32ナノは当たり前、22ナノがすぐそこに──Intelが“22ナノ”ウェハと「動く!」Sandybridgeを公開Intel Developer Forum 2009(1/2 ページ)

» 2009年09月23日 17時00分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

ムーアの法則は続く! 22ナノメートルプロセスルールウェハを初公開

米Intel CEOのポール・オッテリーニ氏

 ここ数年でIntelが進めている技術革新サイクル「Tick-Tock」モデルについて多くを語る必要はないだろう。プロセスルールを刷新するのが「Tick」のフェイズだとすれば、その翌年には、アーキテクチャを刷新する「Tock」のフェイズがやってくる。これを交互に繰り返すことで安定した技術革新を続けることが可能になるというものだ。

 2009年は「Tick」のフェイズにあたり、既存の45ナノメートルプロセスルールを32ナノメートルプロセスルールに刷新した「Westmere」(開発コード名)が2009年末に登場する予定だ。続く2010年には32ナノメートルプロセスルールでシステムアーキテクチャを刷新した「Sandybridge」が登場し、さらに、2011年には22ナノメートルプロセスルールがリリースされることになる。

 IDF 2009初日のオープニングキーノートを行った米Intel CEOのポール・オッテリーニ氏は「ムーアの法則は健在だ。これが、すべての基礎になっている。また、Tick-Tockによって半導体技術の刷新を2年サイクルで可能にし、将来の予測が可能になっている」と述べ、今後もプロセスルールの進化と、それで実現する半導体の集積が続いていくことを強調する。32ナノメートルプロセスルールを導入するWestmereはすでに大量製造の段階に入っており、2009年第4四半期には製品が登場することになるとオッテリーニ氏はアピールする。

 しかし、IDFでは「その次」を見せることが重要だ。Westmereの紹介でムーアの法則が健在であることを示したOtellini氏は、続けて業界初となる22ナノメートルプロセスルールを用いたシリコンウェハを公開した。このプロセスルールを導入した1つのチップは、29億個のトランジスタが集積された364MbitsのSRAMを構成している。

 Westmereでは第2世代のHigh-kメタルゲートを採用するが、22ナノメートルプロセスルールは第3世代のHigh-kメタルゲートが採用する。「企業秘密」ということで22ナノメートルプロセスルールを導入したトランジスタの写真は公開されなかったが、2011年後半に予定される22ナノメートルプロセスルールへの刷新は可能と思わせる“証拠”を示すことで、インテルの「すべての基礎になっている」というムーアの法則が今後も健在であることを誇示するのが狙いなのかもしれない。

2009年末に登場する32ナノメートルプロセスルールだけでなく、2011年の22ナノメートルプロセスルールでもムーアの法則は健在だ(写真=左)。オッテリーニ氏が手に持つのは初公開となる22ナノメートルプロセスルールのウェハ。SRAMとして実際に機能する

Lynnfieldの次は何が来る?

 深夜販売のお祭り騒ぎで盛り上がったとインテルの吉田氏が紹介した「Lynnfield」だが、Lynnfieldの「次」となるWestmereは、2010年初頭に、Coreシリーズのセグメントでバリュークラスとなる「Core i3」として登場する予定だ。

 Westmere世代の特徴は、これまでチップセットのノースブリッジに統合されていたグラフィックス機能がCPUに取り込まれる点だ。ボリュームゾーンを狙うデスクトップPC向けの「Clarkdale」やノートPC向けの「Arrandale」では、2コア/4スレッドというデュアルコアCPUにグラフィックス機能が統合される。CPU側が32ナノメートルプロセスルールで、グラフィックスコアは45ナノメートルプロセスルールという2つの異なるチップを1つのパッケージとしたものだ。なお、Sandybridgeでは、これらが32ナノメートルプロセスルールを導入した1つのダイとして統合される予定だ。

 IDF 2009では、Westmere世代を採用する製品のデモストレーションが随所で確認された。ノートPC向けのArrandaleでは、3年前にハイエンドモデルだったPentium 4搭載のデスクトップPCとパフォーマンスを比較して、より高い性能を示していた。ArrandaleはデュアルコアのCPUだが、パフォーマンスの差はマルチスレッド処理だけでなく、Westmere世代で搭載されたAES(Advanced Encryption Standard)処理用の拡張命令サポートも影響している。

 PC USERに掲載した「Windows 7はWestmereで強力になる」で紹介したように、暗号処理標準として利用が広まりつつあるAES処理用命令がWestmereで追加されている。Windows 7では、このAES拡張命令をCrypto APIで利用できるため、Windows 7とWestmereの組み合わせで処理速度がより高速になる。

 また、一見すると普通のミニタワー型PCの動作デモも行われていた。最初はWestmere世代の「Gulftown」かと思われたが、これが、なんとWestmereに続く「Sandybridge」を搭載したPCだった。どのような形状でCPUが実装されているかは確認できないが、Westmereと同様に、すでにSandybridgeもテスト環境では稼働することが示されたことになる。

Tick-Tockモデルのロードマップ。2009年末に登場するのが、初の32ナノメートルプロセスルールとなるWestmereで、2010年にはアーキテクチャを刷新したSandybridgeが登場する(写真=左)。32ナノメートルプロセスルールのWestmere世代モバイル向けCPU「Arrandale」。デュアルコアの製品だが、Windows 7の拡張命令セットサポートを活用することで、3年前のハイエンドデスクトップPCよりも高速に動作する(写真=右)

高性能デスクトップPCとして紹介されたマシンは、Westmere世代の「Gulftown」かと思いきや、2010年末に登場予定の「Sandybridge」を搭載していた

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