ギガバイトの“Booktop”といえば、CeBIT 2009で実機が紹介され、2009年7月から日本市場に投入されている「M1022M」が記憶に新しい(CeBITに展示されていたM1022シリーズについては「外でNetbook」「内ではNettop」──GIGABYTEのBooktopをチェックを、日本市場に投入されたM1022Mについては海外で人気のギガバイト「Booktop」が、いよいよ日本上陸を、M1022MのレビューについてはM1022Mの“Booktop”な技を堪能するをそれぞれ参照のこと)。
M1022Mは、Atom N280を搭載した1スピンドルのNetbookにUSB 2.0とアナログRGB出力を備えたドッキングステーションを標準で付属させたモデルで、ドッキングステーションにノートPC本体を縦に載せることで、セパレートタイプのスリムタワーNettopに見えるユニークなデザインが注目を集めた。ほかにも、8時間という長時間のバッテリー駆動や、打鍵した指の力をしっかりと受け止めてくれる打ちやすいキーボード、当時のNetbookでは採用例が少なかったExpressCardスロットの搭載など、Netbookとしても着目すべきポイントも多数有していた。
ただ、一方で、用意されたインタフェースがNetbook本体にも存在するものばかりだったため、デザイン的インパクトに比べて、使い勝手やスペックにおけるドッキングステーションの意味付けは、「キーボードやディスプレイケーブルの抜き差しがいらない」「Netbook本体の収まりがいい」という以外に見いだすことが難しかった(これは、多くのドッキングステーションも同様だが)。
BooktopシリーズのM1305にも、ドッキングステーションが標準で付属する。そのスタイルはユニークだったM1022とは異なり、PC本体底面に設けられた専用コネクタをドッキングステーションに載せるようにして接続するという、よくある「座布団」スタイルを採用する。
ドッキングステーションに用意されるインタフェースには、6基のUSB 2.0にアナログRGB出力、HDMI、そしてM1305本体に用意されていないDVI-Iがある。M1305本体とドッキングステーションを合体した状態で、本体側のインタフェースはすべて利用可能だ。
見た目はごく普通のデザインだが、その内部に興味深い“仕掛け”を備える。ドッキングステーションの内部にはPCI Expressスロットが用意され、そこにギガバイトのグラフィクスカード「GV-220UD-1G1」が組み込まれている。M1305は、ドッキングステーションと“合体”することで、GPUにGeForce GT 220を搭載し、グラフィクスメモリとしてGDDR3を1Gバイト実装するこのグラフィックスカードのパワーを利用することが可能になる。
ただ、そのためには、ドッキングステーションの画像出力インタフェースと接続したディスプレイをメイン画面にしなければならない。ドッキングステーションにM1305を接続しただけでも、デバイスマネージャーやGPU-ZなどでGeForce GT 220は認識できるが、3DMark06などのベンチマークテストで表示されるシステム構成でGeForce GT 220は確認されない。実際に測定してもチップセットに統合されたIntel GMA 4500MHDと同じ結果になる。
M1305をドッキングステーションに接続し、ドッキングステーションに用意されているアナログRGB出力、DVI-I、そして、HDMIと外部ディスプレイを接続したうえで、ドッキングステーションと接続した外部ディスプレイ“だけ”を有効にした状態で、初めてGeForce GT 220が有効になる。ノートPC本体とマルチディスプレイ環境を構築した場合、利用できるのはIntel GMA 4500MHDになる。
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