3DMark Vantageでは、GT1、GT2、CPU1、CPU2の4項目すべてでCore i5-2500Kに統合するIntel HD Graphics 3000をIntel HD Graphics 2500が上回っている。しかし、Feature Testでは、FT1において比較的大きな差で下回った。FT1は、Texture fill rateを測定するベンチマークテストで、グラフィックスコアとメモリの間におけるデータ転送負荷が大きい。ただ、そういうことならば、DDR3-1600に対応するCore i5-3470が有利だが、それよりもグラフィックスコアに内蔵するEUの多いIntel HD Graphics 3000の効率が上回ったと考えるべきだろうか。
3DMark 11は、DirectX 11に対応したCore i7-3770KのIntel HD Graphics 4000と、Core i5-3470のIntel HD Graphics 2500だけの比較となるが、グラフィックスコアに関わる性能差はおよそ2倍で、個別のテストでは、特にGT1とGT2で2倍以上の開きがある。ある意味、トータルスコアでは非力なGPUをCPUの性能でカバーしたが、グラフィックスに特化したベンチマークテストでは内蔵するEUの少なさがストレートに現れた。
3DMark 11 個別テストの結果 | ||
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テスト項目 | Core i7-3770K | Core i5-3470 |
GT1 | 4.0295 | 1.56551 |
GT2 | 4.05439 | 1.75272 |
GT3 | 4.36072 | 2.36029 |
GT4 | 1.59316 | 0.99094 |
3DMark Vantage 個別テストの結果 | ||||
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テスト項目 | Core i7-3770K | Core i5-3470 | Core i5-2500K | Core i5-2400 |
GT1 | 10.227 | 4.36556 | 4.24633 | 1.97954 |
GT2 | 9.6652 | 4.50962 | 4.26039 | 2.85231 |
CPU1 | 3626.27 | 2551.03 | 2407.66 | 2296.15 |
CPU2 | 36.0767 | 26.2892 | 23.3638 | 22.2991 |
FT1 | 6.39056 | 2.91956 | 3.89908 | 2.0398 |
FT2 | 1.46817 | 1.29695 | 1.12732 | 1.08565 |
FT3 | 3.05311 | 1.64234 | 1.61468 | 1.28856 |
FT4 | 29.2896 | 14.1291 | 9.1426 | 4.33877 |
FT5 | 17.3463 | 10.0583 | 8.88968 | 3.75789 |
FT6 | 12.7747 | 3.6246 | 5.01956 | 2.08162 |
The Last Remnantでは、1366×768ドットでも、実質的にゲームをプレイするには厳しいスコアだが、Core i5-2500KのIntel HD Graphics 3000と比べてもわずかに低い。3DMark Vantageでは若干上回っていたが、実タイトルで、とくにCPUの影響が低い場合では、GPU性能の差が現れやすいということだろう。
デビルメイクライ4のベンチマーク結果も、The Last Remanatと同様だ。Core i5-2400のIntel HD Graphics 2000からスコアそのものは向上しているとはいえ、実際のプレイに耐えられるのは、Core i7-3770KのIntel HD Graphics 4000のみだ。
MHFベンチマーク【大討伐】のベースとなるモンスターハンターフロンティア オンラインは、Core i7-2600KのIntekl HD Graphics 3000でプレイ可能といわれていた。同じ評価のIntel HD Graphics 3000を統合するするCore i5-2500Kに対し、Core i5-3470のIntel HD Graphics 2500は、3分の2程度しかスコアを出していない。これではかなり厳しい。
消費電力では、Core i7-3770Kに対し、CPU高負荷時で20ワット、グラフィックスコア高負荷時で10ワットほど低い。Core i5-2500Kと比較しても、高負荷時で消費電力は低い。一方で、アイドル時はほぼ横並びだ。TDP 95ワットタイプのCPUと比べると20ワット近く、TDP 77ワットタイプのCore i7-3770Kと比較しても、CPU高負荷で20ワット、グラフィックスコア高負荷で10ワットほど消費電力が低かったわけで、その省電力性能は意外と侮れない。
Core i5-3470は、CPU性能でCore i5-2500Kと並び、グラフィックス性能ではIntel HD Graphics 3000に迫る。ただし、グラフィックス性能を十分に発揮するには、システム構成で注意しなければならない。まず、システムメモリでは、DDR3-1600以上を使うようにする。そして、グラフィックス関連のベンチマークテストでこそスコアは高いが、実際のゲームタイトルを用いたベンチマークテストでは、それほどスコアが伸びない可能性がある(実際のゲーム動作は実用的でない可能性がある)ことにも注意したい。
Core i5-2500Kユーザーの場合、乗り換えるメリットは、消費電力とDirectX 11に対応するくらいだが、一方で、Core i5-2400ユーザーとなると、すべての性能で向上が見られる。メモリをDDR3-1333のままでCPUをアップグレードした場合は、この限りではないが、買い替えのボーダーラインとしてはCore i5-2400あたりになる。ただし、実売価格は1万7000〜1万8000円前後で、上位と下位と1000円程度の違いとなると、もう少し高い性能を望んで上位、または、価格を抑えた下位モデルを選ぶユーザーも多いかもしれない。
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