12.1型ワイド液晶ディスプレイは、1366×768ドット(アスペクト比16:9)表示に対応する。Windows 7登場以降のノートPCでは標準となりつつある画面解像度で、Windows 7を快適に利用するのに必要十分な広さだ。
表面は光沢仕上げのため、外光などは映り込みやすい。上下の視野角は狭いが、液晶ディスプレイの角度は約135度まで開くので、ある程度上からのぞき込むような場合でも対応できる。ヒザの上で使う程度であれば特に問題ない印象だ。標準設定の発色はややあっさり目の印象で、最近の低価格ノートPCとしては平均的な表示品質だろう。
液晶ディスプレイに関しては、ASUSオリジナルの画質調整技術「Splendid」も備わっている。「Eee Splendid Video Enhancement Technology」のユーティリティでSplendidを有効(Splendidモード)にすると少しコントラストが強調され、メリハリの効いた画質になる仕組みだ。
底部に内蔵したステレオスピーカーは特に音質がいいとはいえないが、サラウンド技術の「SRS Premium Sound」に対応している点に注目したい。これを有効にすると音の立体感が増して、かなり印象がよくなる。じっくり観賞するような用途には向かないが、外出先などで手軽にサウンドを楽しむ分には十分だろう。
キーボードは、キートップのみを露出させ、キー間隔を広くとったアイソレーションタイプを採用している。
フットプリントがジャストA4サイズに近いため、キーピッチには比較的余裕がある。実測でのキーピッチは、主要キーが約18(横)×18(縦)ミリ、最上段のEscやF1〜F12キーが約16(横)×13(縦)ミリ、カーソルキーは約15(横)×17.5(縦)ミリと、極端に小さいキーはない。Enterキーやカーソルキーの周辺には変則的なキーピッチが見られるものの、キーボードユニット自体のサイズが大きめなので、タッチタイプも問題なく行えるだろう。
キートップは完全にフラットではなく、微妙なくぼみが付けられているので指を置きやすい。キースイッチの感触も良好だ。キーボードユニットの取り付けも比較的しっかりしており、意識して強く押せば少し全体が揺れる程度で、文字の入力中に不快になることはなかった。キーボードの左奥にはタッチパッドの機能をオン/オフするボタンが用意されており、タイピング中の誤操作を防ぐことができる。
タッチパッドはパームレストと一体化しており、小さな突起を長方形に並べることでセンサー領域を表現している。見た目にはシンプルで美しいが、光沢あるパームレストは指の滑りがいまひとつなうえ、突起によってブレーキがかかる印象もあり、使い勝手は好みが分かれそうだ。特に力を入れてパッドを操作するクセがあると、使いにくいと思われる。左右のボタンを一体化したクリックボタンはストロークが浅く、硬めの押し心地だ。
タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバが導入されており、2本指での垂直/水平スクロール、つまみズーム、回転、3本指で弾くことによるページ送り/戻しといったマルチタッチジェスチャー機能を利用できる。
ここからはベンチマークテストの結果を見てみよう。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。CPUのサブスコアで3.1をマークしている。デュアルコアのCULVノートPCには届かない値だが、2点台前半が多いAtom N450や同 N280を搭載したNetbookよりはかなりよい。
体感的なパフォーマンスはCULVノートPCとNetbookの中間のような印象だ。Windowsの基本操作やWebブラウズで特にストレスというほどのパワー不足は感じないが、複数のアプリケーションの処理が重なるようなときはシングルコアだけに、ちょっとモタつくことがある。
PCMark05のCPUスコアは2140となっている。これはシングルコアの超低電圧版Celeron 743(1.3GHz)搭載機とだいたい同じようなスコアだ。Atom N450や同 N280を搭載したNetbookでは1500前後のスコアが多く、それよりははっきりと上のパフォーマンスを示している。
3DMark06のスコアは1037で、こちらもAtom NベースのNetbookよりはるかによい。もっとも、本格的な3Dゲームタイトルが十分動作するようなスコアにはほど遠く、カジュアルゲームなどが快適に遊べる程度だ。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のHigh設定でのスコアは1976を獲得し、一応プレイできるレベルにはある。
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