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» 2010年11月10日 10時01分 公開

ソニー、PC秋冬モデルの隠し球:「VAIO Y(YA)」徹底検証――“11.6型”追加モデルの実力は? (4/4)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]
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パフォーマンスは13.3型ワイドの店頭モデルと同レベル

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 ここからは各種テストでVPCYA19FJ/Bの実力をチェックする。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。Intel HD Graphicsによるグラフィックスのサブスコアは3.3と低いが、それ以外は4.7〜5.9と高めでバランスが取れており、Windows 7の各機能を無難にこなす。

 PC USERで定番の各種ベンチマークテストの結果については、13.3型ワイドモデル(標準仕様モデルのVPCY219FJ/S)のスコアもグラフに併記した。VPCY219FJ/Sに比べて、VPCYA19FJ/BはCPUの動作クロックがわずかに高速で、メモリ容量が小さいといった違いがあるが、トータルで見たパフォーマンスはほとんど同レベルといったところだ。

 3D描画性能が控えめなのでゲーム用途では厳しいが、Webブラウズやオフィススイートによる文書作成、映像コンテンツの視聴、写真や動画の編集など、処理速度のサクサク感を重視しないならば、モバイルシーンで幅広い用途に活用できるだけのパフォーマンスは確保している。

PCMark05のスコア。一部のテストが64ビットに対応していないため、総合スコアが出ていない
PCMarkVantage x64(1024×768)のスコア

3DMark06(1280×768)のスコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

バッテリー駆動時間、静音性、放熱の処理も問題なし

バッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)の結果

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏作)を走らせた。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。インターネットには無線LAN(11g)で常時接続し、Windows 7の電源プランは「バランス」と「省電力」の2パターン(ディスプレイ輝度設定はいずれも40%)で試した。

 テスト結果はバランスの設定で5時間14分、省電力の設定で5時間24分とほとんど変わらなかった。これは電源プランを変えても、ディスプレイの輝度など主要な設定が共通だったことが大きい。バックライト輝度をもっと下げるなどの工夫をすれば、もう少し駆動時間を延ばせるだろう。公称のバッテリー駆動時間は標準で約6時間なので、このテスト結果はかなり健闘したといえる。オプションとして、より大容量のバッテリーを2種類用意しているので、装備を整えれば、ハードなバッテリー駆動でのモバイル利用にも対応できそうだ。

 利用時の快適さに大きく影響する動作時の騒音と表面温度も測定した。動作音のテストは使用時におけるユーザーの耳の位置を想定し、騒音計を本体中央から手前に約30センチ離して、設置面から約50センチの高さに固定。室温は約22度、環境騒音は約28デシベル(A)と、周囲の雑音がほとんど聞こえない静粛な部屋でテストした。計測したのは、Windows 7の起動から30分間アイドルで放置した状態、Webページを30分間巡回した状態(60秒に1回ページ切り替え)、システムに高負荷がかかる3DMark06を30分間実行した状態の3パターンだ。

 テスト結果はアイドル時で28.5デシベル、Webブラウズ時で33.4デシベル、3DMark06実行後で34.1デシベルと、負荷に応じてファンの回転数が増し、騒音レベルが上がった。アイドル時でもファンは低速で回るが、ノイズはほとんど気にならない程度だ。Webブラウズ時は騒音レベルが29〜33.4デシベルの間で変動し、さらに高負荷の状態が続くとファンが高速で常時回転し、ジーという低い音が回転音に混ざってくるが、耳障りなほどではなかった。

 表面温度のテストは、本体を樹脂製のデスクに設置し、各部で最も高温になるポイントを放射温度計で計測した。計測したのは、Webページを30分間巡回した低負荷の状態(60秒に1回ページ切り替え)と、そこからシステムに高い負荷がかかる3DMark06を30分間実行した状態の2パターンで、室温は約22度だった。

 テストは良好な結果が得られた。低負荷時ではパームレストが26.2〜27.8度と発熱せず、キーボードやタッチパッドなど操作時に手が触れる部分はどこもクールだ。高負荷時ではCPUなどの熱源がある底面の中央付近で温度が上がるものの、やはりパームレストやキーボード、タッチパッドは低温で保たれていた。ファンをしっかり回し、十分な放熱を行っていることが確認できた。

騒音テストの結果
発熱テストの結果

11型クラスのバランス良好なVAIOノートが登場

 以上、11.6型ワイド液晶搭載のVAIO Y(YA)を一通りチェックした。突出した個性はないものの、全体的に大きな弱点が見当たらず、性能、機能、操作性、携帯性のバランスがよく、実に手堅く仕上がっている。少しシンプルにまとめすぎている感はあるが、Office Home and Business 2010を搭載して、量販店で11万円前後という実売価格もなかなかイイ線だと思う。

 Atomよりワンランク上のパフォーマンスが得られるモバイルノートPCを手ごろな価格で入手したいが、13型クラスの液晶ディスプレイを備えたVAIOノートはちょっと大きいので持ち運びにくいと考えていたようなユーザー層に、ジャストフィットするに違いない。

 今後は、Officeを省いてメモリは足すといったカスタマイズが可能なVAIOオーナーメードモデルの追加、そしてVAIO ZやVAIO Tに連なるハイスペックな11型クラスの新しいVAIOノートの投入にも期待したいところだ。

関連キーワード

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11.6型ワイド液晶ディスプレイ採用の一回り小さいモデルが新たに登場。11月27日に発売予定で、予想実売価格は11万円前後。


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