MSIでは、マザーボードのサブブランドとして、ハイエンドの“Big-Bang”シリーズを展開しているが、COMPUTEX TAIPEI 2012では、新しいマザーボードのサブブランドとして“MPower”シリーズのマザーボードを公開した。MPowerシリーズは、Big-Bangシリーズより下位にあたるブランドとして展開する予定で、汎用マザーボードの“GD”シリーズより上という位置づけになる。Big-Bangと同様に、MPowerもオーバークロック耐性を重視しており、工場出荷時にオーバークロック設定において24時間連続安定動作の試験を行い、オーバークロックテストでは、CPUの4GHz超え動作を確認、そして、大型になりがちな水冷ユニットが搭載できるように、CPUソケットの周辺にスペースを設けるようにしていると、MSIは説明する。
COMPUTEX TAIPEI 2012の展示ブースでは、Intel X79 ExpressチップセットとLGA 2011を実装する「X79 MPower」と、Intel Z77 Express チップセットとLGA 1155と実装して“Ivy Bridge”世代のCPUに対応する「Z77 MPower」を展示していた。どちらのモデルも、無線接続で利用するBloetooth 4.0対応USBモジュールと、IEEE 802.11 b/g/n対応USBモジュールを用意する。MSIのスタッフによると、デスクトップPCでも無線LANやBluetoothといった無線接続を求めるユーザーが増えていて、ほかのマザーボードベンダーも対応する製品を投入している状況で、MSIもこの訴求を重視していると述べる。また、ヒートシンクデザインは、Lightningシリーズとそろえるなど、「見て楽しむ要素」も配慮したという。
X79M MPowerは、メモリスロットを8基搭載して、DDR3を独自オーバークロックによって2400MHzまで設定可能だ。最大容量としては128Gバイトまで載せることができる。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16対応が3基とPCI Express 2.0 x16対応が1基で、マルチGPUでは、4-wayのSLIと4-wayのCrossFireXが構築できる。USB 3.0は6基、そして、Serial ATA 6Gbpsも6基まで接続可能だ。MSIの品質基準である「Military Class III」にも準拠する。
Z77 MPowerは、メモリスロットを4基搭載して、DDR3を独自オーバークロックで最大2800MHzまで設定可能だ。最大容量は32Gバイトとなる。電源回路は16フェーズ構成で、外部補助電源用として、CPU用の8ピンとGPU用の6ピンを用意する。なお、拡張スロットのうち、グラフィックスカードに使えるPCI Express x16対応は3基で、マルチGPUでは、2-way SLI、または、3-way CrossfireXが構築できる。
なお、Intel Z77 Expressチップセットマザーボードでは、Mini-ITXフォームファクタモデルの「Z77IA-E53」も展示していた。メモリスロットは2基を備えて、独自オーバークロックでDDR3を最大2800MHzで設定可能、最大容量は16Gバイトとなる。拡張スロットにPCI Express 3.0 x16対応を1基搭載するほか、4基のUSB 3.0と2基のSerial ATA 6Gbpsが利用できる。また、USB接続の無線LANモジュールとBluetooth 4.0モジュールも用意する。映像出力インタフェースでは、アナログRGBとHDMIを備える。
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