i7-950とCore i7-940のそれぞれで、大きく異なる唯一の仕様が動作クロックで、Core i7-975 Extremeは3.33GHz、Core i7-950では、3.06GHzと従来モデルから向上している。
ここでは、評価用として入手したCore i7-975 ExtremeのエンジニアリングサンプルとCore i7-965 Extremとでベンチマークテストを走らせて、それぞれの結果を比較して動作クロックの違いやステッピングの違いが性能にどの程度影響するのかを確認した。
評価用のシステムは、マザーボードにインテル純正のIntel X58 Extremeチップセット搭載マザーボード「DX58SO」を用い、メモリはDDR3-1066を1Gバイト×3枚、グラフィックスカードにはMSIの「N285GTX T201G」を組み込んだ。
Core i7-965 Extremeの動作クロックが3.20GHz、Core i7-975 Expressの動作クドックが3.33GHzということもあって、ベンチマークテストの結果に明確な差というものはつきにくい。とはいえ、CPU関連の項目では、すべてにおいてCore i7-975 Extremeの結果がCore i7-965 Extremeの結果を上回る。メモリ関連のテスト項目では、バスクロックが同じであることもあって、ほぼ同じか、Core i7-965 Extremeの結果がやや良好である傾向が確認できた。
Core i7-975 Extremeの実売価格はCore i7-965 Extremeとほぼ同じになるとみられている(米国での価格はともに999ドル)。買い替えるにはちょっとハードルが高い。とはいえ、最高クロックのCore i7モデルであるし、「オーバークロックに強いかも」というD0ステッピングであることから、ベンチマークテストの絶対値が何よりも重要なオーバークロッカーたちの期待に十分応えられるCPUとなるだろう。
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