“多機能すぎる”液晶一体型PC――「All-in-One PC ET2400XVT」を味わう3Dもタッチもデジタル3波もBDもこれ1台(3/4 ページ)

» 2011年01月25日 14時30分 公開
[小川夏樹(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Core i7+外部GPUのハイスペックな構成

 ET2400XVTはモバイル向けのインテルプラットフォームを採用することで、デスクトップPCの一員ながら、薄型で省スペースなボディ、そして低消費電力を実現している。スタイリッシュな液晶一体型PCにはよく見られる仕様だ。

 もっとも、ET2400XVTはモバイル向けプラットフォームでもかなり高性能な構成を採用しているのが見逃せない。CPUはモバイル向けのCore i7-740QMを搭載する。最新のSandy Bridge世代ではなく、Clarksfield世代のCPUだが、コア数は4つで、Hyper-Threadingによって8つのスレッドを同時に実行可能だ。Turbo Boost Technologyに対応し、定格の1.73GHzから最大2.93GHzまでクロックアップでき、6Mバイトの3次キャッシュを備えるなど、家庭用のメインPCとしてはハイレベルな性能を発揮してくれる。

 Core i7-740QMのTDP(熱設計電力)は45ワットと、デスクトップPCのクアッドコアCPUという見方では十分低い。電源についてはACアダプタを採用しているため、CPUファン以外に騒音のもととなる駆動部が少なくて済んでいる(ACアダプタは大きいが)。

 チップセットはIntel HM55 Expressを搭載。メインメモリはノートPC向けモジュール(DDR3-1333)を用いており、4基あるSO-DIMMスロットのうち、2基に2Gバイトのモジュールを装着し、計4Gバイトを搭載する。2基のスロットが空いた状態だが、ASUSとしてはメモリの交換や増設は行えないとのこと。ちなみに、メモリスロットは背面にあるB-CASカードスロット部分のカバーを外すと、簡単にアクセスできる。

 GPUは前述の通り、3D Visionに対応したGeForce GTX 460M(グラフィックスメモリは1.5Gバイト)を搭載。モバイル用とはいっても、パフォーマンス的にはミドルレンジよりハイエンド寄りの性能を備えているので、最近の3Dゲームでもそこそこ動かすことができそうだ。ただし、最新のDirectX 11に対応した描画負荷が非常に高いゲームなどをプレイするには少し厳しい。どうしても試したいというのであれば、表示解像度や各種効果のレベルを下げる必要があるだろう。

CPU-Zの情報表示。CPUはモバイル向けのCore i7-740QMを搭載。クアッドコアを備え、Hyper-Threadingによって8スレッドの同時実行が可能だ。Turbo Boostに対応し、定格の1.73GHzから最大2.93GHzで動作する。3次キャッシュは6Mバイトだ
チップセットはIntel HM55 Expressを採用。PCI Expressのx16を1レーン持つが、内蔵GPUの接続に利用されており、外部GPUを後から装着するようなことはできない
メインメモリはDDR3-1333の2GバイトSO-DIMMモジュールを2枚装着し、計4Gバイトを搭載する。2基のスロットが空いた状態だ

電源ユニットは本体に内蔵せず、ACアダプタを用いる。ACアダプタは大型で、電源ケーブルも3ピンと太い
背面の小さなカバーを外すと、B-CASカードスロットが現れる。このカードスロットのカバーを開けると、4基のSO-DIMMスロットにアクセスできる
グラフィックスはモバイル用だが、NVIDIA 3D Vision対応のGeForce GTX 460M(グラフィックスメモリは1.5Gバイト)を搭載。DirectX 11やNVIDIA CUDA、動画再生支援などの機能にも対応する

1TバイトのHDDを内蔵。データ記録用にパーティションを分割した形で出荷される。「コンピューター」の画面からは見えないが、隠し属性でリカバリ領域が存在する

 HDDについては、コストパフォーマンスの高いデスクトップPC用の3.5インチドライブを採用し、容量は1Tバイトと余裕がある。ただし、全領域を利用できるわけではなく、OSのリカバリ領域が組み込まれている部分は利用できない。また、パーティションはOSがインストールされる領域とデータ用の領域に分割されて出荷される。当然ながらスリムな液晶一体型PCなので、これ以上本体にHDDは増設できない。増設が必要になった場合はUSBの外付けHDDかLAN(無線および有線)経由でNASを利用することになる。

 ほかにも、ASUSが有料のWebストレージサービス「ASUS WebStorageサービス」を提供しているので、データ領域の不足が心配ならば、それを利用することも可能だ。ET2400XVTの購入者は60日間無料で利用できるため、使い勝手を試してから有料での利用を続けるか判断するとよいだろう。

 光学ドライブはスリムタイプのトレイ式で、BD-ROM/DVDスーパーマルチドライブを採用する。

USB 3.0やHDMI入力、無線LANにBluetooth 3.0も搭載

 インタフェース類もなかなかの充実ぶりだ。本体の左側面には、SDHC対応SDメモリーカードスロット、2基のUSB 3.0ポート、ヘッドフォン出力、マイク入力の端子を搭載。右側面にはBD-ROM/DVDスーパーマルチドライブと電源ボタン、液晶ディスプレイの調整用ボタンを配置している。背面の右下にはDC入力、ギガビットLAN、HDMIとアナログRGBの映像入力、テレビアンテナ入力、4基のUSB 2.0ポートを備える。また、液晶ディスプレイの上部には130万画素のWebカメラを内蔵する。

光学ドライブや各種インタフェースは左右の側面と背面の下部に分けて配置されている。合計6基あるUSBポートは左側面の2ポートがUSB 3.0対応だ

 ここでの注目は、HDMIとアナログRGBの映像入力端子だろう。これらを搭載しているおかげで、ET2400XVTを外付けの23.6型フルHD液晶ディスプレイとして活用できる。ET2400XVTをテレビ代わりに使う際、家庭用のHD対応ゲーム機などもつないで遊べるというわけだ。単体の液晶ディスプレイと同じように、輝度やコントラスト、色味などの調整をOSDメニューで行えるのも気が利いている。

 USBについては、USB 3.0ポートをしっかり備えているのが好印象だが、USB 2.0ポートは標準状態で2ポートを専有(キーボード/マウスのレシーバーとリモコン受光ユニット)してしまうので、自由に使えるUSB 2.0ポートが2基になる点は注意が必要だ。これらはできれば、PC本体に内蔵してほしかった。個人的には、ExpressCardスロットが用意されていないのも少し残念だ。

 通信機能はギガビットLAN以外にもIEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 3.0+HSを搭載しており、満足できる。

 付属の日本語キーボードとホイール付きマウスはワイヤレス式(2.4GHz無線方式)で、いずれも単三形電池を利用する。キーボードはテンキーがなく、アイソレーションタイプのキーを並べた小型軽量のもので、離れた場所からヒザの上などで手軽に入力することが可能だ。

ワイヤレスのキーボードとマウスは付属のレシーバーを装着して利用する
未使用時には本体の下のスペースにキーボードを収納しておける

液晶一体型の省スペースボディに、できる限りの機能を詰め込んでいるのがデバイスマネージャを見ても分かる。CPUのCore i7-740QMは8コアとして認識されている。内蔵HDDはシーゲイトの7200rpmドライブ「ST31000528AS」だった。

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