MSIの「H57-ED65」でClarkdaleを先取りしたCOMPUTEX TAIPEI 2009(1/2 ページ)

» 2009年06月03日 21時51分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「H57-ED65」の“すごすぎる”画像出力仕様

 Intelは、COMPUTEX TAIPEI 2009の第2日目となる6月3日に、デスクトップPC向けソリューションを紹介する「Intel Desktop Event」を行った。会場に設けられたShowCaseでは、COMPUTEX TAIPEI 2009で“限定解禁”となるLynnfieldの動作デモをはじめとして、Intel P55 Express搭載マザーボードやAtom対応のMini-ITXマザーなどが展示されていた。ここでは、Showcaseで確認された「正式発表前」のマザーボードを紹介していこう。

 マザーボードの展示でさりげなく登場していたのがMSIの「H57-ED65」だ。型番からするとIntel H57 Expressを搭載していそうな雰囲気だが、少なくとも説明スタッフの話では“詳細は不明”だった。ワンチップセット構成のmicro ATXフォームファクタで、CPUソケットはLGA1156を載せている。メモリスロットもIntel P55 Expressマザーボードと同様に4基を搭載する。

 メモリスロットの外側にもスロットが1つ設けられているが、その詳細を説明する資料はなかった。形状は「Braidwood」(Intel Turbo Memoryの第2世代)用NANDメモリモジュールを差すスロットに似ている。

 拡張スロットはPCI Express x16が1基にPCIが2基、PCI Express x1が2基の構成で、ほかにSerial ATA 2.0が6ポート、IDEコネクタ1基が基板に設けられている。MSIのマザーボードらしく、電源ボタンと「CPU_Clock」と刻印されたジャンパスイッチ、そして「Turbo」ボタンがオンボードに用意されている。「Turbo」ボタンが、COMPUTEX TAIPEI 2009で初めて公開されたIntel P55 Express搭載マザーボードの「P55-CD45」「P55-GD65」でサポートされる「OC Genie」に対応するのかは不明だ(H57-ED65の基板に“OC Genie”の刻印をつけたチップは確認できなかった)。

 Intel H57 Expressは、グラフィックス機能をCPUに統合したClarkdale(開発コード名)に対応するチップセットとされている。Clarkdaleは画像出力のインタフェースとしてDVI、HDMI、DisplayPortに対応する予定だが、展示されていたH57-ED65のバックパネルにはDVI-D、HDMI、DisplayPort、そして、アナログRGB出力といった4種類もの画像出力インタフェースが搭載されていた。

 ShowCaseでは、H57-ED65を組み込んだシステムで動作デモも行われていた。そのシステムの説明には「32ナノメートルプロセスルールを採用したClarkdaleのデモンストレーション」と記載されているほか、デュアルコアで4スレッドが同時に動作することと、CPUに統合されたメモリコントローラがデュアルチャネルメモリバスでDDR3-1333MHzをサポートすることが明記されていた。

「H57-ED65」という興味深い型番を持ったMSIのmicro ATXマザーボードのバックパネルには、アナログRGB出力、DVI-D、HDMI、そしてDisplayPortといった画像出力インタフェースが用意されていた

ShowCaseでは、H57-ED65にClarkdaleを搭載したシステムで動作デモが行われていた(写真=左)。ディスプレイはHDMIで接続している(写真=右)

Lynnfield+P55マザーでCINEBENCH R10を動かす

 ShowCaseでは、Intel P55 Express搭載マザーボードにLynnFieldと思われる(何ゆえか、Intelの説明スタッフはCPUの正体を明言しない)CPUを搭載したシステムを多数動かして紹介していた。ECSの「P55H-A」も実際に動作していたシステムの1つで、タスクマネージャーには4つの物理コアとそれぞれで動作するHyper-Threadingによって同時に動く8つのスレッドが表示され、CINEBENCH R10では、CPU Benchmarkの測定データとして「Rendering 1CPU=3176」「Rendering xCPU=12692」「Multiprocessor Speedup=4.00x」といった結果が示されていた。

ECSの「P55H-A」を組み込んだシステムで行われていた動作デモ(写真=左)。そのシステムで測定されたと思われるCINEBENCH R10の結果(写真=右)

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