OSはWindows Vista Home Edition(SP1)をプリインストールする。PC USERで行っている定番のベンチマークテストは、最高性能が発揮できる電源プラン「Power4Gear High Performance」のほか、静音を重視した電源プラン「Power4Gear Quiet Office」の設定でも行なってみた。Quiet Officeの設定では、GPUがGS45チップセット内蔵のGMA4500MHDとなるだけでなく、プロセッサの状態も最大70%/最小5%に制限される。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、High Performance設定のものだ。グラフィックスが3.5と多少弱いが、それ以外はすべて4.5を超えており、ここにもシステムとしてのバランスのよさが伺える。
High Performanceの設定では、Core 2 Duo SU9400とGeForce G105Mを搭載するだけあって、PCMark05のスコアがかなりバランスのとれた優秀な値となっている。3DMark06のスコアはそれでも2000未満と低く、本格的な3Dゲームタイトルをプレイできるレベルにはほど遠い。ただし、DirectX 8.1世代のオンラインゲームタイトルをベースにしたFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはかなりよく、これくらいのゲームであれば快適にプレイできると思われる。
Quiet Officeの設定では、やはり大きくスコアを落としている。PCMark05のトータルスコアではHigh Performanceの60%程度だ。3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはさらにGPUの差が大きく出ていて、それぞれHigh Performance設定時に対して25%、22%という低い値となっている。もっとも、ビジネスアプリケーションに限定すれば、確かにこれくらいのパフォーマンスで十分かもしれない。



UX50Vは電力設定機能にASUS独自の「Power4Gear Hybrid」を利用しており、電源プランもその各モードごとに用意されている。それぞれのおおまかな設定は独自ユーティリティでもカスタマイズすることができるバッテリー駆動時間は公称値で約4.93時間となっている。モバイル向けのノートPCではないが、Quiet Officeの設定でBBench 1.01(海人氏・作)を実行したところ、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」のセッティングで約2時間45分という結果だった。
騒音と発熱についても2つの電源プランでテストしてみた。騒音は室温28.5度、暗騒音32デシベルの環境で本体前面から5センチと近距離で計測したところ、High Performance設定時はアイドル時でもファンが動作していることが認識できる程度の音はするが、3D描画時以外はほとんど動作音の調子が変わらなかった。Quiet Officeの設定ならば、3D描画時でもファンの騒音は変わらない。超低電圧版Core 2 Duoを採用したおかげで、大型ノートPCにしては静粛性が高いといえる。
ボディ表面の発熱も騒音テストと同条件で計測した。High Performance設定時では少し底面に熱を持つものの、パームレスト部は最大でも36度におさまっており、室温が28.5度とやや高めであることを考えるとかなり優秀といえる。静粛性と同様、超低電圧版Core 2 Duoを搭載しているだけあって、熱設計には余裕があるようだ。
UX50Vの価格は12万9800円で、Office Personal 2007搭載モデル(2万円増)も用意する。薄型軽量モバイルノートPC向けという印象が強い「CULV」というキーワードが先に頭にあると、あまりピンとこない製品かもしれないが、大画面でありながらスリムなボディや静かな動作音は、やはり消費電力が低いCULVプロセッサの存在があってこそ、実現可能になったものだ。数ある15型クラスのワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCの中でも特徴がうまく出ている。
また、GPUにGeForce G105Mを採用したことによるバランスのよいパフォーマンスも高く評価できるし、チップセット内蔵のGMA4500MHDに切り替えることで、より静音・低発熱動作が行えるのもうれしい。据え置き用ノートPCとしては、なかなか魅力ある仕上がりとなっている。デザインや性能面、静音性などに魅力を感じるならば、購入を検討する価値は十分にあるだろう。
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