イー・アクセスのLTEサービス「EMOBILE LTE」は、下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsで通信できる3.9世代のデータ通信サービスだ。最大通信速度は競合する新世代通信サービスと同等クラスの75Mbpsで、LTEエリア外でも最大42M/21MbpsのEMOBILE G4サービス(3GのDC-HSDPAないしHSPA+)を利用できる。
先日、EMOBILE LTE対応ポータブルルータ「Pocket WiFi LTE(GL01P)」を主軸とした機器に関する検証を行ったが、今回はニフティのLTEサービス「@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン」を用い、LTEでの実通信速度や利用料金考察を行おう。ちなみに@nifty EMOBILE LTE定額にねんプランは、イー・アクセスのLTEネットワークを利用したMVNOサービスである。サービスエリアや最大速度などはEMOBILE LTEと同じだ。
では早速実速度を計測しよう。
今回は@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン契約のGL01Pを用い、早朝から夜間にかけて1日移動しつつ、異なる東京都心エリアにおける場所・時間帯で、さらにGL01Pの設定を変更することで、EMOBILE LTEエリアとEMOBILE G4エリア(3Gエリア)の両方で実通信速度を計測した。
まず、今回計測した場所・時間帯においては速度が非常に安定していたのが印象的だ。計測場所はすべて下り最大37.5Mbpsのエリアと思うが、下りはほぼ10Mbps以上、上りもおおむね5Mbps前後をキープしているのは立派といえる。もちろん、利用者が少ない分だけ早朝が高速な傾向はもちろんあるが、日中の都心部駅前や夜間の住宅地でも目立って速度が低下したわけではない。こちらはマンションタイプの光ファイバーインターネット網の速度計測結果──と言われてもおかしくないレベルの良好な値である。
一方のEMOBILE G4(3G)も、下り速度がLTEに匹敵することがたまにあるほど“おぉ、かなり出るね”と思える値だった。場所、時間帯でのバラツキは比較的大きめだが、それでも下り速度が5Mbpsを割ったのは1度だけと、こちらもかなり満足のいく結果だ。上り速度はさすがにLTE比で大差がついたものの、それでも0.6Mbps前後は安定して維持しており、下り通信が中心の一般的なインターネット利用であればほぼ不便は感じない。このくらい実通信速度が常に出るのなら、EMOBILE LTEエリアとEMOBILE G4エリアをまたいで利用するユーザーも違和感は少なそうだ。
次は、最近はすべてキャリアにおいてキビシイと言われることがある東京都・JR品川駅で計測しよう。ここではNTTドコモのXi対応ポータブルルータ「L-09C」も取り出して、同条件で計測する。
ちなみに同駅構内はホーム上でも電波状態がけっこう異なる。今回はJR山手線ホームの中央と北側付近、そのとなりにあるJR京浜東北線ホーム北側付近の3カ所において、トラフィックの影響をあえて加味するため“ホームに列車が停車中”のタイミングで、スマートフォンアプリ「SPEEDTEST.NET」(那覇サーバ)で計測した。計測時間は通勤利用者が増える平日18時前後となる。
@nifty EMOBILE LTEは3カ所とも問題なくLTEでの接続が可能で、下りは最高で12.57Mbps、最低でも3.98Mbps、平均8.38Mbpsとなかなか上々。上りも平均で6.45Mbpsと下り速度に近い結果を残した。なお、山手線ホームの北側と京浜東北線ホームの北側は直線距離で20メートルも離れていないはずだが、少し場所が違うだけで上り/下りともに明確な速度差があった点も興味深い。
一方のXiは、残念ながら3カ所ともLTEではなく、3G(FOMA)での接続になった。品川駅の場合、橋上の駅舎に上がるとLTEでの接続が可能だが、それを監視しながらホームへ降りていくと3G接続に切り替わる(2012年4月末時点)。もちろん計測場所ではルータの電源を入れ直してもみたが、やはりLTEでの接続にはならなかった。結果的に下りは平均2.54Mbps、上りは平均0.94Mbpsとなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.