失われたデータを求めて――HDDサルベージ探訪(前編):あきらめるのはまだ早い(2/2 ページ)

» 2011年02月16日 12時10分 公開
[後藤治,ITmedia]
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電話で初期診断――「問題なく直ると思います」

日本データテクノロジーの待合室

 データ復旧.comは、電話で「ホームページを見た」と告げるか、メールフォームで問い合わせをすると、通常3万円かかる初期診断が無料になる。つまり、電話診断から実際の機器を持ち込んで(郵送も可)、HDDの検品による診断と見積もりまでは費用がかからない。また、必要なデータが取り戻せなかった場合も無料だという。自分では手も足もでない今回の状況では、試しに診断してもらうだけでもデメリットは何もない。

 まずは、データ復旧.comの無料診断ダイヤルに電話をかけ、HDDの型番と大まかな症状を伝える。すると、実際に復旧できるかどうかの可否は検品後になるとしたうえで、「その症状ならほぼ問題なく直ると思います」という返事。ほー。さらに故障したHDDを直接持っていけば最短30分で診断結果を出せるとのこと。そこで直接HDDを持ち込むことにした。

 日本データテクノロジーのオフィスは、銀座(中央区銀座6-6-7)東京朝日ビルディングの3階にある。エントランスを抜けると大きなソファが待合室の中央を占め、そこかしこに観葉植物が置かれている。また、顧客との相談スペースとして薄いカーテンで覆われたガラス張りの個室が並び(人によってはHDDの中身を他人に聞かれたくない場合もあるからだろう。筆者にも心当たりはある)、そして行き交うスタッフはなぜか白衣を着ている。まるで病院のようだ。

 受付を済ませ、ソファに座って待つこと10分。診断に要する時間は最短30分ということだったが、ほとんど待たずに白衣のスタッフがやってきて、個室で診断結果を伝えてくれた。結果は「復旧可能」。しかも最短コースなら実際にかかる作業時間は数十分程度だという。筆者が手も足も出なかった故障を短時間の診断でいとも簡単に「復旧できる」と言い切ってしまうとは、さすがHDD復旧の専門企業である。費用を出すのが自分ではないため、その日は見積もりを受け取っていったん帰ったのだが、個室でスタッフが説明してくれた言葉が気になっていた。

「HDDの故障には大きく分けて物理障害と論理障害の2つがあるのですが、これ(Barracuda 7200.11)の故障は、まず疑うべき問題があるんですよ。そのため診断はすぐにできました。このモデルは持ち込まれることが非常に多いです」(同社)。

 つまり、シーゲイト製HDDに固有の問題があるということだろうか。どのHDDが壊れやすくどのHDDが壊れにくいといった、この業界では“常識”となっている「HDDのおもしろい話」が聞けるかもしれない。最初は親せきから“望まないお使い”を頼まれた一般客として日本データテクノロジーを訪れた筆者だったが、そこで改めて取材を申し込んでみた。


 銀座のオフィスに、米国大統領専用機の金属探知ゲートや、防じんルームがあると知ったら、あなたは驚くだろうか(後編に続く)。

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