先週は、目新しい特徴を備えたインテル製マザーの新製品が目立っていた。メインストリームで注目を集めそうなのが、Z77チップセット搭載のATXモデル「DZ77RE-75K」だ。背面にThunderbolt端子を1基備えているのが特徴。そのほか、最大32Gバイトまで搭載できる4基のDDR3スロットや2基のPCI Express x16スロットを備え、デュアルギガビットLANやIEEE1394a、PCI Express x4スロットなども備えている。価格は3万円前後で、同社のIvy Bridge世代のマザーボードでは最も高価なモデルだ(関連レビュー:「DZ77RE-75K」で、Visual BIOSとThunderboltを使ってみた)。
Thunderboltはインテルとアップルが共同開発したインタフェースで、ディスプレイや周辺機器などを数珠つなぎ(デイジーチェーン)で接続できる。現行世代で転送速度は最大10Gbpsに達し、バスパワーは10ワットに及ぶ。最大転送速度が5GbpsのUSB 3.0や、6GbpsのSATA 3.0よりも高速ながら、まだWindows向けの対応機器はなく、Mac向けにいくつか登場している段階だ。
外部機器と高速に連携できるインタフェースということで、以前から注目している人は少なくなかったという。フェイス秋葉原本店は「何となく気にかけていた人はかなりいると思います。ようやく対応マザーが登場したということで、『おおっ』という反応が多いのでは」と語る。
ただし、売れ行きに直結するかは微妙な様子だ。某ショップは「長い目でThunderboltに期待している人は多いと思いますが、現時点では周辺機器がほとんどないですから。急いでマザーを載せ替えて、対応機器の登場を待つという人はそんなにいないんじゃないかなと思います。まあ、意義は大きなマザーだとは思いますけどね」と話していた。
一方、ビジネス向けの新チップセット「Q77」を搭載したマザーボードも複数登場している。Thin Mini-ITX規格に準拠した「DQ77KB」と、micro ATXサイズの「DQ77MK」で、価格はどちらも1万3000円から1万5000円の間となる。Q77はすでに出回っている「B75」の上位モデルで、SATA 3.0ポートが倍の2基になり、SSDをHDDのキャッシュに使う「Intel SRT」を正式サポートしているといった違いがある。
PC DIY SHOP FreeTは「ビジネス向けながら構成の幅が広がるので、狙っている人もいると思います。特にThin Mini-ITXサイズのDQ77KBなら、スリムでサクサク動くコンパクトマシンが作りやすいので、どれだけ売れるか注目したいですね」と新チップセットに期待を寄せていた。
そのほかにも、低価格なATXサイズのZ77マザー「DZ77SL-50K」(1万2000円前後)や、X79マザーの上位モデル「DX79SR」(3万2000円弱)など、多彩なラインアップが登場しており、ショップからは「インテルさん、急に幅を広げてきましたね。COMPUTEX TAIPEI前は話題性のあるモデルが出にくいので、今回のタイミングはうれしいです」といった歓迎のコメントが聞かれた。
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