ギガバイトのCULVノートがBooktopで──2010年に登場する「M1305」を2009年に眺める(2/3 ページ)

» 2009年12月29日 12時00分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]

グラフィックス性能を向上させるM1305のドッキングステーション

 ギガバイトの“Booktop”といえば、CeBIT 2009で実機が紹介され、2009年7月から日本市場に投入されている「M1022M」が記憶に新しい(CeBITに展示されていたM1022シリーズについては「外でNetbook」「内ではNettop」──GIGABYTEのBooktopをチェックを、日本市場に投入されたM1022Mについては海外で人気のギガバイト「Booktop」が、いよいよ日本上陸を、M1022MのレビューについてはM1022Mの“Booktop”な技を堪能するをそれぞれ参照のこと)。

 M1022Mは、Atom N280を搭載した1スピンドルのNetbookにUSB 2.0とアナログRGB出力を備えたドッキングステーションを標準で付属させたモデルで、ドッキングステーションにノートPC本体を縦に載せることで、セパレートタイプのスリムタワーNettopに見えるユニークなデザインが注目を集めた。ほかにも、8時間という長時間のバッテリー駆動や、打鍵した指の力をしっかりと受け止めてくれる打ちやすいキーボード、当時のNetbookでは採用例が少なかったExpressCardスロットの搭載など、Netbookとしても着目すべきポイントも多数有していた。

 ただ、一方で、用意されたインタフェースがNetbook本体にも存在するものばかりだったため、デザイン的インパクトに比べて、使い勝手やスペックにおけるドッキングステーションの意味付けは、「キーボードやディスプレイケーブルの抜き差しがいらない」「Netbook本体の収まりがいい」という以外に見いだすことが難しかった(これは、多くのドッキングステーションも同様だが)。

 BooktopシリーズのM1305にも、ドッキングステーションが標準で付属する。そのスタイルはユニークだったM1022とは異なり、PC本体底面に設けられた専用コネクタをドッキングステーションに載せるようにして接続するという、よくある「座布団」スタイルを採用する。

 ドッキングステーションに用意されるインタフェースには、6基のUSB 2.0にアナログRGB出力、HDMI、そしてM1305本体に用意されていないDVI-Iがある。M1305本体とドッキングステーションを合体した状態で、本体側のインタフェースはすべて利用可能だ。

ドッキングステーションと合体させると、本体のインタフェースに加えて、左側面にはHDMIとDVI-Iが、背面には6基のUSB 2.0と有線LANが追加される。右側面にあるのはイジェクトレバーのみだ

 見た目はごく普通のデザインだが、その内部に興味深い“仕掛け”を備える。ドッキングステーションの内部にはPCI Expressスロットが用意され、そこにギガバイトのグラフィクスカード「GV-220UD-1G1」が組み込まれている。M1305は、ドッキングステーションと“合体”することで、GPUにGeForce GT 220を搭載し、グラフィクスメモリとしてGDDR3を1Gバイト実装するこのグラフィックスカードのパワーを利用することが可能になる。

本体と縦に差して「スリムタワーNettop」のような姿が注目されたM1022と異なり、M1305のドッキングステーションは、従来からある「座布団」形式を採用する

ドッキングステーションの内部はPCI Express X16スロットを持った基板が組み込まれている。スロットにはGeForce GT 220を載せた「GV-220UD-1GV1」が差してある。バリュークラスのカードながら、グラフィックスメモリとしてGDDR3を1Gバイト実装している。GPUから発生した熱はヒートパイプで誘導し、排気用のスリットにあるファンから排出される

 ただ、そのためには、ドッキングステーションの画像出力インタフェースと接続したディスプレイをメイン画面にしなければならない。ドッキングステーションにM1305を接続しただけでも、デバイスマネージャーやGPU-ZなどでGeForce GT 220は認識できるが、3DMark06などのベンチマークテストで表示されるシステム構成でGeForce GT 220は確認されない。実際に測定してもチップセットに統合されたIntel GMA 4500MHDと同じ結果になる。

 M1305をドッキングステーションに接続し、ドッキングステーションに用意されているアナログRGB出力、DVI-I、そして、HDMIと外部ディスプレイを接続したうえで、ドッキングステーションと接続した外部ディスプレイ“だけ”を有効にした状態で、初めてGeForce GT 220が有効になる。ノートPC本体とマルチディスプレイ環境を構築した場合、利用できるのはIntel GMA 4500MHDになる。

CPU-Z(1.41)で表示させたM1305搭載のCPU情報。GPU-Zには、本体に搭載されるIntel GMA 4500MHDとドッキングステーションに搭載されるGeForce GT 220の情報が表示される

ドッキングステーションにM1305を接続し、ドッキングステーションの画像出力から外付けディスプレイに接続しても、T1305側のディスプレイを有効にしている状態では、Intel GMA 4500MHDしか利用できない。

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