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» 2011年11月14日 17時00分 公開

“ビックE”登場!──6コアな新世代ハイエンドモデル「Core i7-3960X」を全力で走らせるイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

[石川ひさよし,ITmedia]

“ビックE”はLGA 2011でごつくなる

 自作PCユーザーにとって一番重要なのがソケット形状の変更だ。Core i7-900シリーズではLGA 1366が用いられてきたが、Core i7-3000シリーズから「LGA 2011」が採用された。チップセットもIntel X58 ExpressからIntel X79 Expressに移行する。

 Core i7-3000シリーズのCPUサイズは、Core i7-2000シリーズと比べれば十分に大きいCore i7-900シリーズのさらにひとまわりも大きい。底面形状は長方形で、これまで側面に2カ所あった切欠きが、4か所に増えている。マザーボード側のソケットもピンの数が増加し、サイズも大型化している。それに加えて、リテンションレバーが上下2本になったのも特徴だ。レバーを外すときは、正しい順番でなければ外れない。

 さらに、従来のソケットではクーラーユニットをプッシュピンで固定しており、その穴が4か所設けられていたが、LGA2011ではネジ穴へと変わっている。より確実に固定する、あるいは、マザーボードの反りを予防するといったメリットが考えられる一方、これまでのリテールクーラーでは不要だった工具(プラスドライバー)が必須になるので注意しよう。

Core i7-3960Xの表面と裏面。底面形状は長方形で、切欠きが4カ所に増えた(写真=左)。裏面では、コンタクトの数が増え、取り付け向きを決めるための空白スペースが上下の両端と左右、各コーナーに設けられた(写真=中央)。なお、Core i7-980Xと比較すると、ヒートスプレッダだけでCore i7-980Xと同じのサイズがあるくらいに大きい(写真=右)

LGA2011ソケットのレバーは上下に2本ある。片方は軸部分の端が曲っていて、もう片方をリリースしなければロックを解除できない(写真=左)。カバーを開くとコンタクトが露出する(写真=右)

トーンダウンしたSerial ATA 6Gbps

 Intel X79 Expressチップセットは、シングルチップ構成で、DX79SIの場合、従来サウスブリッジチップが搭載されていた位置に実装されている。Intel X58 Expressは、チップセットとCPUとの接続に25.6Gバイト/秒のQPIを用い、ノースブリッジとICH10Rとの接続に2Gバイト/秒のDMIを利用していた。Intel X79 Expressでは、チップセットとCPUの間が20Gバイト/秒のDMIで結ばれる。ちなみに、DMIの速度はIntel 6シリーズチップセットと同じで、ディスプレイ接続用のFDIがないというだけの違いだ。Intel X58 Expressと比べ帯域が減っているものの、Core i7-3000シリーズのCPUから40レーンのPCI Expressが利用できるため、例えば、SAS RAIDカードなどは、CPU側の拡張スロットに組み込めば帯域不足となるシチュエーションはそう多くないだろう。

 なお、Intel X79 Expressへの移行に合わせ、チップセットレベルでSerial ATA 3.0に対応することになった。Intel X58 Expressは長らく現役であったチップセットだったが、それだけに最新トレンドに対しては追加の専用コントローラーで対応するしかなく、このため、使うレーンがPCI Express x1だったりするとSerial ATA 3.0の性能を出しきれないという状況に陥っていたが、これが解消されることになる。

Intel X79 Expressチップセットを搭載するインテルのマザーボード「DX79SI」。デザインガイドでは4DIMMとのことだが、Intel純正にもかかわらず8DIMM構成だ(写真=左)。3基あるPCI Express x16対応スロットは、上から16レーンと16レーン、8レーン対応となる。この3スロットはGen.3対応で、そのほかのPCI Express x1対応スロットなどはIntel X79 Expressで制御するGen.2対応スロットだ。なお、GPUを統合しないLGA2011 CPU用チップセットなので、バックパネルにディスプレイ出力は搭載しない(写真=中央)。そのほか、電源ボタン、リセットボタン、POSTインジケータなどをオンボードに備え、USB 3.0対応のピンヘッダも用意する(写真=右)

Intel X79 Expressチップセットは1チップ構成だ。多くの機能がCPUに統合されたため、その機能はIntel 6シリーズチップセットと同等といえる。Intel X79 ExpressはSerial ATA 6Gbpsに対応した。DX79SIに実装した青いコネクタがSerial ATA 6Gbps対応になる。なお、“SATA 6-9”とシルクに書かれたパターンは追加用とみられる

Intel X79 Express(写真=左)とIntel X58 Express(写真=中央)、Intel Z68 Express(写真=右)でチップセットの構成を比べる。Intel X58 ExpressからIntel X79 Expressでワンチップ化され、合わせてバスの帯域やPCI Expressのレーン数も変更した。Intel Z68 Expressと比較すると、Intel SRTが利用できないほかは多くの共通点がある

別売りでインテルが“用意”する水冷ユニット

 今回登場するCore i7-3000シリーズのTDPは130ワットで、Core i7-900シリーズのハイエンドモデルと同じだ。ただし、より注目したいのはアイドル時の消費電力だ。Core i7-900シリーズでは、アイドル時の消費電力もかなり高かったが、Core i7-3000シリーズではSandy Bridgeアーキテクチャを採用したことで、Core i7-2000シリーズが見せたような低消費電力を示してくれるか注目するユーザーも多い。

 なお、今回登場するCore i7-3000シリーズは、クーラーユニットが付属しないCPU単体での販売となる。その代わり、別売りのインテル純正クーラーユニットとして水冷と空冷の2製品がラインアップされている。今回の評価機材に付属したのは水冷ユニットの「RTS2011LC」だった。AMD FX-8150でもAMD純正水冷ユニットが発表されたが、AMDがバンドルであるのに対し、インテルは別売りになる。また、AMDのクーラーユニットがデュアルファンであるのに対し、インテルはシングルファンになる。インテルのクーラーユニットはUSB接続によるコントロール機能などもなく、そういう意味ではシンプルな構成といえる。

RTS2011LCの付属品(写真=左)と、LGA 2011への取付けで必要な構成(写真=右)。製品自体はLGA 1366やLGA 1156、LGA 1155にも取付け可能だ。また、付属のファンは1基で800〜2200rpmという。ただし、ファンユニットは交換可能で、デュアルファン構成にもできる

 固定はソケット側のネジ穴をそのまま利用するので簡単だ。これまでのネジ式クーラーユニットのように、マザーボードの裏からバックプレートを取り付ける手間もない。なぜもっと早くネジ式ソケットを採用しなかったのかと思うほどだ。一方、空冷ユニットの製品名は「RTS2011AC」で、従来までのLGA 1366用リテールクーラーユニットをネジ式に変更したような外観だ。

 インテルは、空冷のRTS2011ACでも十分冷えるが、RTS2011LCならもっと冷える、と説明する。ただ、CPUクーラーユニットが別売になったことで、サードパーティ製のCPUクーラーユニットの市場が活性化する可能性もある。

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