ThinkPad Tablet キーボード・フォリオ・ケースは“幸せな打ち心地”かやっぱりThinkPadのキーボードだ(3/3 ページ)

» 2011年12月06日 12時30分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]
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入力はiWnnが必須になる

 キーのレイアウトは、記号キーなどはJIS配列に準拠し(@はShiftキーと数字の2ではなく、左括弧はShift+数字の8、など)、日本語入力関連のキーも、変換や無変換はないものの、半角/全角キーとAltキーとのコンビネーションで漢字が有効になるように“刻印”している。

 キーボードケースを使った日本語入力は、ThinkPad Tabletで標準導入のiWnnが前提となる。Androidが標準で用意する機能(Googleの検索)やアプリ(Gmailなど)では、テキストを入力する項目にカーソルがきたところで、日本語入力が有効になる。PCでは、「Altキー+漢字キー」で日本語入力ソフトを有効にするが、ThinkPad Tabletとキーボードケースの組み合わせでは機能せず、和文と英文の切り替えのみ可能となっている。

 なお、ThinkPad Tabletには、標準でオフィスアプリの「Docs To Go」が導入されているが、このアプリでは日本語入力ソフトが有効にならない。レノボ・ジャパンでは、この症状は不具合で、今後予定している(ただし、時期は未定)アップデートで修正すると説明している。

 ThinkPad Tabletとキーボードケースの組み合わせでは、文字入力に使う日本語入力アプリをiWnnに限定している。評価作業では、ATOKを導入してキーボードから入力してみたが、ATOKそのものは動作するもの、キーの割り当てが英語キーボードで用いるASCII配列になってしまうため、例えば、“@”は“2”のShiftで入力することになる。左括弧と右括弧も、キートップの刻印では、それぞれ“8”のShiftと“9”のShiftになるが、これも、それぞれ“9”のShiftと“0”のShiftで打つ。これ以外にも記号関係で配列が変わっているので、ASCII配列とJIS配列の違いが分かるユーザーでないと、困惑する場面が多かろうと思う。

テキストエディタのショートカットは使えるか

 ハードウェアのキーボードを用意するユーザーは、その多くがThinkPad Tabletで文章入力を行いたいと考えるだろう。ただ、ThinkPad Tabletには文章作成用のアプリが用意されていない(先ほど述べたように、現状でDocs To Goは不具合があって日本語が入力できない)ので、自分でテキストエディタを導入することになる。となると、せっかくハードウェアキーボードがあるから、Ctrl(Android用テキストエディタではMenuボタンとの組み合わせも多い)などと組み合わせたショートカットキーが使えるテキストエディタを使ってみたい。

 評価作業では、「gEditor」でショートカットキーの挙動を確かめてみたが、日本語入力アプリにiWnnを選択している状態では、Ctrlキー(AndroidではMenuキーとして認識されている)との組み合わせだけでなく、ほかにもMenuキーとして利用できる右Altキー、右クリックボタンなどの組み合わせでもショートカットは有効にならなかった。一方、ATOKを有効にした状態では、Ctrlキーとの組み合わせは有効にならないものの、右Altキー、もしくは、サブクリックボタンとの組み合わせでショートカットが有効になった。

本体は樹脂製のホルダーに固定する。下には角度調整用のスリットが見える(写真=左)。このキーボードユニットのスリットで本体の角度を3段階で調整できる(写真=右)

ThinkPad Tabletで文章を作成したいなら必須ケース

 ThinkPad Tabletのキーボードケースは、“打ち心地”という視点では、キーのサイズも打った感触も長時間の打鍵に耐えられる。不安の声が多い光学式のポインティングデバイスも、タッチパネルを操作するかのように扱えるので、Androidの操作では意外と使いやすい。そして、キーボードにはAndroidで必要となる機能キーを用意したこともあって、操作のほとんどはキーボードから手を離すことなくできる。

 本体を収容したまま持ち運べるクラムシェルの形状は、取り出して使うまですばやく、かつ、“気軽”にしてくれる。その気軽さは、別々に持ち歩いて使うたびに取り付ける外付けキーボードや、複雑なギミックを用いた“飛び出すキーボード”と比べて圧倒的だ。

 その一方で、本体を収容した状態で1.5キロを超える重さは、“ThinkPad”を掲げるために求められる耐久性を確保するためとはいえ、軽量というAndroidタブレットデバイスの利点を失わせ、使うときの底面積は特に奥行きで思っているほどに広い。また、使える日本語入力アプリがiWnn限定となっていて、ATOKを導入した場合は入力されるキーが刻印と一致しない状況が起きる。

 バッテリー駆動時間を優先して、ノートPCではなく、ThinkPad Tabletを移動時のメインマシンとして利用するユーザーが、文章入力作業を主な目的とする場合、このキーボードケースは必須のオプションとなる。ただし、その場合、文章入力の効率に影響する日本語入力アプリがiWnnにほぼ限定されることをユーザーは受け入れなければならないだろう。

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このキーボード・フォリオ・ケースを利用することでemailやその他のアプリケーションをより速くキーボード処理で行うことができ、ThinkPad Tabletを最大限活用することができます。価格は8211円(税込/12月6日現在)


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