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» 2010年04月13日 17時05分 公開

見た目も中身もまさにエリート――「HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation」を駆る高級外車のような心地よさ(2/2 ページ)

[鈴木雅暢,ITmedia]
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心地よいキーボードなど入力環境もハイレベル

1366×768ドット表示に対応する14型ワイドのLEDバックライト液晶ディスプレイを搭載

 14型ワイドサイズの液晶ディスプレイは、1366×768ドット表示に対応する「HD液晶ディスプレイ」と、1600×900ドット表示に対応する「HD+液晶ディスプレイ」の2種類が選択できる。いずれもLEDバックライトを採用しており、CCFLバックライトの製品に比べて省電力で劣化の心配が少ない。外光が映り込みにくい非光沢の表面仕上げのため、場所を選ばずに利用できるのもポイントだ。特別鮮やかという印象はないものの、ナチュラルな発色で、輝度は十分にあり、総じて表示品質は高い。また、周囲の明るさをセンサーが感知して画面の明るさを自動調整する「周辺光センサー」機能も搭載している。

 キーボードの作りも実にしっかりしている。主要キーのキーピッチは約19×約19ミリとフルサイズを確保し、半段下げて配置したカーソルキーも約18×約12ミリと十分なピッチがあり、極端に小さくなっているキーは見あたらない。Enterキーの右にPgUp/PgDnキーがある配列だが、両者の間には仕切りが設けられ、約8ミリと十分な間隔があり、ミスタイプの不安はなさそうだ。2階建て構造のような独特なデザインのキートップは、マットな塗装でザラッとした感触があり、ベタつきにくい。また、微妙なカーブがつけられているため、指を置きやすく、スイッチの感触も良好だ。ただし、キートップの材質がやや薄目で、心なしか空気が漏れるような音がする点は気になった。キーボードユニットのボディへの固定はしっかりしており、強くタイプしてもたわむような感触はない。パームレストは天面同様にアルミニウムをアルマイト加工し、ヘアラインが施されている。ソリッドな剛性感もあり、奥行きも84ミリと広く、全体的に非常に打ちやすい入力環境といえる。

主要キーを19ミリピッチでそろえた余裕のあるキーボードを搭載する(写真=左)。マルチタッチジェスチャーに対応するタッチパッドを装備。パームレストの質感も上々だ(写真=右)

 ポインティングデバイスは、スティック型ポインタと2ボタン式タッチパッドの両方を備えている。スティック型ポインタはスティックを押したり叩いたりすることでマウスクリックの代わりになるプレスセレクト機能に対応している。左右独立成型のボタンはやや音が安っぽいが、スイッチの感触は悪くない。キーボードの手前側のタッチパッドは76×33ミリと適度な大きさがあって滑りも良好だが、ボタンのスイッチはやや下にある印象で、頻繁に利用すると少し疲れる。Synapticsの多機能ドライバが導入ずみで、2本指での上下/左右スクロールやつまみズーム、回転、3本指で弾くなどのマルチタッチジェスチャー機能が標準で有効となっている。なお、USB接続のホイール付きの光学マウスも同梱している。

ポインティングデバイスは、スティック型ポインタと2ボタン式タッチパッドの両方を備えており、それぞれSynaptics製のドライバが導入されている。両方あるいはどちらかのみを無効にすることも可能だ(画面=左)。スティック型ポインタのユーティリティ画面。スティックを押したり叩いたりすることでマウスクリックの代わりになるプレスセレクト機能を利用できる(画面=中央/右)

タッチパッドのユーティリティ画面

パッドの右辺を利用した上下スクロールのほか、2本指での上下左右スクロール、つまみズーム、回転、3本指で弾くなどのマルチタッチジェスチャー機能が標準で有効となっている

ベンチマークテストで高い基本性能を実証

 今回の評価機は、CPUがCore i5-540M(2.53GHz/TBT時最大3.06GHz)、メモリ2Gバイト、320GバイトHDD(7200rpm)、NVIDIA Quadro FX380M(ビデオメモリ512Mバイト)、1366×768ドット液晶、DVDスーパーマルチドライブ、6セルバッテリー、OSはWindows XP professional(SP3、32bit)という構成だ。最小構成に近い内容だが、それでも持ち運べるサイズのノートPCとしてはかなりハイスペックである。

 ベンチマークテストの結果も優秀で、CPU/チップセット内蔵グラフィックス機能が使われることが多い低価格ノートPCではスコアが低くなりがちなPCMark05のGraphicsでも5000近いスコアをマークし、どの項目もまんべんなく高い結果を出している。高速なSSDほどではないが、7200rpmと高速タイプのHDDを搭載しているためHDDスコアも2.5インチHDDとしては非常に優秀である。

 3DMark06の結果はCPU/チップセット内蔵GPUよりは少し良いという程度。本格的なゲームプレイには向かないものの、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では高いスコアをマークしており、オンラインベースの比較的負荷が低いゲームなどなら十分対応できるはずだ。

PCMark05 1.2.0/3DMark 1.1.0/FFベンチ

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。無線LANで常時接続し、BBenchの設定は「120秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「20秒間隔でのキーストローク」を利用した。本体の電源設定は「HP Power Assistant」で設定されている「勤務先」の液晶ディスプレイの輝度を40%にカスタマイズして行なった。結果は3時間46分(残り2%)で、6セルバッテリー搭載時の公称値である約5時間には及ばなかったものの、常時接続環境でも十分実用的なバッテリー駆動時間を持つといえる。

 PC使用時の動作音に関してはまずまずといったところで、うるさいというほどではないものの、アイドル時でもファンノイズは聞こえるレベルだ。また、GPUに負荷がかかる3Dゲーム時のテストでははっきりと音量が上がった。一方、発熱の処理は非常に優秀で、一連のベンチマークテストを実行した直後でもパームレストやキーボードはほとんど熱を持たなかった。室温23度の室内で測定したボディの表面温度は、最も熱い底面左側でも35度と低く、静音性よりもしっかり放熱を行うことで作業の快適度を重視した設計になっているようだ。

ワンランク上の高級ノートPCとしてもおすすめ

 高いパフォーマンスや豊富なオプションを含む充実した機能だけでなく、ボディの堅牢性と信頼性、完成度の高い入力環境、優秀な熱設計など、ノートPCとしての基本的な部分のクオリティも超一流だ。開発環境をそのまま外に持ち出すモバイルワークステーションとして活躍できる実力を備えている。

 もっとも、特にワークステーションとして用途を限定する必要もないだろう。高級外車のような質感の高さや心地よい操作性は、一般のビジネスユースで利用するノートPCとして見ても実に魅力的だ。他人とはひと味違う、ワンランク上の高級なノートPCを求めているなら購入を検討してみてはいかがだろうか。

 HP DirectPlusでの販売は原稿執筆時点でまだ開始されていない(4月上旬販売開始予定)。価格が公開されている「スタンダードモデル」は、Core i5-540M、2Gバイトメモリ、250GバイトHDD、光学ドライブなし、1366×768ドット液晶、32ビット版Windows 7 Professionalといったスペックで12万6000円となっている。ボディの品質も考慮すればこれでもコストパフォーマンスは悪くないだろうが、HP DirectPlusでは随時お得なキャンペーンなどが開催されるので、興味があるならばこまめにチェックしておきたい。

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