ET2400XVTの大きな特徴は、3D Visionに対応していながら、マルチタッチ対応のタッチパネルまで備えていること。画面の外枠にセンサーを内蔵した赤外線光学イメージング方式のタッチパネルを採用しているため、液晶パネルの透過率が下がってぼんやりした表示になったりすることがなく、通常の液晶ディスプレイと見た目がほとんど変わらないのもポイントだ。
マルチタッチ機能はプリインストールOSである64ビット版Windows 7 Home Premiumの標準機能で実現している。iOSやAndroidといったマルチタッチに特化したOSではないため、すべての操作をタッチパネルで軽快に行うのは無理があるが、ASUSもその辺りは心得ており、タッチパネルで効果的に操作できるツール類を盛り込んできた。
マルチタッチ操作が可能なツール類は、デスクトップ上部に常駐しているランチャー「Eee Docking」からアクセスできる。Eee Dockingはアイコンやメニューが大きめに表示され、タッチパネルを使った操作が行いやすい。独自のタッチ対応ツール類については、動画や音楽、静止画の再生などをタッチスクリーン用のUIで行える「Eee Cinema」を中心に、Webカメラ撮影用の「Eee Cam」や、お絵かきツールの「Eee Paint」が用意されている。
筆者としては一度使い慣れてしまうと、ET2400XVTでのマルチタッチ操作はクセになる気持ちよさだった。指を使ってWindows 7を直感的に操作するのに慣れてしまうと、ほかのPCの液晶ディスプレイでも、ついつい触れて操作したくなってくるほどだ。家族でPCを囲んだり、来客中にPCを利用するときなど、マルチタッチ機能はちょっとした盛り上げ役にもなってくれるだろう。
なお、Eee Dockingからはマルチタッチ用ツール群だけではなく、有料/無料の各種デジタルコンテンツを提供する「ASUS@Vibe」というサービスにも接続できるようになっている。ここでは、音楽や動画、ゲーム、電子書籍などを楽しむことが可能だ。
ホームユースで人気のテレビ機能は、地上/BS/110度CSのデジタルチューナーを1基内蔵。テレビ番組の視聴や録画にはWindows 7標準のWindows Media Center機能を利用する。2番組同時録画やMPEG-4 AVC/H.264による長時間録画、録画番組の編集といった国内メーカーのテレビ付きPCでトレンドの機能はサポートしておらず、シンプルにテレビ番組の視聴や録画を楽しむ仕様だ。ちなみに、3D放送の視聴や録画には対応しない。
また、Windows Media Center用にしゃれたデザインのリモコンが付属しているので、タッチ操作だけでなく、10フィートUIを用いた操作も可能だ。各ボタンには数字やアイコンが描かれているが、家電のリモコンのような説明の文字列はない。筆者のようにリモコンの扱いに慣れているユーザーならば、どのボタンがどういった機能を持つかすぐ理解できるので問題ないが、戸惑うユーザーもいるだろう。
サウンド面も相当こだわっている。液晶ディスプレイの下にステレオスピーカーを内蔵しただけでなく、同社のフラッグシップノートPC「NX90Jq」と同様、原音に忠実な音声を再生できるという独自のオーディオ技術「ASUS SonicMaster」が導入されているのだ。高級オーディオメーカーとして知られるBang & Olufsenのオーディオ機器と同品質の音響再生が可能と認定を受けているという。
テレビ番組を見る程度ではあまり高音質を意識できなかったが、DVDやBlu-ray Discタイトルの再生時に、中音域から高音域がクリアで、重低音がなかなかにパンチの効いたサウンドを楽しめた。音楽CDや音楽ファイルを内蔵スピーカーで鳴らしながら、ほかの作業をするような場合でもチープな感じがせず、しっかり聴かせてくれるのはありがたい。
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