9月18日、AMDから複数のCPUが複数登場した。クアッドコアタイプは「Athlon II X4 630」と「Athlon II X4 605e」で、デュアルコアは「Athlon II X2 240e」と「Athlon II X2 235e」。価格は順に1万2000円前後、1万4000円前後、8000円前後、7000円前後だ。
Athlon II X4 630は、9月第2週に登場したAthlon II X4 620の上位モデルで、動作クロックは2.8GHzとなる。TDPは95ワットで、2次キャッシュは2Mバイト。620と同様に「L3キャッシュが隠されているモデルがあるらしく、場合によってはBIOS設定で復活できるという話もありますね」(ドスパラ秋葉原本店)とのウワサが流れているが、「Phenom II X3のX4化よりはアタリの率が低いみたいです」(同店)という。
1万円強で買えるクアッドコアCPUとしてAthlon II X4 630の評判も良いが、それ以上に話題を集めているのがAthlon II X4 605eだ。クアッドコアCPUとしては最も低消費電力となるTDP45ワットの製品で、クロック数は2.3GHz。ソフマップ秋葉原本館は「省エネを気にする人はPentium Dの時代から根強いので、これはヒットすると思います。Athlon II X4 605eとAMD 785Gマザーの組み合わせで、メインマシンだけど消費電力がかなり低いマシンが組めますよ。こうした特性を付けられるのも自作ならではのメリットですね」と語る。
Athlon II X2 240e/235eは、パッケージのスペック情報に誤りがあったため、約半数のショップが販売を見合わせていた。その中の1店であるTSUKUMO eX.は「デュアルコアなのに“Quad-Core”、2次キャッシュは2Mバイトなのに“1.5Mバイト”と記載されていました。どのモデルと間違えたのかナゾですが、AMDとしては修正したシールを張って出荷し直したいようです。9月末には普通に出回ると思いますよ」と話していた。一方、購入者に説明したうえで販売することを選んだショップもある。フェイス本店は「モノ自体にエラーはないので、誤植を説明したうえで納得していただいた方には販売しています。記載ミスが原因で購入をやめるという人もいないと思いますけどね。詰めの甘さが微笑ましくもあります」と笑っていた。
9月以降に登場したAMDの新CPUはおおむね好評で、クレバリー1号店は「AMDは、Phenom II登場以降、緩やかにシェアを戻しつつある印象です。まだハイエンド系はインテルが強さを発揮していますが、2万円以下の低価格CPUではいい勝負をするようになってきました。今回の新製品では特にAthlon II X4 605eがどれだけ売れるか注目したいですね。そんないいムードのときに、パッケージの誤植というオチまで付けてくれ、なんというかAMDらしいです」と話していた。
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