Core i5-3470で「Intel HD Graphics 2500」を知るイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2012年06月25日 15時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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グラフィックス性能に特化して測定すると違った側面が見えてきた

 3DMark Vantageでは、GT1、GT2、CPU1、CPU2の4項目すべてでCore i5-2500Kに統合するIntel HD Graphics 3000をIntel HD Graphics 2500が上回っている。しかし、Feature Testでは、FT1において比較的大きな差で下回った。FT1は、Texture fill rateを測定するベンチマークテストで、グラフィックスコアとメモリの間におけるデータ転送負荷が大きい。ただ、そういうことならば、DDR3-1600に対応するCore i5-3470が有利だが、それよりもグラフィックスコアに内蔵するEUの多いIntel HD Graphics 3000の効率が上回ったと考えるべきだろうか。

 3DMark 11は、DirectX 11に対応したCore i7-3770KのIntel HD Graphics 4000と、Core i5-3470のIntel HD Graphics 2500だけの比較となるが、グラフィックスコアに関わる性能差はおよそ2倍で、個別のテストでは、特にGT1とGT2で2倍以上の開きがある。ある意味、トータルスコアでは非力なGPUをCPUの性能でカバーしたが、グラフィックスに特化したベンチマークテストでは内蔵するEUの少なさがストレートに現れた。

3DMark 11
3DMark Vantage

3DMark 11 個別テストの結果
テスト項目 Core i7-3770K Core i5-3470
GT1 4.0295 1.56551
GT2 4.05439 1.75272
GT3 4.36072 2.36029
GT4 1.59316 0.99094

3DMark Vantage 個別テストの結果
テスト項目 Core i7-3770K Core i5-3470 Core i5-2500K Core i5-2400
GT1 10.227 4.36556 4.24633 1.97954
GT2 9.6652 4.50962 4.26039 2.85231
CPU1 3626.27 2551.03 2407.66 2296.15
CPU2 36.0767 26.2892 23.3638 22.2991
FT1 6.39056 2.91956 3.89908 2.0398
FT2 1.46817 1.29695 1.12732 1.08565
FT3 3.05311 1.64234 1.61468 1.28856
FT4 29.2896 14.1291 9.1426 4.33877
FT5 17.3463 10.0583 8.88968 3.75789
FT6 12.7747 3.6246 5.01956 2.08162

 The Last Remnantでは、1366×768ドットでも、実質的にゲームをプレイするには厳しいスコアだが、Core i5-2500KのIntel HD Graphics 3000と比べてもわずかに低い。3DMark Vantageでは若干上回っていたが、実タイトルで、とくにCPUの影響が低い場合では、GPU性能の差が現れやすいということだろう。

 デビルメイクライ4のベンチマーク結果も、The Last Remanatと同様だ。Core i5-2400のIntel HD Graphics 2000からスコアそのものは向上しているとはいえ、実際のプレイに耐えられるのは、Core i7-3770KのIntel HD Graphics 4000のみだ。

 MHFベンチマーク【大討伐】のベースとなるモンスターハンターフロンティア オンラインは、Core i7-2600KのIntekl HD Graphics 3000でプレイ可能といわれていた。同じ評価のIntel HD Graphics 3000を統合するするCore i5-2500Kに対し、Core i5-3470のIntel HD Graphics 2500は、3分の2程度しかスコアを出していない。これではかなり厳しい。

The Last Remnant
デビル メイ クライ 4ベンチマーク(画質オプションは標準のまま、シーン4のスコアを採用)
MHFベンチマーク【大討伐】

 消費電力では、Core i7-3770Kに対し、CPU高負荷時で20ワット、グラフィックスコア高負荷時で10ワットほど低い。Core i5-2500Kと比較しても、高負荷時で消費電力は低い。一方で、アイドル時はほぼ横並びだ。TDP 95ワットタイプのCPUと比べると20ワット近く、TDP 77ワットタイプのCore i7-3770Kと比較しても、CPU高負荷で20ワット、グラフィックスコア高負荷で10ワットほど消費電力が低かったわけで、その省電力性能は意外と侮れない。

消費電力

使っているCPUが“Core i5-2400”以下なら全体的に性能アップ

 Core i5-3470は、CPU性能でCore i5-2500Kと並び、グラフィックス性能ではIntel HD Graphics 3000に迫る。ただし、グラフィックス性能を十分に発揮するには、システム構成で注意しなければならない。まず、システムメモリでは、DDR3-1600以上を使うようにする。そして、グラフィックス関連のベンチマークテストでこそスコアは高いが、実際のゲームタイトルを用いたベンチマークテストでは、それほどスコアが伸びない可能性がある(実際のゲーム動作は実用的でない可能性がある)ことにも注意したい。

 Core i5-2500Kユーザーの場合、乗り換えるメリットは、消費電力とDirectX 11に対応するくらいだが、一方で、Core i5-2400ユーザーとなると、すべての性能で向上が見られる。メモリをDDR3-1333のままでCPUをアップグレードした場合は、この限りではないが、買い替えのボーダーラインとしてはCore i5-2400あたりになる。ただし、実売価格は1万7000〜1万8000円前後で、上位と下位と1000円程度の違いとなると、もう少し高い性能を望んで上位、または、価格を抑えた下位モデルを選ぶユーザーも多いかもしれない。

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