COMPUTEX TAIPEI 2011で注目の“イタモノ”は、「発表直後」または「未発表」のチップセットを搭載したマザーボードだ。「発表直後」ではAMD 9シリーズチップセットがCOMPUTEX TAIPEI 2011に合わせて発表されており、その搭載マザーボードが各ベンダーの展示ブースで公開されている。
また、すでにMSIやASUSの記事で紹介したように、“Sandy Bridge-E”に対応するという、“LGA 2011”(なお、MSIの展示ブースでは“socket 2011”という名称で紹介されている。MSIに確認したところ、“形状的にはLGAだが、今のところ社内ではsocket 2011と呼んでいる”とのことだ)をサポートする「Intel X79 Express」搭載マザーボードも多数公開されている。
同様に、未発表のチップセットとして注目されているのがAMDの「A75」だ。マザーボードベンダーの説明によると開発コード名は“Hudson-D3”という。対応するCPUソケットとしては「socket FM1」という名称が挙がっている。
COMPUTEX TAIPEI 2011に合わせて、AMDは台北市で説明会を行っている。そこで、Fusion APUの新しいモデル“Llano”が6月に登場する予定であることが公言されているが、そのLlanoとA75チップセットが対応するFM1との関係を示す公式資料はいまのところない。
このFM1に対応するA75チップセット搭載マザーボードも、COMPUTEX TAIPEI 2011の展示ブースで各マザーボードベンダーから公開されている。なかでも多数の展示モデルをそろえるのが「ASRock」だ。ASRockは、3月に行われたCeBIT 2011でも、当時未発表だった「AM3+」対応マザーボードを大量に展示していたが、COMPUTEX TAIPEI 2011でも、FM1対応マザーボードをいち早く大量動員できた。このあたり、ASRockの“嗅覚の鋭さ”を物語っているのかもしれない。
展示サンプルの説明には、FM1に対応するAMDの未発表CPUに関する記述もある。今回展示されているFM1対応マザーボードでサポートするのは“100ワット”までのCPUで、メモリは、DDR3をデュアルチャネルで接続する。CPUに統合されるグラフィックスコアの名称には、「Radeon HD 65XX」「Radeon HD 64XX」とあり、DirextX 11に対応するとしている。細かい型番までは明らかでないが、ディスクリートGPUでいうところの1万円台前後級の性能が予想できる。
グラフィックス関連では、「AMD Steady Video」のサポートという記述に注意したい。新しいビデオポストプロセッシングの機能で、オンライン配信を含めた動画コンテンツでジッタを自動的に軽減処理をするなど、GPUコンピューティングを利用する新しい機能が用意されると説明している。
また、マルチGPU技術では、最大4GPUまでのCrossFireXに対応するという説明とともに「Dual Graphics」という記述があった。これが、具体的にどのような構成でどのような挙動をするのか、マザーボードに組み込んだディスクリートGPUと(仮に搭載するとして)CPUに統合されるグラフィックスコアを連動させる機能なのかも含めて、ASRockのスタッフは明らかにしていない。
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