今度は“教科書を再発明”――Apple、「iBooks 2」「iBooks Author」「iTunes U」アプリ発表電子書籍作成ツールまで無料

» 2012年01月20日 04時45分 公開
[ITmedia]

教育市場に注力するApple

 Appleは1月19日(現地時間)、ニューヨークで報道関係者向けの発表会を行った。発表されたのは、iOS用の電子書籍購読アプリ「iBooks 2」、Mac用の電子書籍作成アプリ「iBooks Author」、そして世界中の大学の授業などを受講できる「iTunes U」のiOSアプリだ。同社ワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長であるフィル・シラー氏はこれを「教科書の再発明」と意気込む。

 これらのアプリは発表と同時に公開され、iBooks 2とiTunes UはApp Storeから、iBooks AuthorはMac App Storeから、それぞれ無料でダウンロードできる。

左から、iBooks 2、iBooks Author、iTunes Uのアイコン

 iBooks 2は、電子書籍の購入および閲覧を行うiOSアプリ。新たに、iPad用にデザインされたマルチタッチ対応のテキストブック(電子教科書)をサポートした。動画や3Dオブジェクト、写真、図版を埋め込んだインタラクティブな電子教科書を購読できる。指で文章をスワイプすることで、選択範囲を蛍光ペンのようにハイライト表示したり、学習カード機能を活用し、重要事項のハイライト、メモ、用語集の内容を覚えることが可能だ。

 電子教科書はiBookstoreで取り扱い、McGraw-HillおよびPearsonの代数幾何、生物、化学、物理といった教科書を14.99ドル以下で販売する(現時点で米国のみ対応)。また、Houghton Mifflin Harcourtの電子教科書も準備中という。

インタラクティブな電子教科書の購読に対応したiBooks 2

 iBooks Authorは、iBooksで閲覧する電子書籍を作成できるMac OS X用アプリ(10.7.2以降に対応)。さまざまなテンプレートを搭載し、ドラッグ&ドロップ操作で直感的にテキストとイメージを追加できる。動画や3Dオブジェクト、Keynoteのプレゼンテーションなどを含めたインタラクティブな電子書籍を作成することが可能だ。JavaScriptとHTML5によるカスタマイズに対応し、同アプリからiBookstoreへの公開も行える。

KeynoteやPagesのようなユーザーインタフェースを採用し、直感的な操作で電子書籍が作成できるiBooks Author

 iTunes Uアプリは、これまでiTunesの一部として提供されてきたiTunes UサービスのiOSアプリ。世界中の大学や学校の講師による無料講座を受講したり、スタンフォード、エール、MIT、オックスフォード、カリフォルニア大学バークレー校、MoMA、ニューヨーク公共図書館、アメリカ議会図書館など、26カ国の教育機関や文化機関のコレクションをブラウズできる。講師がこのアプリを通じて、ストリーミングや課題の配信などを行うことも可能だ。

 iBooksで取ったメモやハイライトしたテキストをiTunes Uアプリで一覧表示して復習したり、動画や音声、講座教材などにアクセスすることもできる。

さまざまな無料講座の受講、課題の確認や復習が行えるiTunes Uアプリ

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