Windows 7の登場で“元祖Netbook”はどうなった!?――「Eee PC 1005HR-WS」徹底検証7 Starterの真価を問う(3/4 ページ)

» 2009年11月27日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Windows 7 Starterをプリインストール

OSはWindows 7 Starterがプリインストールされている

 前述の通り、1005HR-WSはプリインストールOSにWindows 7 Starterを採用している。これまでマイクロソフトがNetbook向けに提供してきたULCPC向けWindows XP Home Editionに代わるもので、マイクロソフトが定めた上限スペックを越えないPCに対してのみ提供される低価格エディションだ。パッケージ販売は行なわれておらず、市販のPCにプリインストールされた状態でしか利用できない。Windows 7の一般発売を受けてNetbookにもWindows 7プリインストールモデルが登場してきているが、その多くがこのStarterエディションを搭載している。

 ただし、ULCPC向けのWindows XP Home Editionは通常のWindows XP Home Editionとまったく同じ機能を利用できたが、Windows 7 Starterは上位のWindows 7 Home Premiumに比べると大幅に機能が制限されている点には注意が必要だ。

 Windows 7 Home Premiumにあり、Windows 7 Starterにない機能は以下の通り。

  • Aero Glass(半透明表示)
  • DVD再生(再生に必要なコーデックが非対応)
  • マルチディスプレイ(ミラー表示のみ可能)
  • Windows Media Center
  • デスクトップテーマ、壁紙の変更
Windows 7 Starterでは、標準でWindowsロゴを中央に配したブルーの壁紙が設定されており、変更できない仕様になっている

 Windows Media CenterやDVD再生機能がない点は、市販のソフトを別途インストールすれば代用できるだろう。とはいえ、光学ドライブを内蔵せず、最初から動画や写真を本格的に扱うことが想定されていない1005HR-WSのようなNetbookでは、必要性自体があまりないかもしれない。

 問題になりそうなのは、Aero Glassに対応していないことに伴い、半透明表示が必要なAeroピーク、Aeroシェイク、フリップ3Dなどが使えないことだ(Aeroスナップは可能)。AeroシェイクなどWindows 7から導入された目新しい機能が利用できないことを物足りなく感じるユーザーは少なくないと思われる。Windows 7が一般発売されてまだ間もないというタイミングを考えるとなおさらだ。また、デスクトップテーマや壁紙の変更ができないことも不満点になる。

 こうした制限のためか、NetbookでありながらWindows 7 Home Premiumをプリインストールした製品もいくつか登場している。また、購入後にStarterを有料(9240円)でHome Premiumにアップグレードできる「Anytime Upgrade」という手段もあるので、合わせて検討するとよいだろう。ただし、1005HR-WSはプリインストールOS以外での動作がメーカーのサポート対象外とされているので、注意が必要だ。

Netbookとして標準的なパフォーマンスを確保

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。グラフィックスのサブスコアが2.0、プロセッサのサブスコアが2.3と低調な結果となっている。基本操作にそれほどストレスがないとはいえ、Windows 7の新機能を活用できる水準にはないということだろう。もともとNetbookは限定した用途を想定して開発されているだけに、フル機能のPCとして見た場合に大きく見劣るのは仕方のないところだ。

 ちなみに、Windows 7はWindows Vistaをベースに、システムサービスのスリム化やウインドウごとのメモリ消費量の減少などといったパフォーマンスのチューニングが行われているため、Windows Vistaよりはずっと軽快に動作する。これは実際の使用感としても間違いないと感じるが、Windows XPとの比較となると微妙なところだ。Windows 7 StarterのAero Glassが効かないデザインは処理が重く見える影響もあり、アプリケーションの起動や描画などが微妙にもたつくと感じることがある。

 PC USERで恒例となっているベンチマークテストのスコアは、下のグラフに掲載した。OSの違いやグラフィックスドライバなどの影響か、Windows XPをプリインストールした基本スペックがほぼ同等のNetbook(1008HAなど)に比べると、総合スコア(PCMarks)やGraphicsスコアが若干低いが、特に実用面で影響があるほどの差ではない。

左から、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のテスト結果

Netbookでは長時間のバッテリー駆動を実現

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」にセットし、ネットワーク機能は無線LANで常時接続した。

 Windows 7標準の電源プランは「バランス」(ディスプレイ輝度設定40%)を選択したが、1005HR-WSは独自の省電力機能「Super Hybrid Engine」も搭載しているため、これをオンにした場合とオフにした場合の両方でテストした。

 Super Hybrid Engineの設定は、デフォルトでは「Auto」モードになっており、ACアダプタ接続時は「High Performance」モード、バッテリー駆動時は「Power Saving」モードに切り替わる。Power Savingモードがどのような設定になっているのか確認したりカスタマイズすることができないため、Super Hybrid Engineを無効にした場合でもテストしたというわけだ。

「Super Hybrid Engine」の設定は、タスクバーから変更できる(写真=左)。BBench 1.01によるバッテリー駆動時間テストの結果(写真=右)

 結果はSuper Hybrid Engine有効時で511分(8時間31分)、無効時で426分(7時間6分)と少し差が付いたが、後者でもかなり優秀といえる。ついでにSuper Hybrid EngineのPower SavingモードでPCMark05を実行したが、総合スコアは1187、CPUスコアは1205だった。High Performanceモードに比べて、総合スコアで14%、CPUスコアで30%ほど下がっている。

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