M1022Mの“Booktop”な技を堪能する(3/3 ページ)

» 2009年07月22日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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N280とIntel 945GSEの性能と消費電力を測定する

M1022Mに導入された設定ユーティリティの「Smart Manager」は、無線接続モジュールのオン/オフ、液晶輝度、音量のほか、電力管理モードもワンクリックで切り替えられる

 M1022Mの性能を、電力管理モードを切り替えて測定してみた。M1022MはWindows XP Home Edition (SP3)がデフォルトで用意している「常にオン」「バッテリの最大利用」などのモードのほかに、ギガバイトが用意したモードとして「GB_Normal」「GB_MaxBattery」「GB_AlwaysOn」「GB_Presentation」が選べる。また、これもギガバイトオリジナルの設定ツールとして用意された「Smart Manager」では、無線LAN、Bluetooth、ワイヤレスWAN(これは、海外モデルのみで日本モデルでは対応しない)のオンとオフを切り替えられるだけでなく、音量と液晶輝度の設定スライダーや、電源管理モードを切り替えるアイコンも用意されている(Fnキーと組み合わせて液晶輝度、音量、無線接続モジュールのオン/オフを切り替える手段ももちろん利用できる)。

M1022Mのデバイスマネージャー。サウスブリッジはICH-7M、HDDは富士通のMHZ2160BH、ネットワークコントローラにはAtheros AR928XとReadtek RTL8102Eを搭載している

左からM1022Mで取得したCPU-ZのCPUタグ、MotherBoardタグ、Memoryタグの情報とGPU-Zで取得したグラフィックスコアの情報

 PCMark05を使ったベンチマークテストでは、OS側で用意している「常にオン」「バッテリの最大利用」と、ギガバイト側で用意している「GB_AlwaysOn」「GB_Normal」「GB_MaxBattery」で電力管理モードを切り替えて測定し、その結果を並べている。測定条件が同一でないので、グラフとして比較していないが、Atom N280とIntel 945GSE Expressを採用し、2.5インチ160GバイトHDDを採用する「Eee PC 1008HA」のPCMark05測定結果とほぼ同じ値になっている(Eee PC 1008HAで測定したベンチマークテストの詳細な結果は、“「Eee PC 1008HA」の貝殻ボディに秘められた実力を探る”を参照のこと)。

電源管理モード 常にオン バッテリの最大利用 GB_AlwaysOn GB_Normal GB_MaxBattery
PCMark05:PCMarks 1601 1131 1569 1576 1117
PCMark05:CPU 1551 928 1552 1553 927
PCMark05:Memory 2471 1826 2506 2500 1824
PCMark05:Graphics 612 461 568 569 463
PCMark05:HDD 4779 4737 4776 4761 4617

 長時間駆動を誇るM1022Mの消費電力もYbinfo(Yuryu氏作成 Yuryu's Bettery Information Ver.1.0)を利用して測定した。ちなみに、評価用のM1022Mに搭載されていたバッテリーの容量は設計値57720mWhのところ、56773mWhの状態だった。測定条件では、液晶輝度(10段階中1レベルの低輝度、5レベルの中輝度、10レベルの高輝度)と電力管理モード(GB_AlwaysOn、GB_Normal、GB_MaxBattery)、無線LANのオン/オフを切り替えて行ったほか、中輝度、GB_Normalの条件でPCMark05 Multithreaded Test 3を実行して、重負荷時における消費電力も調べている。

液晶輝度 電力管理 &負荷 消費電力(ミリワット)
高輝度 GB Allways on & アイドル 8769
高輝度 GB Normal & アイドル 8784
中輝度 GB Normal & アイドル 7933
低輝度 GB Normal & アイドル 7489
中輝度 GB Max Battery & アイドル 7940
低輝度 GB Max Battery & アイドル 7480
中輝度 GB Max Battery&無線LAN ON 9043
中輝度 GB Normal PCMark05 Multithread3 13224

 YbInfoの測定結果は、液晶輝度が高輝度の条件では、電源管理モードに関係なく8700mWh台を示し、液晶輝度を中輝度にして7900mWh台、低輝度で7400mWh台となった。中輝度、GB_MaxBattery、無線LANをONにすると9000mWh台、マルチスレッド処理を行っている重負荷状態では1万3000mWh台に達している。M1022Mの消費電力が中輝度アイドル時で約8000mWh、無線LAN接続時で9000mWh、重負荷処理時で1万3000mWhと考えた場合、バッテリー駆動時間は6〜7時間、動画などの連続再生時間は4〜5時間あたりになると思われる。


 M1022Mは、標準で付属する構成でモバイルノートPC、デスクトップPCに対応できるところが注目を集めているが、そういう目立つアイデアだけでなく、長時間のバッテリー駆動と入力しやすいキーボードの採用、ワンクリックで無線接続モジュールのオン/オフの切り替え、液晶輝度の変更、電源管理モードの設定などが行えるユーティリティの導入など、Netbookとしての基本性能も先行するライバルに負けていない。

 従来、九十九電機系のショップに限られていた販売網も、日本全国に展開する大手量販店にも並ぶなど、購入しやすくなっただけでなく、初心者を対象にしたサポートセンターの開設など、ギアバイト側の体制にも安心感がでてきた。

 TouchNoteのT1028Mと、今後投入されるだろうS1024、そして、ここで紹介したM1022Mとあわせ、ギガバイトのNetbookは2009年の日本市場で、有力な勢力に成長するだろう。

M1022Mは標準でACアダプタが2つ付属する。Netbook状態で常用する自宅とNettop状態で常用するオフィスのそれぞれでACアダプタが使えるようにという心遣いだ。こういう気配りができるのも、ワールドワイドで経験をつんでいるギガバイトだからできる“技”といえるだろう
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