残暑が厳しい! ならば、高性能CPUクーラーを買うぜ!(前編)イマドキのハネモノ(2/2 ページ)

» 2010年08月13日 16時39分 公開
[長畑利博,ITmedia]
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ファンはやっぱり偉大だ

ヒートシンクに風を送り込み熱を強制的に“移動”させるファン。同じ回転数なら大口径ほど風量が多い。なので、同じ風量なら大口径ファンにすると回転数を減らして動作音を抑えられる。ただし、コンパクトPCケース向けのCPUクーラーは8センチ角ファンを採用していることが多い

 ここまで、ヒートシンクとフィンの説明をしてきたが、忘れていけないのが、CPUクーラーでは古くから主役で、今でも重要な役割を果たす「ファン」だ。ファンはヒートシンクから放出された熱で暖まった空気を「別の場所」に移動させる役割を持つ。前述のように、最近のCPUクーラーは細かなフィンをたくさん重ねた形状なので、熱がフィンのすき間にとどまってしまう「熱だまり」と呼ばれる現象が起きやすい。その熱を強制的に「移動」させるのがファンの重要な役割となる。

 ファンは、CPUクーラーの冷却能力という観点だけでなく、PCケース内のエアフローに貢献する一方で、ノイズといったマイナス面にも大きく影響する。このように、さまざまな要素でCPUクーラーを選ぶ重要なポイントになっているのが「ファン」の特徴といえる。

 ファンの「性格」を決定するポイントは、ファンの口径と厚み、回転速度、羽根の形状だ。口径が大きくて厚みがあるほど羽根の面積が増え、回転数が速いほど風を送り出す力が大きくなる。半面、ファンの厚みが増えればファンそのものの重量が増え、それが、ファンの軸が回転するときに軸とベアリングがこすれることで発生する「軸受音」の原因となる。さらに、回転数が高いと羽根と空気との摩擦で発生する「風切り音」が大きくなり、静音性能にとってマイナスとなる。このバランスが思案のしどころだが、現役の高性能モデルでは、技術的にこなれている「12センチ角2.5センチ厚」のファンを採用するモデルが多い。

いつかは、ぼくも、水冷を

ヘッドとラジエータ、ポンプが一体化したCorsairの水冷ユニット「CWCH50-1」。最初から組み立て済みなので、システムへの取り付け作業も簡単。非常にコンパクトなので扱いやすい

 以上の空冷式CPUクーラーとは別に、循環する冷却水を利用する水冷式CPUクーラーも人気がある。依然として「上級者向け」という印象が強く、なかなか手を出しにくいと思われている一方で、「上級者ぽくって、かっこいい」という、“いつかは・ボクも・水冷”とあこがれる初心者も少なからずいる。

 水冷式のメリットとしては、熱伝導率が「空気の20倍以上」という水を使うので、システムに“正しく”組み込めば大幅な効率アップが期待できる。もう1つのメリットが「エアフローの独立」だ。空冷式CPUクーラーでは、CPUの発した熱をケース内部に放出してしまうが、水冷では冷却水のチューブをPCケースの外まで誘導すればPCケース内のエアフローに影響しない。

 一方で、水冷式は、冷却水を循環させるポンプやCPUに取り付けるヘッド(ジャケットともいう)の組み立てや冷却水チューブの取り回し、そして、冷却水の交換などのメンテナンス作業が面倒という理由によって、なかなか主流となるまでには普及していない。今でも、ハイエンドパーツで構成されたPCを利用するオーバークロッカーなどの一部のパワーユーザーに使われることが多い。ただし、最近では、ポンプとラジエータ、ヘッド(ジャケット)を組み立て済み状態で出荷する一体型キットが比較的安い価格帯で発売されているなど、「扱いが難しい水冷」という状況は改善されつつある。


 以上、CPUクーラーに関する「概論」を説明してきた。後編では人気のある「定番モデル」を例に、実際に購入するときにチェックしたい選択のポイントについて紹介しよう。

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