32ナノは当たり前、22ナノがすぐそこに──Intelが“22ナノ”ウェハと「動く!」Sandybridgeを公開Intel Developer Forum 2009(2/2 ページ)

» 2009年09月23日 17時00分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
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AtomはIntelの苦境を救うか

 AMDを含める半導体メーカー各社が出荷数を軒並み下げているなか、Intelを救ったのがAtomといわれている。低消費電力のCPUを低コストで出荷することで、Intelにとって新しい市場を開拓すべく登場したAtomは結果的にNetbookというスマッシュヒットとなって、順調に普及しつつある。Intelによれば、WiiやiPhoneなどを上回るペースで普及が進んでいるという。

 この先、Atomのさらなる普及のために重要となるポイントがSoC(System on Chip)ソリューションの存在だ。今日の携帯電話やMobile Internet Device(MIDなど)には、CPUやチップセットを1つのパッケージとして統合した製品を採用するケースが多い。これが低消費電力の実現とチップ数削減による小型化や低コスト化に結びついている。

 しかし、IntelはAtomでもPCで一般的な2チップソリューションや3チップソリューションを採用しており、これが小型機器や特定分野におけるAtom普及の阻害要因になっていたといわれる。そこで、Atomでも複数の機能を1つのチップに統合し、さらなる市場開拓を目指すのがSoCの狙いだ。現状で、基本アーキテクチャの完成からSoCによる機能統合完了まで1年程度のタイムラグが生じているが、これを1四半期程度まで縮めることが目標だという。製造では台湾のTSMCと提携し、ここで顧客のニーズに合わせた開発と製造が行われることになる。

組み込み市場、特に携帯電話やMIDでは、複数の機能を組み込んで1つのチップにまとめる「SoC」(System on Chip)が、小型化や低価格化、低消費電力化を決める要因となる(写真=左)。32ナノメートルプロセスルール世代ではさらにSoCを推進し、PC以外の市場にもIntel Architectureの製品を拡大する(写真=右)

 世代的には、2008年に登場したMenlow(開発コード名)の後継となる「Moorestown」(開発コード名)が2010年半ばに登場し、同年後半にはMoorestownを採用した製品が市場に出荷されるという。Moorestownはアーキテクチャを刷新したモデルだが、すぐに32ナノメートルプロセスルールを採用した「Medfield」が登場する予定だ。さらに、こうした製品をプッシュすべく、Intelは以前より開発に関わっている「Moblin」というLinuxベースのMID向けOSを機会あるごとにアピールしている。今回のIDFでも、初公開となる「Moblin 2.1」の動作デモが行われており、携帯電話やMIDから便利に操作できる仕組みが紹介された。

Atomは従来のIntel製CPUに比べて消費電力で90%、ダイサイズで85%、製造コストで65%の削減を実現できた(写真=左)。また、市場への浸透も急速に進んでおり、普及台数の伸びはWiiやiPhoneを上回るという(写真=右)

Atomのロードマップ。Menlowプラットフォームの後継であるMoorestownは2010年半ばに登場し、その後には同アーキテクチャを踏襲しつつ32ナノメートルプロセスルールを導入するMedfieldが登場する(写真=左)。Intelが推進するLinuxプラットフォームのMoblinだが、ここで登場した「Moblin 2.1」は初公開となる。小型デバイス向けにUIが改良されている点が特徴だ(写真=右)


「未来を語る」のIDFだけに、ロードマップや“先の先”にある情報を知るには十分な情報が提供された。順風満帆をアピールするIntelだが、同時に「ムーアの法則の限界という技術上の壁」「PC販売頭打ちによる経済市場上の壁」という2つの問題が指摘されている同社にとって、未来の可能性とこれまでの成功例を積極的に示すことは、投資家やアナリストを意識したアピールともいえる。Intelの実力と同時に苦悩する舞台裏の姿も垣間見られたような、オープニングのキーノートスピーチだった。

 次のリポートでは、ロードマップの詳細や新世代アーキテクチャについて、紹介していこう。

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