ベーシックモデルのDroboは、本体の前面に4つのストレージベイを備え、Serial ATAの3.5インチベアHDDを(マウンタ類なしで)最大4つ、そのまま装着可能。RAID対応ストレージキットで制限のあった、同一メーカー・同容量の「同一のHDD」を複数台用意する必要がなく、HDDを装着すると必要なデータ保護設定と処理を自動実行し、複数のドライブを1つのボリュームとして自動的に再構築する機能を備える。
このプラグ&プレイ機能と自己マネジメント機能、ミックス&マッチ機能により、「当初は500Gバイト×2の構成で運用→容量が少なくなったので、2TバイトHDDを1つ追加しつつ、現500GバイトHDDを1つだけ外して、もう1つの2TバイトHDDと差し替える」──などといった芸当が可能だ。3.5インチのSerial ATA HDDであれば「何でもよい」ため、新旧異なる容量のHDDを混在して使用できるほか、HDDの入れ替えもバックアップ作業などは必要なく、古いHDDを引き抜いて新しいHDDを入れるだけで完了する。ユーザーは何も考えず・高度な操作や知識の必要なく、容量を手軽に拡張できるメリットがとくに大きい。
このほか、搭載するHDDの全ブロックとセクターをチェックする“データスクライビング機能”とともに、万一HDD障害が発生しても、残容量でまかなえる場合は自動的にリビルドする「セルフヒーリング機能」も備える。また、ブロックベースで処理するため、テラバイトクラスのRAIDシステムでは1日がかりの時間が必要だったリビルド作業も、大幅に時間を短縮できるようになるという。単一ボリュームの最大容量は16Tバイトで、Drobo/Drobo S/Drobo FSは1つ、上位のDroboProは最大16個、DroboEliteは最大255個までのボリュームを構成できる。
個人・SOHO・プロシューマー向けのDrobo/同S/同FSは、ドライブベイ数、対応インタフェースの違いでさまざまなニーズに対応する。DroboはUSB 2.0かFireWire 800接続、Drobo Sは5つのドライブベイとUSB 2.0より高速なeSATAにも対応、Drobo FSはギガビットLAN(ジャンボフレーム対応)インタフェースを備え、ネットワークドライブとして利用できる。
自作PCユーザーも、RAIDとともに大容量と冗長性を持たせたストレージ環境で運用するシーンは多い。3.5インチHDDを買ってくれば、1ボリュームのまま+保存するデータ内容もそのまま「容量だけ拡張」できるメリットはWindows Home Server搭載システムなどでも実現するが、やはりそれよりやや容易な「外付けHDD/ベーシックNASの延長」として運用することを想定している。
容量が足りなくなったらベアHDDを買ってきて追加する、あるいは古いHDDと差し替えるだけで容量拡張が可能であり、かつRAID 5/6相当の安全性を実現する点は、ビジネスユーザーはもちろん、ハイエンド自作PCユーザーを中心とするコンシューマーユーザーにこそ注目してもらいたい製品といえそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.