M1022Mの“Booktop”な技を堪能する(1/3 ページ)

» 2009年07月22日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
10.1型ワイド、1024×600ドット表示の液晶ディスプレイを搭載した重さ1.3キロのBooktop「M1022M」

 Netbookの台頭で、台湾のPCベンダーが扱っているノートPCの認知度が日本のユーザーでもだいぶ高まってきた。ASUSのEee PC、Aspire OneでブレークしたAcerが先行し、そして、Wind Netbookと2009年に投入したX-SlimシリーズでMSIが追撃している。

 今回、日本市場にBooktopシリーズの「M1022M」とTouchNoteシリーズの「T1028M」を投入したギガバイトも、ほかの台湾PCメーカーとともに早い時期から日本市場にノートPCを投入してきた。CESやCeBIT、COMPUTEX TAIPEIなどで展示していたMIDの「M528」や、タッチパネルを組み込んだコンパーチブルタイプのNetbookとしていち早く登場した「M912X」など、ユニークな製品を開発している。しかし、2008年の日本市場ではなかなか広く普及できず、日本ギガバイトが「日本では後発ですから、個性的な製品を投入しなければならないのです」といわなければならない状況にあった。

 M1022MとT1028M、そして、今後続く予定のS1024Mなどの日本投入では、流通網を日本ギガバイトのPCパーツと同じように大手家電量販店まで広げたうえで、ノートPCユーザー専用のサポートセンター「ギガバイトノートブックサポートセンター」を6月28日に開設するなど(このあたりの情報は「日本ギガバイト、「BookTop」と「TouchNote」を日本で出荷」を参照のこと)、日本におけるノートPCの流通とサポート体制を再構築して臨んでいる。

Netbookとしての実力も充実したM1022M

液晶ディスプレイは光沢パネルを採用、最大輝度で表示しても映りこみがやや気になる。Booktopシリーズには解像度が1366×768ドットの上位モデルもあるが、「価格競争力を考えて下位モデルを投入した」(日本ギガバイト)

 日本ギガバイトが周到な準備をしたうえで、日本市場に投入したM1022MとT1028Mだが、CeBIT 2009で初めて登場し、そのスタイルとアイデアで注目を集めていたのが、Booktopシリーズと呼ばれる「M1022M」だ。Booktopシリーズには、CPUにAtom N280(1.66GHz)、もしくは Atom N270(1.6GHz)を載せたモデル、画面解像度が1366×768ドット、もしくは1024×600ドットのモデルが用意されているが、日本に投入するモデルとしては、「価格競争力を重視して」(日本ギガバイト)Atom N280、画面解像度1024×600ドットを採用するM1022Mが選ばれた。

 M1022Mは、10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載し、本体サイズが265(幅)×191(奥行き)×26.5〜30.5(厚さ)ミリと、2009年のNetbookとしては、やや“厚い”部類になる。ただ、そのスタイルはほぼフラットで、天面部分が周辺部でカーブを描いているなど、見た目の印象は薄型Netbookが増えた今でも、さほど厚くは感じない。

 また、重さが約1.3キロと、2009年に登場したNetbookとしてはやや重い部類に入るが、その代わり、標準で搭載するバッテリーパックで8時間という長時間駆動を実現している。多くのNetbookが1キロをちょっとだけ超える本体重量で搭載する標準バッテリーによって約5時間の駆動にとどまっていることと、8時間を超える駆動時間を実現したモデルでは、多くの場合で大容量バッテリーが必要であることを思えば、M1022Mの1.3キロという本体重量が長時間のバッテリー駆動を実現するためのトレードオフと考えれば納得できる。

 ただ、モバイル利用を重視するユーザーにはバッテリー駆動時間より本体重量を優先したい場合も多いので、そういうときに対応できような、軽量バッテリーがオプションで選択できると、より多くのユーザーから支持されるのではないだろうか。TouchNoteシリーズのT1028Mには、標準の4セルバッテリーのほかに6セルバッテリーが用意されるが、4セルバッテリーと6セルバッテリーの重量差は180グラムになる。M1022Mの6セルバッテリーが4セルバッテリーになってもバッテリー駆動時間は6時間程度は期待できるはずだ。そして、本体重量は1.12キロまで軽くできるだろう。

 M1022M本体に用意されたインタフェースは、3基のUSB 2.0と有線LAN(10/100BASE-TX対応)、アナログRGB出力、4-in-1カードリーダーのほか、Netbookでは採用例が少ないExpressCardスロット(ExpressCard/34対応)も搭載する。前面にはヘッドフォン出力とマイク入力の端子があり、背面はインタフェースがない。また、左側面にあるのはアナログRGB出力と後述するドッキングステーション専用インタフェースがあるだけで、そのほかのインタフェースはすべて右側面に集中している。

 本体だけで使うときは、左右にUSB 2.0ポートがないと不便だが、これはドッキングステーションに接続した状態でもM1022MのUSB 2.0がすべて使えるようにするためだ。

前面にはヘッドフォン端子とマイク端子があるのみ。右寄りのLEDは、電源オフのときに右クリックボタンを押すとバッテリーの充電レベルが表示される(写真=左)。背面のほとんどを占めるのはバッテリーパックだ。容量は6セルで7.2ボルト7800mAh(写真=右)

左側面には、アナログRGB出力とドッキングステーション専用コネクタがあるのみ(写真=左)。右側面には有線LAN、3基のUSB 2.0、4-in-1カードリーダー、ExpressCardスロット(ExpressCard/34対応)を搭載する(写真=右)。このほかにも、無線接続としてIEEE802.11 b/g/nとBluetooth V2.1+EDRが用意されている

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