三月兎2号店はPT2をできる限り公平、かつ、安全に販売するために、集まった500人超を4列に並べた。まず、各列の前後端にいるユーザーにじゃんけんをしてもらい、その列のうちでレジに向かう順番を決める。次に、列ごとの代表がじゃんけんして、列単位の購入順も確定させるといった作戦だ。ここで決まった順番が早いほどPT2が購入できる可能性は高まるが、まだ100%にはならない。レジでくじを引き、アタリが出たらようやく購入する権利が勝ち取れるのだ。ハズレが出た場合はきれいさっぱり諦めるか、深夜予約を入れるかの2択となる。
なお、三月兎2号店が当日入荷していたPT2は200枚。深夜予約の受付は100人までと決まっていた。このため、200人超は何も得られずに帰ることになる。行列の誘導順を決めるじゃんけんのあと、最後尾となり、(ハズレを含むくじの枚数にも限りがあるため)購入できる目がなくなった集団は、なぜか「バンザイ!」と叫び、潔く駅に向かって去っていった。
その様子を見て、あるスタッフは「何も言わずに帰っていただいて、申し訳ないと同時に、ありがたい気持ちも沸きました。購入できない人達が怒って暴動が起こるのではという心配もありましたけど、みなさん行儀良くルールに従っていただいたので、本当に助かりました」と漏らしていた。


「バンザイ!」と叫んで散っていった最後尾のユーザーたち(写真=左)。行列の一部がぽっかりと空いた状態のまま24時を迎えた(写真=中央)。じゃんけんによって晴れて先頭集団となった人々は、2号店前に誘導されていった(写真=右)0時を迎えたとき特別なセレモニーはなく、数分過ぎたあたりで先頭集団が2号店前に誘導さて、粛々とPT2の深夜販売が始まった。レジに最初に立った男性は行列じゃんけんですべて勝利を飾った猛者だったが、最後の関門であるくじ引きで、まさかのハズレを引いてしまった。見事にアタリを引いた次の男性は「まかさ自分が最初に買えるとは思いませんでした。前の人が列の代表でがんばってくれたのに、ちょっと申し訳ない気持ちですね」と控えめに喜ぶ。家に帰ったあと、早速PT2を組み込むそうだ。
その後も、ゆっくりと10数人がレジに向かってはくじを引く光景が続いた。0時30分ごろになると、行列の人々からスタッフに「トイレに行きたい」などの要望が届くようになったが、目立った混乱はなく、1時半過ぎにはすべてのくじが引かれ、200枚のPT1が買われていった。アタリを引いた何人かにPT2の使い道を聞いたところ「何に使うかって? そりゃフーリオ的な何かですよ」「分かってるくせに。決まってるじゃないですか。思い切り録画しまくりますよ」などのコメントが返ってきた。ええ、分かっていますよ……。
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