10.1型ワイド液晶ディスプレイは、Netbook標準の1024×600ドット表示だ。画面とフレームの境目がないシームレスなデザインを採用しており、表面は光沢仕上げになっているので、外光の映り込みは多少気になる。輝度とコントラストは十分確保されており、バックライト輝度は16段階に細かく調整可能だ。視野角は上下方向は少し狭いものの、左右は広め。ヒンジの角度は135度程度開き、ヒザの上などで使っても表示内容はきちんと確認できる。画面解像度は狭いが、それ以外の点で大きな不満はない表示品質だ。
キーボードはキー間隔を離したアイソレーションタイプを採用。主要キーのキーピッチは約17.5ミリ、最上段/最下段のキーやEnterキー周辺には狭いキーピッチも見られるが、全体的なレイアウトが自然なので、タイプミスは少なくて済むだろう。キーストロークは実測で約2ミリと少し浅いものの、適度なクリック感があり、キーボードユニットのたわみやぐらつきが十分抑えられているので、打ち心地は良好だ。
タッチパッドはパームレストと一体成型で、表面の細かなドット状の突起がタッチ領域(横65×縦34ミリ)となっている。パームレストのしっとりとした塗装もあって、タッチパッドの滑りはあまりよくないが、シナプティクスの多機能ドライバが導入されており、2本指や3本指でのマルチタッチジェスチャーによる操作が可能だ。左右のクリックボタンはやや硬く、押すのに少し力がいる。
Windowsエクスペリエンスインデックスと主要なベンチマークテストの結果は以下にまとめたが、Pine Trail-M搭載のHDD内蔵Netbookとしては妥当な範囲のスコアだ。Windows 7の基本機能を扱ううえで、少し待たされることもあるが、大きなストレスは感じない。
なお、PCMark05とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 High設定については、1024×600ドット表示の内蔵ディスプレイではスコアが得られないので、外部ディスプレイ(1024×768ドット表示)に接続して実行した。
1008KRの価格は5万9800円だ。デザイナーズモデルだけあって、基本スペックの割には少し割高に思えるが、Netbookとしての実力はかなり高く、小型軽量のボディをはじめ、2つの薄型バッテリーが付属している点や、OSに32ビット版Windows 7 Home Premiumを採用している点など、デザイン以外の面でもこだわりが感じられる。これまで触れなかったが、使用時にボディ(特にパームレスト)が発熱しにくく、ファンノイズが静かな点も好印象だ。
個人的には1366×768ドットの高解像度モデルもラインアップしてほしかったところだが、この個性的なボディデザインにひかれたならば、積極的に検討したい完成度の高いNetbookといえる。4月18日までは発売記念キャンペーンとして、購入者の中から抽選でオリジナルのキャリングケースやUSBマウスが計150名に当たるので、1008KRが気になるユーザーは早めにチェックしてみるといいだろう。
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