大解説! Triniryに搭載した“Piledriver”と新技術:Trinity=Bulldozer+Northern Islands(3/3 ページ)

» 2012年05月15日 13時01分 公開
[本間文,ITmedia]
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HSA的に見てもTriniryはエポックメーキング的存在

 AMDは、APU開発においてパワーマネジメント技術も重要な要素と位置づけている。Trinityにおいても、電圧や消費電力の管理に加え、きめ細やかな温度管理を組み合わせて、TDP(Thermal Design Power)に余裕がある場合、CPUコアやグラフィックスコアの負荷に応じて、各コアの動作限界温度までオーバークロック動作を可能にすることで、最大限のパフォーマンスを引き出せるようにしている。AMDの上級副社長 兼 新CTOに就任したマーク・ぺーパーマスター氏は、「今後もより優れたパワーマネジメント技術の開発を継続することで、消費電力あたりのパフォーマンスを向上させ続ける」と語る。

Trinityと今後のAPU開発について語るマーク・ペーパーマスター氏(写真=左)。AMDのパワーマネジメント技術ロードマップ(写真=中央)。Trinityでパワーマネジメント技術に組み込んだ温度管理技術。各コアの温度を監視し、負荷に応じて各コアを最大限オーバークロックできるようにする(写真=右)

Trinityとインテルの第2世代Coreプロセッサー・ファミリー搭載ノートPCを使ったバッテリー駆動時間の比較では、Unigen Heaven Benchmarkを数時間走らせ続けてバッテリーの消耗具合を示し、Trinityの優れた省電力性能をアピールした

 ペーパーマスター氏は、Trinityを同社が推進するHeterogeneous System Architecture(HSA)の確立において重要な役割を果たす存在と位置づけている。同氏は「Trinityは、HSAメモリ・マネージメント・ユニットを搭載した最初のAPU」とし、仮想メモリなどのサポートにより、GPUとCPUがより密接にデータの共有ができるようになると説明する。

 同社が“Unified North Bridge”(UNB)と呼ぶTrinityに統合されたノースブリッジ機能は、グラフィックスコアのメモリコントローラが直接メモリにアクセスするときに、リンクコントローラがCPUのメモリアクセスとの調停を行なうことで、GPUがDDR3メモリのフル帯域を利用できるようにしている。また、UNBに内蔵したリンクコントローラとグラフィックスコアを128ビット幅のFusion Control Linkで結び、GPUがCPUのコヒーレントメモリ領域にアクセスしたり、CPUがGPUのフレームバッファ領域にアクセスすることも可能にするなど、HSA対応でも重要な役割を果たすとされる。

 なお、HSAの詳細については、6月11日から米ワシントン州ベルビュー市で行う「Fusion Developers Summit 2012」で公開する見通しだ。

Unified North Brdigeのブロックダイヤグラム。グラフィックスメモリコントローラから直接メモリアクセスできるようになった(写真=左)。Trinityでは、仮想メモリのサポートなどにより、CPUとグラフィックスコアがより密に連係できるようになる。このため、AMDはTrinityをHSAに対応した最初のAPUと位置づける(写真=中央、右)

デスクトップ向けTriniryは、新しいマザーボードが必要か?

 今回登場しないデスクトップPC向けTrinityの投入時期だが、マザーボードベンダー関係者によれば「6月以降になる」というのみで、具体的なスケジュールは確定していないようだ。

 しかし、AMDはデスクトップPC版Trinityの最上位モデルとされる「AMD A10-5800K」のパフォーマンスを公開しているほか、一部の関係者に向けた非公開の説明会では、ライブデモも紹介したという。ここで用いたGIGABYTEのマザーボードには「GA-A85X-D3H」という型番が記されており、モバイルプラットフォームとは異なり、デスクトップPC向けにはAMD A75 FCHの上位となるチップセットを用意する可能性もある。

 また、マザーボードベンダー関係者は、「TrinityのCPUソケットは604ピンのSocket FM2となり、現行のSocket FM1(905ピン)とは互換性がない」と伝えている。以上の“観測的”情報などデスクトップPC版Trinityに関するより詳細な情報は、COMPUTEX TAIPEI 2012で明らかになる見通しだ。

AMDが示したデスクトップPC版Trinity「AMD A10-5800K」のパフォーマンス(写真=左)。AMD A10-5800KとRadeon HD 6570の組み合わせによるDual Graphics環境のパフォーマンス。最大89パーセントの性能向上を果たすとされる。なお、このAPUと組み合わせ可能なグラフィックスカードはVLIW5アーキテクチャを採用するRadeon HD 7600、同 7500シリーズなどとなる(写真=右)

非公開で行ったデスクトップPC版Trinityのライブデモマシン(写真=左)。マザーボードにはGIGABYTEの「GA-A85X-D3H」を組み込んでいた(写真=右)

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