エムエスアイコンピュータージャパン(以下、MSI)が、お盆商戦に出荷を“間に合わせた”Fuzionシリーズの新製品「P55A Fuzion」と「870A Fuzion」は、ともに「異種混合マルチGPU環境を手軽に遊ぶ」ためのマザーボードだ。従来のオーバークロッカー向けハイエンドラインアップである「Big Bang-Fuzion」から機能を絞る代わりに、価格を抑えて“手軽に”購入しやすくしたのが特徴といえる。
すでに掲載したP55A Fuzionのフォトレビューでも同じ説明をしているが、そのP55A Fuzionの実売予想価格は2万円前後。そして、今回紹介する870A Fuzionは1万3000円台とさらに安く、Big Bang-Fuzionの半額近くに設定されている。
「低価格のFuzion」というだけでなく、870A Fuzionは「AMDプラットフォームで初めてのFuzion」という意味でも注目したい。製品名から分かるようにチップセットはAMD 870とSB710の組み合わせを採用する。870A Fuzionでは、これに、異種混合マルチGPU環境を実現するLucidのHydra(LT22102)を加えた3チップ構成となるため、P55A FuzionやBig Bang-Fuzionの2チップ構成より1チップ多くなる。
なお、チップを冷却するヒートシンクが2つしかないので、一見すると2チップ構成のようだが、これは、HydraとAMD 870を1つのヒートシンクで冷却しているためだ。
サウスブリッジに廉価モデルのSB710を採用しているので、AMD 8シリーズの上位モデル(と組み合わせるSB850)がサポートするSerial ATA 6GbpsやギガビットイーサネットなどはSB710で利用できないものの、870A Fuzionに専用のコントローラーを実装して使えるようにしている。Serial ATA 6GbpsはMarvellの「SE9128」で2基のインタフェースを制御し、USB 3.0はNECの「μPD720200」で制御する2基のインタフェースを用意するなど、低価格のモデルにかかわらずP55A Fuzionと同じ仕様になっている。
そのほかにオンボードで用意した専用コントローラーの種類もP55A Fuzionと同様で、1000BASE-Tに対応する有線LANはRealtekの「RTL8111E」を採用し、IEEE1394の制御にはVIAの「6315N」を利用。サウンドコントローラーもRealtekの「ALC892」を使う。
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