私はAPUを愛しています!──拡大する“Fusion”と変わる“VISION”COMPUTEX TAIPEI 2011(1/2 ページ)

» 2011年06月01日 19時45分 公開
[長浜和也,ITmedia]

Zambezi世代のCPUは夏の終わりに登場する

 米AMD プロダクトグループジェネラルマネージャー 兼 上級副社長のリック・バーグマン氏は、COMPUTEX TAIPEI 2011に合わせて同社が5月31日に発表した「AMD 9 シリーズ」チップセットについて「AMDの8コアCPUにネイティブで対応する世界で初めてのチップセット」と述べ、AM3+のサポート、“次世代”Serial ATA 6Gbpsの対応、最大4GPUのCrossFireの構築などを特徴として紹介した。

 さらに、これからの予定として、AMD 9シリーズチップセット発表から30日後に有力なPCパーツベンダーのほとんどからAM3+対応マザーボードが登場し、さらに、60〜90日後の2011年夏“終わり”までに、“Zambezi”世代のCPUが登場するというスケジュールを示した。なお、説明資料にはZambezi世代のCPUで使われると思われるパッケージの姿も描かれている。

AMDのプロダクトグループジェネラルマネージャー 兼 上級副社長のリック・バーグマン氏(写真=左)。バーグマン氏が示した「Zambezi登場までのスケジュール」には、製品パッケージと思われるボックスも描かれている(写真=右)

「A」「E」「C」「Z」「G」と拡大するFusion APU

 バーグマン氏は、これから2012年までのAPU開発スケジュールについても明らかにした。2011年になって、初めて投入されたFusion APUとして、省電力ノートPC向けに“Bobcat”コアを採用した“Ontario”に続く今後登場予定のFusion APUとしては、さらなる省電力APUが求められるタブレットデバイス向けに“Desna”を用意して、これが2011年に登場する。

 2012年になると、省電力ノートPC向けもタブレットデバイス向けも新世代に更新され、Ontarioは“Krishna”に、Desnaは“Hondo”がそれぞれ予定されている。また、メインストリーム向けでは、2011年にまもなく投入されると“うわさ”の“Llano”に続いて、2012年には現在開発中の“Bulldozer”コアを採用するAPUとして“Trinity”が登場するという。

 説明会では、バークマン氏が32ナノメートルプロセスルールを採用する2012年登場予定のAPU「Trinity」のサンプルの姿を初めて公開している。

クライアントシステム向けプラットフォームのロードマップ(写真=左)。バークマン氏は2012年にメインストリーム向けとして投入する予定のBulldozerコア採用APU“Trinity”のサンプルを取り出した(写真=右)

Llanoは6月にAシリーズとして登場する

 バークマン氏は、Fusion APUのシリーズ展開についても触れ、軽量ノートPC向けの「Eシリーズ」と省電力ノートPC(Netbook)向けの「Cシリーズ」といったすでに登場しているラインアップに加えて、Cシリーズからさらに省電力となる「Zシリーズ」をタブレットデバイス向けに、さらに、組み込みシステム向けに「Gシリーズ」を用意するほか、デスクトップPCや汎用ノートPCといったメインストリームPC向けには「Aシリーズ」を展開することを明らかにした。

 米AMD クライアント部門コンピューティングソリューショングループジェネラルマネージャー 兼 上級副社長のチャールズ・コラン氏は、拡大するFusion APU各シリーズの概要を説明した。

 Aシリーズについては6月に登場する予定であることを明らかにし、DicrectX 11対応のグラフィックスコアとクアッドコアのCPU、ノースブリッジの機能が統合されたものになるとしている。

米AMD クライアント部門コンピューティングソリューショングループジェネラルマネージャー 兼 上級副社長のチャールズ・コラン氏(写真=左)。AシリーズとなるLlanoは6月に登場する予定だ(写真=右)

説明会では、Llano搭載システムでDirectX 11に対応する「DiRT3」の動作デモを行った

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