第2世代に進化したIntel HD Graphicsでは、3D処理性能の向上が取り上げられたほか、省電力とパフォーマンスの最適化、メディア利用機能の強化、CPUとの最適化が図られたことが説明された。Intel HD Graphicsに内蔵するエクゼキューション・ユニット(EU)も新しい世代となり、並列性の向上とシェーダ実行の効率化、並列分岐の効率化、演算処理能力の向上などで、スループットはEU1基あたり4〜20倍になったとした。
また、Sandy Bridge最大の特徴でもある、CPUと同じダイに統合されたメリットとしては、キャッシュパーティションが変更可能であることや、グラフィックス向け帯域の拡大、低いレイテンシやキャッシュの効率化に伴なうDRAMアクセスの削減が紹介されたほか、CPUの細かい電力管理がグラフィックスコアでも利用できることで、両者を考慮した最適な電力を判断できるとした。
さらに、CPUコアとグラフィックスコアで電力を動的に再配分できることや、CPUコアとグラフィックスコア間でラストレベルキャッシュを共有できるほか、メモリコントローラとPCI Expressインタフェースも統合することで、低いレイテンシと省電力を実現する。また、モジュラーアーキテクチャを採用することで開発生産コスト、電力、パフォーマンスの最適化が実現するとともに、コアの数を変化させた派生モデルの開発時間が短縮できるのもメリットになるという。
土岐氏は、Sandy Bridgeで導入される次世代のTurbo Boost Technologyについても説明した。次世代のTurbo Boost Technologyでは、「使い始めは温度がまだ上がらない」ことに注目し、アイドルから動作状態に移行した直後の「温度が上がっていない」タイミングに定格TDPを上回る電力をかけてパフォーマンスを向上させ、温度が上がるにつれて、駆動電力を段階的に落としていく。TDPを超えるタイミングは数秒間にとどまるが、この改善によって、起動や立ち上がりの待ち時間が短縮する効果が期待できるとしている。
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