では実際に使っていこう。イー・モバイルのDC-HSDPA対応エリアは2010年12月現在、関東、東海、関西、北海道、東北、中国、九州の16都道府県、40以上の主要都市の中心部で、東京都23区内は人口密集地を中心にほぼ対応しているという。
今回は東京都23区内の4か所で、下り最大42Mbps通信対応のD41HWと、下り最大7.2Mbps通信対応となるイー・モバイル データプラン契約のSIMカードを差した「光ポータブル」(SIMロックフリー版)を用い、あえて平日の15時〜17時と、利用者がやや多いであろう時間帯に計測を行った。
東京都足立区/住宅地 左:D41HW/右:光ポータブル+データプランSIMやはりD41HWの下り速度は高速だ。まだDC-HSDPA対応エリアでないと思われる足立区近辺では差が付かなかったが、それ以外では光ポータブルでの通信と比べて2倍〜3倍近く高い値となる実測約10Mbpsに達した。この時間帯でここまで出れば上々といえ、利用時の体感値もかなり違うものだった。ストリーミング動画サイトの読み込み速度など、容量の大きなデータをダウンロードするさいには特に効果を実感できるだろう。
一方、上り速度はなぜか光ポータブルの方が速いケースも目立った。DC-HSDPAの上り速度は最大5.8Mbpsで、従来のHSUPAサービスとスペック上に変わりはなく、計測条件もほぼ同じ。……機器の通信チューニング方針の違いやファームウェアの煮詰め具合によるものか、あるいは計測当時の誤差範囲とも予想されるが、詳細は不明だ。
とはいえ、DC-HSDPAエリア内において、特に下りが「より高速」に利用できるようになるのは(当たり前だが)間違いなさそうだ。現在はUSB接続型のD41HWしか選択肢がないため利用シーンはPCで使うことが中心となるが、「スマートフォンやタブレット型端末で、移動しながら使う」シーンを想定した“Pocket WiFiのDC-HSDPA版”といったポータブル無線LANルータの登場にも期待したい。
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