さすがカン&クリ! ブッ飛んでるね!──「GeForce GTX 680」で“Keplerの主張”を確かめるイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2012年03月22日 22時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

4画面同時出力が1枚のグラフィックスカードで可能に

 グラフィックスメモリは、Fermi世代のハイエンドGPUから引き続きGDDR5を利用しているが、転送レートが6Gbps相当と高速なチップを必要としている。評価に用いたリファレンスデザインのグラフィックスカードで搭載していたのは、Hynixの「H5GQ2H24MFR-R0C」だったが、その仕様を見ると、6Gbpsが上限のようで、リファレンスデザインのグラフィックスカードにおけるグラフィックスメモリのオーバークロックマージンはあまりありそうにない。

 グラフィックスメモリのバス幅は256ビットで、GeForce GTX 580の384ビットから減少しているが、転送レートを引き上げたことで、帯域幅は192.26Gバイト/秒と、192.4Gバイト/秒だったGeForce GTX 580からほとんど変わっていない。グラフィックスメモリ容量は2Gバイトに増えている。GeForce GTX 580では3Gバイトを実装するたモデルも登場しているが、GeForce GTX 680のリファレンスデザイングラフィックスカードの場合、当初より2Gビット容量のGDDR5を使用している。もし倍容量のモデルが出るとしたら6Gbps以上で4Gビットチップの登場を待たなければならない。

 電源周りも変更が加えられた部分だ。GeForce GTX 680のTDPは、195ワットとGeForce GTX 580より約50ワット低く設定している。GeForceシリーズの最上位モデルで200ワットを下回ったことに自作PCユーザーは注目すべきだろう。外部補助電源コネクタもGeForce GTX 580で8ピン+6ピンの構成だったが、GeForce GTX 680は6ピン×2基で済むようになった。

GeForce GTX 680はチップのサイズがGeForce GTX 580よりひと回り小さい(写真=左)。また、電源回路をカード下側に1列に配置して、外部補助電源コネクタを2段に重ねたことで(写真=中央)、グラフィックスカードのサイズもやや小さくなっている(写真=右)。

リファレンスデザインで搭載するクーラーユニットの形状は、GeForce GTX 580のリファレンスデザインと似ている。ただし、エアフローの出口付近でヒートシンクを斜めにカットしてあり、通風性能を向上させるなど、改善を施した部分もある

 GeForce GTX 680搭載グラフィックスカードのリファレンスデザインで用意する映像出力インタフェースは、DisplayPort(1.2)、HDMI(1.4a)、デュアルリンク対応DVI2基の4系統となった。GeForceシリーズのシングルGPUのリファレンスデザインでは、初めて単体構成でも4画面までのマルチディスプレイ出力に対応する。さらに、3画面の立体視ディスプレイ出力が可能な「3D Vision Surround」も、1枚のグラフィックスカードで対応するようになった。

 そのほか、V-Sync設定において、負荷に応じてV-Syncの有効と無効を自動で制御することで、StutterやTearingを防ぐ「Adaptive V-Sync」や、スムーズな画質を低負荷で実現する「TXAA」(TXAAに関してはFermi世代のGPUでもサポートする予定)、GPUに統合されたハードウェアエンコーダ「NVENC」など、数多くの新しい機能を導入した。

リファレンスデザインの映像出力インタフェースにDisplayPortを追加した(写真=左)。さらに、すべてのインタフェースを用いて単体構成でも4画面出力が可能になった。SLI用コネクタは2基を用意するので、3-way SLIにも対応する(写真=右)

確かに3D描画性能は大幅に向上した

 ベンチマークテストは、AMDの新世代GPUで“Graphics Core Next”を導入するRadeon HD 7970と、NVIDIAのFermi世代GPUの最上位モデル「GeForce GTX 580」との比較で評価する。ただし、どちらもオーバークロックモデルだ。評価用のシステム構成は、CPUのボトルネックを最小にとどめるため、Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)とIntel X79 Expressチップセット搭載マザーボードを基幹として用意した。

評価用システム構成
GPU GeForce GTX 680 GeForce GTX 580 Radeon HD 7970
グラフィックスカード リファレンスデザイン ASUS ENGTX580 DCII/2DIS/1536MD5 GIGABYTE GV-R797OC-3GD
CPU Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)
マザーボード Intel DX79SI
チップセット Intel X79 Express
メモリ Corsair Memory CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1600 4GB×4枚)
HDD/SSD(1) PLDS Plextor SSD PX-128M2P 128GB
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー