手間もお金もあまりかけずに、のんべんだらりと自作するぜコタツ向け自作キット(1/2 ページ)

» 2009年12月29日 14時11分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「RADEON HD 5850カードより低い予算でマシンを組みたいんですけど?」

 いろいろと忙しかったり理不尽だったり苦しかったりした1年の終わりくらい、ダラダラ過ごしたいと思うのが人情だろう。親戚への挨拶といった面倒もあるが、年末年始の基本スタンスはダラダラでいくと決めている人も多いはずだ。しかし、ただ単にのんべだらりと過ごしていては、あっという間に時が経ってしまい、1月4日辺りから自己嫌悪の波が押し寄せてくる。ダラダラと過ごしつつも、気楽に遊べる趣味に時間を費やすのがよさそうだ。

 例えば、テレビの特番をぼんやりと眺めながら、パズルなりプラモデルなりをゆっくり作っていく。そして休みが終わるころに完成体ができあがる。その達成感があれば、怠惰からくる自己嫌悪が消え、快適な休み明けが得られるというわけだ。そこでPC USERの読者にオススメなのがPCの自作。簡単な構成なら1日もあれば作れるし、あとから実用することだってできる。

満面の笑顔の鈴木店長

 編集部から急きょ「年末にマシンを組め」との指令が下り、前述のようなプラス志向を働かせた。そして向かったのは、ツートップ秋葉原本店。鈴木店長にこれらのコンセプトを伝え、「予算はRADEON HD 5850カード以下(3万円台半ば以下)でお願いします」と付け加えた。あまりに高価だと気合いを入れてしまいそうだったから。鈴木店長は満面の笑顔で「了解しました。OS抜きなら3万円以下でそろえられますから、ちょっと待っていてください」といい、売り場に消えていった。

 最初に提示されたのは、ユニットコムのオリジナルmini-ITXケース「ITX200」だった。通常サイズの5インチと3.5インチベイが1基ずつ用意されており、付属の電源も定格300ワットとまずまずの容量だ。通常サイズの拡張カードが1基挿せるスペースもあるが、本体のサイズも220(幅)×300(奥行き)×129(高さ)ミリと、おせち2段分程度の大きさにまとまっている。

 店長は「このサイズなら机やコタツの上で無理なく組み込むことができますよ。自社ブランドで恐縮ですが、プライベートブランドだけに1万円以下と割安でもあります」とプッシュする。

 そこに組み込むマザーには、デュアルコアのAtom 330(1.6GHz)を搭載したインテルの「D945GCLF2」がチョイスされた。「1年前に登場したときは1万2000円弱しましたが、今なら7000円以下で買えます。IONほどの性能はありませんが、オンボードでアナログRGB出力ができますし、PCIスロットが付いているので、グラフィックスカードやテレビチューナーカードを挿して強化することも可能です。なにより、ギガビットLAN環境も搭載しているので、メインマシンとの連携にもってこいですね」と店長。

ケースはユニットコムの「ITX200」(写真=左)。マザーボードはCPUオンボードのインテル「D945GCLF2」だ(写真=中央/右)

 ここまで来れば、あとの構成はだいたい決まってくる。2Gバイトのメモリ1枚と、低価格なDVDスーパーマルチドライブ、あとは値ごろ感のあるHDDだ。1Tバイトモデルを選ぶのもいいが、少しでも安くするために完全に底値になっている500Gバイトタイプを選んだ。ドライブベイが通常サイズのため、容量単価が跳ね上がるノートPC向けのスリム光学ドライブや2.5インチHDDをそろえる必要がないのはうれしかった。

 さて、気になる価格はいくらだろう? 店長は軽く電卓を叩いて2万7800円と教えてくれた。「これでOS代を加えると4万円程度、さらにIONマザーに変えると5〜6万円になりますかね。まあ、スタンダードにWindows 7、余っているならWindows XPを組み込むのもいいですし、リナックス系OSにチャレンジしてみるのも面白いと思いますよ。Windows 7 Home Premiumくらいなら、そこそこ快適に動くと思います。気軽に使えるマシンという意味では十分なスペックでしょう。オーバースペック気味の構成を選ぶ人も多いですが、目的をはっきり決めていれば自作は相当安く作れるんですよね」と語る。

メモリはPC2-6400 2Gバイトを1枚積む(写真=左)。光学ドライブはSerial ATA接続のLG製DVDスーパーマルチをチョイス(写真=中央)。現在は多くのモデルが6000円以下で買える500GバイトのHDD(写真=右)

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