動画で体感するSandy Bridgeの“相対”性能Intel Developer Forum 2010(1/3 ページ)

» 2010年09月22日 11時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

動くSandy Bridgeで「買う買わない」を考える

 IDF 2010ではSandy Bridgeに関するいくつかの技術セッションが公開されていたが、そこで共通するメッセージは「パフォーマンス」と「省電力」という2つの機能の関係だ。パフォーマンスを求めれば省電力でなくなり、省電力を強化すればパフォーマンスが低くなる。Sandy Bridgeでは半導体のパワーゲートの能力を向上させているので、そのまま利用すれば省電力なCPUとなる。加えて、省電力を進めればTurbo Boost Technologyの“伸びしろ”を大きくできる。これにアーキテクチャ全体に施した改良と、新しいベクトル命令セットである「AVX」(Advanced Vector eXtensions)などを組み合わせれば、「省電力なのにパワフル」なCPUが実現する。

 Sandy Bridgeでは、統合されるGPUコアのプロセスルールがCPUコアと同じ32ナノメートルとなることで、より高いパフォーマンスが発揮できる。このことから、Sandy Bridgeの登場によって、これまでチップセットやCPUに統合されたグラフィックスコアを利用してきたユーザー、特にコンパクトな液晶一体型PCやノートPCを使ってきたユーザーのグラフィックス環境が改善すると期待されている。

モバイルプラットフォーム向けSandy Bridgeの概要(写真=左)と、デスクトッププラットフォーム向けSandy Bridgeの概要(写真=右)

 ローエンドのデスクトップPCやモバイル利用を重視するノートPCでは省電力性や価格が重要となるため、クアッドコアのような高価格で消費電力も大きいCPUは必要ない。だが、Sandy Bridgeではデュアルコアへのスケールダウンも容易なので、デュアルコアのモデルがすぐ登場する可能性は高い。そうなれば、このレンジでもSandy Bridgeへの移行は急速に進むだろう。

 Intelは、Sandy Bridgeでどのようなラインアップを用意しているかをIDF 2010でも公言していないが、クアッドコアのバージョンとデュアルコアのバージョンを講演のスライドで見せている。そういうところからも、コア構成についてはクアッドコアに加えてデュアルコアのモデルも初期に用意されると思われる。

 なお、シングルコアでもパフォーマンスは十分なデジタル機器には、Atomが優先して割り当てられてCeleronは順次フェードアウトしていくと、Atom戦略を解説したセッションで紹介されている。

Mini-ITXベースのSandy Bridge対応マザーボード。Sandy Bridgeでは、このクラスのコンパクトPCの性能を引き上げる効果が期待されている(写真=左)。Sandy Bridgeに対応するLGA 1155搭載マザーボードとしてIDF 2010で紹介されたGIGABYTEの展示サンプル。Intel 6シリーズチップセットを載せて、Serial ATA 6.0Gbpsをネイティブでサポートする(写真=右)

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