世界最安タブレット「Aakash」の謎をムンバイで探る!山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2012年02月03日 10時30分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

世界を驚かせた“35ドルタブレット”をインドで探す

DataWindのWebページで紹介されているAakash。2月分は完売、という

 話によれば、「Aakash」とは、インド政府の命により、カナダのDataWindとインド工科大学が共同で開発したAndroid 2.3を導入するタブレットデバイスだという。CPUに動作クロックが366MHzのARM(Cortex A8)を搭載し、システムメモリは256Mバイト、内蔵するデータストレージは2Gバイト。ディスプレイサイズは7型ワイドで解像度は800×480ドットになる。本体には、USB 2.0、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、SIMカードスロット(GPRSに対応)を用意し、無線接続では、IEEE 802.11a/b/g準拠の無線LANとGPRS(2G)対応SIMカードスロットを用意する。購入するためには専用のWebページからのオンライン予約が必要で、現在生産が追いつかず納品まで2週間以上かかる“らしい”。

 このタブレットデバイスの存在が公表された当時は、「低所得層向けのデジタルガジェットをインド政府が激安で提供」と世界中から注目されたが、中国の商品取引サイト「アリババ」(中文版)でAndroidを採用するタブレットデバイスを検索して価格順にソートしてみると、日本円にして4000円弱の製品をまとめ買いできる。Aakashも発表当時こそインターネットに接続できる世界最安のタブレットデバイスだったが、中国商人の努力はすさまじく、いつのまにかAakashの実売価格に並んでしまった。

 そのAakashは、なんでも、インドで“幻のタレットデバイス”とうわさされているという。インド国民のITリテラシーを向上させ技術立国インドを実現する国家施策で登場したAakashが、そのインドで“幻”というのはどういうことか。ともかく現場に行ってみなければ分からないと、インド最大の商都「ムンバイ」へ向かった

だって、オンラインで購入できないんだもん

ムンバイの街と町を結ぶ近郊電車はドアを開けて外気を車内に入れる

 え?なんでわざわざムンバイに行ったのかと。オンラインで予約して購入すれば済むのではないかと? 甘い! 甘いなー、それは。といいつつ、白状すれば“インドまで行かなくても楽に入手できるでしょう”と、事前にインド最大のオンラインショッピングサイト(でもまだまだニッチ)「eBay India」をチェックしている。そこで、2500ルピーで出品している「Aakash」を発見、すぐに入札ボタンを押してオークションに参加したものの、すぐに3000ルピー、5000ルピーと入札価格が上がっていき、オークション終了直前には10万ルピー(日本円にして約16万円! )を超え、最終的に20万ルピー(日本円にして、約32万円!! )を記録した。負けん気の強いマハラジャに持って行かれたのだろうか。これでは落札できるわけがない。

 そういう、狂乱のオークションによる学習から、“Aakashは直接購入するに限る”とムンバイの街を訪れた。ムンバイは南北に長い都市で、移動は「3〜5分おき」「12両編成」「普通と快速の複々線」の通勤用電車を利用する。その風景は日本の大都市近郊を結ぶ私鉄でみられた昭和の風景に通じるものがある(ただし、駅の間隔は大都市近郊の私鉄というよりはJRの地方路線に近い。そのため、駅から目的地まではバスやインド特有の乗り物“リクシャー”で移動する)。車両にはエアコンがなくドア(窓でない!)を開けて風を車内に入れているのが、日本と違うところか。

 乗客の4分の1〜5分の1くらいが携帯電話を操り、見える範囲で2〜3人がスマートフォンを操り、2〜3回の乗車に1人の割合でタブレットデバイスを操るユーザーを目撃する。

 ノートPCを操るユーザーは車内で見ないが、高級なレストランから駅前の大衆食堂(どちらもカレーを提供することには変わりない)で、ノートPCを使うビジネスマンをたまにみかける。ムンバイでは、市内のスーパーマーケットに入るときに万引き防止のためカバンを預けなくてはならないが、ノートPCが入っている場合は、保安員が「ノートPCがあるならカバンは持って店内に入って」と例外扱いにしてくれる。

通勤電車の中では、携帯電話で話をしたり(写真=左)、タブレットデバイスでSNSにアクセスしたり(写真=右)

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