APUは、CPUとGPUを同じダイに「融合させた」とAMDが説明する新世代のCPUだ。AMDはこのタイプの製品をAPU(Accelerated Processing Unit)と呼んでいる。
初めて市販されるAPUとして登場したのは、“Bobcat”という開発コード名で呼ばれてきたモバイル向けのラインアップで、「Zacate」「Ontario」という開発コード名で呼ばれてきたモバイルデバイス向けのモデルだ。ZacateのTDPは18ワット、OntarioのTDPは9ワットと、それぞれモバイル利用を重視した小型のデバイスや省スペースが求められる液晶一体型PCで利用することを想定している。ZacateとOntarioのAPUに統合されるグラフィックスコアはDirextX 11に対応する。
価格競争力もZacateとOntarioの特徴で、AMDはこれから最も成長が期待できる200〜499ドルの製品に搭載できるCPUとして考えている。モバイル利用が主となる小型デバイスでの利用を想定しているだけに、バッテリー駆動時間も重視しており、電力管理を行う技術として「AMD AllDay Power」を導入し、7〜8時間程度のバッテリー駆動時間を実現するという。
今回発表されたTDP18ワットの“Zacate”は、「E-240 with Radeon HD 6310」と「E-350 with Radeon HD 6310 Discrete-Class」の2モデルだ。E-240 with Radeon HD 6310はシングルコアで、動作クロックは1.5GHz、2次キャッシュメモリを512Kバイト搭載。内蔵するメモリコントローラはDDR3に対応する。E-340 with Radeon HD 6310 Discrete-Classは、デュアルコアで動作クロックは1.6GHz。2次キャッシュメモリを1Mバイト搭載。内蔵するメモリコントローラはDDR3に対応する。
TDP9ワットの“Ontario”として登場するのは、「C-30 with Radoen HD 6250」と「C-50 with Radoen HD 6250」の2モデルだ。ともにTDPは9ワットで、内蔵するメモリコントローラはDDR3に対応する。C-30 with Radoen HD 6250はシングルコアで動作クロックは1.2GHz。2次キャッシュメモリを512Kバイト搭載する。C-50 with Radoen HD 6250はデュアルコアだが、動作クロックは1GHzとC-30より低く設定されている。2次キャッシュメモリを1Mバイト搭載する。
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